日付: | 2016年6月5日 |
場所: | ファッフェン峠(Pfaffensattel:標高1,368m) | 地域: | オーストリア(Austria Republic) 上オーストリア州(Oberöstrreich) |
訪問地: | Wien, (car) Steinhaus am Semmering(825m), (Fröschnitz), pfaffensattel(1368), Steinhaus am Semmering(825m) (car) Wien |
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ウィーンを出発し、スタインハウス(Steinhaus am semmering)の町に着いたのは午前8時半過ぎだった。町は世界遺産で有名なゼメリンク鉄道終点駅から4km程南西に離れたところにある。日曜日の朝は、とても静かだ。
路面は、うっすらと濡れている。夜のうちに雨でも降ったのだろう。空を雲が覆っているが、今のところ、雨粒は落ちてきてはいない。空模様は、昨日より悪い感じだ。 |
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スタインハウス(Steinhaus am semmering)の町は小さな町で、人口は600人とのことだ。町の中心にある一軒のゲストハウスは日曜営業を行っているようにみえる。店先に真新しい立て看板が並び、朝食も提供しているようだ。このエストハウスは、宿泊もできるようなので、宿泊客もいるのだろうか。
今日登るファッフェン峠(Pfaffensattel)は、スタインハウス(Steinhaus am semmering)の町から南東方向に出発する。フルシュニッツ川(Frö schnitz)に沿って道路が走り、その道路を遡っていくことになる。スタインハウスが標高825mで、峠が1,368mである。ざっと標高差で500m、距離で約10kmの峠登りだ。 |
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片道一車線、斜度5%程度の道路を登っていく。しばらく走ると何やら新しい建物が目に入ってくる。オーストリア鉄道のトンネル工事の現場事務所だった。看板によれば、グログニッツ(Gloggnitz)からミュルツシュラッグ(Murzzuschlag)の二つの町を結ぶ総延長27.3kmの複線鉄道用トンネルを建設しているという。
日曜日だというのに、立坑から何やら砂利らしきものを地下から地上まで揚げているようで、ガラガラという音が聞こえる。工事は、2012年に始まり、全線の開通が2026年という。ずいぶんな大工事だ。 |
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時刻は午前10時、登り始めて1時間ちょっとが経過した。道路の傾斜が次第に急になる。それとともに、空の雲の色が黒っぽくなり、やがて雨粒が落ち始めた。雨脚は、かなり激しくなった。これはいけないと思い、道路脇の広葉樹の下に一時避難をする。
時間も時間なので、リュックからポットのお湯を取り出して、コヒーを飲む。ついでにパンも少し齧る。朝食が5時過ぎだったので、かなり強い空腹を感じた。 |
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15分程、雨宿りしたが、雨脚は強いままで弱くはならない。しょうがないと思い、リュックから上下の雨着を取り出して着る。そして雨の中を走りだす。この姿を誰かが観たら、どう思うだろうかと考える。時折、自動車が後ろから追い越していく。快晴の空の下でのサイクリングは華やかだが、雨の中の走りは、とても悲惨だ。こうまでして、なぜ走るのだろうかと自問しながら、一漕ぎ一漕ぎ数えながら、耐える。
やがて峠の茶屋が視界に入りだす。峠が近い予感だ。あそこまで行けば、もう登りはないと思い、ペダルをける。午前10時40分に標高1,368mの峠に到着した。峠の茶屋は閉店していた。残念ながら、コヒーもアイスクリームもない。 峠からは、標高1,779mまで達する林道(Mautstrasse)が分枝している。この林道を行くか止めるか迷う。結局、行けるとこまで行ってみようと意を決める。そしてペダルを漕ぎ始めた途端にドドーンという雷鳴が周りに響いた。そのタイミングが、私に対して「行かない方が良いよ」と暗示しているようなピッタリなものだった。途端に、意欲がサッと失せた。 無人の峠の茶屋で、軒下でも良いからどこか雨宿りができないものかと場所を探す。しかし、適当な所がない。どこも雨に濡れている。しょうがないと思い、峠の茶屋前に置かれていた自然木の上に食べ物類を広げて、ちょっと早い昼食にする。時刻は午前11時だ。 |
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6.
標高1,368mから標高825mまでのダウンヒルは快適なものだった。距離にして約10kmの区間、まったくペダルを漕ぐことはなく、雨に濡れながらではあるが下界に降りてきた。そして驚いたことには、スタインハウス(Steinhaus am semmering)の町では、まったく降雨の形跡が観られないのである。道路は、カラカラに乾いている。歩道を歩いている人が、ビショビショの雨着を着た私を見て不思議がっているようである。峠では、雷を伴う雨が降り続いていたのに、たった、10km離れただけで、こんなに違うものなのだろうか。
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