日付: | 2015年11月22日 |
場所: | ウィーンの森・ジュビレームス砦(Jubiläumswarte 標高 653m) | 地域: | 下オーストリア州(Niederöstrreich) オーストリア(Austria) |
訪問地: |
Gumpoldskirchen, Weinwanderweg, Anninger Schutzhaus, Jubiläumswarte, Krauste Linde, Richardhof, Gumpoldskirchen |
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2週間前の遠征旅行で、左脚太ももの筋肉を傷めた。
ウィーンに帰った深夜から痛みが始まった。
どうにもこうにも、脚の芯から染み出てくるような痛みに耐えられず、
バッファリンを飲んで、痛みを抑えて朝を迎えた。しんどかった。
この突然の脚痛で、3日程、寝込んだ。 そんなに脚を酷使したようには思えないのである。身に覚えがないのである。これが寂しい。 最近は、私の体に生じる不具合は年齢のせいにして、自分を慰めている。 今朝から、メッキリ寒くなった。自動車の外部温度計は摂氏4度を示していた。 ブドウ畑の葉が、見事に色づいている。 |
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グンポルドスキルヘン(Gumpoldskirchen)村は、ワイン産地で有名。村には多くの酒場がある。
ウィーンに近いという好立地のためだろう、週末には多くの観光客が行きかう。
この村の東外れに立派な教会がある。 ブドウ畑の丘からこの教会を見下ろすと随分と目立つ教会だとわかる。 この村に到着したのは、午前10時ちょっと前だった。 教会で日曜礼拝が行われるようだ。多くの人が無言で車を駐車場に置いて教会の方向に歩いていく。 皆の服装は、まさに冬のものだ。 |
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ブドウ畑の急坂を登り切ると雑木林の中に入る。視界は閉ざされる。
トラクター一台が、やっと入れる程度の細道だ。
ブドウ畑として開拓できないのは、恐らくここの土質のせいだろうと思う。昨日の 雨で道がぬかるんでいる。この水はけ具合では、根腐れを起こしてしまうのだろう。 一歩一歩と登り坂をしっかり歩く。ウィーンの森に来たのは久し振りだ。これから冬になる。 したがって、アルプスの本格的な山には入れなくなる。 |
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どんどんと山道を上がっていく。登山道は落葉で一杯だ。風が強く吹いているようだ。
グォーンという音が頭の上から降りてくる。まさに、冬の山道だ。
山道を登り続けると子犬が全速力で私の方に向かって走ってきた。 大犬ではないので、恐怖心はないが、これはちょっと危ないなあと感じる。。 子犬の後に年老いた小柄な男がゆっくりと1人で坂を降りて来る。地元の方だろうか。 山の中とは言えマナーが悪い。すれ違う際に、この男は何も言わずに立ち去った。ひとことぐらい 何か言って欲しいものだ。 |
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一時間程歩き続ける。ずっと登り道だった。
寒い中を歩いてきたが、なぜかビールが飲みたくなる。
最近は、家出の一人飲みは止めている。どうも、アルコールを飲んだ後の気分がすぐれない。
たった一杯のビールでも、酔い覚めの気分がすこぶる悪く感じるようになった。これも年齢のせいか。
山小屋(Anninger Schutzhaus)の扉を開けて中にはいる。こじんまりとした綺麗な部屋が入った左側にある。ここには6人掛けの テーブルが7つ置かれている。目の前にはカウンターがあり、今日、持って来たものだろうか数個の パンが置かれている。 カウンターの向こうに40才過ぎのおばさんが対応をしてくれる。 「あいよ」という感じで、すぐにジョッキーを一つカウンターに置いてくれる。 そのジョッキーを持って、テーブルに座る。冬になると、一人登山客が増える。 部屋には6人いたが、皆が、一人登山客だった。そして皆が、昼間っからビールを飲んでいた。 |
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山小屋から10分も歩かないところに、古い塔が立っている。
標高が653mのジュビレームス砦(Jubiläumswarte)だ。
この塔の横に19世紀の末に建てられたという礎がある。
塔は、これで大丈夫かなあと心配してしまうほど、細い鉄骨で組み立てられている。 19世紀の末の建立というから、建物に鉄骨が使われ始めた頃だろう。 当時は最新の建設材料を使った斬新的な塔だっただろうが、今になっては時代の流れを感じる。 この塔に向かって歩いていくと、一人のサイクリストに追い抜かれた。 後ろ姿から女性であることがわかる。この女性サイクリストは塔の下に到着すると すぐに塔の上に登っていった。元気なサイクリストだ。ただ、ちょっとどこかおかしいのか ときどき異声を放って叫んでいる。塔の階段を気合いを入れて登っているのであろうか。見るからに様子がおかしい。 彼女は1分も塔の上に滞在することなくすぐに降りてきた。風が強いせいだろう。 私が塔の頂上に着くと、なんと、彼女は自転車用のヘルメットを上に忘れて降りていったようで、 塔の頂上の床にヘルメットがごろりと落ちていた。 あららと思い、下を覗いてみる。なんと、彼女はダウンヒル用に服装を着替えていた。上半身 裸である。なんとも豪傑な女性だことと思う。 塔から降りる際に、彼女が忘れていったヘルメットを持って降りた。そしてそれを彼女の渡すと とても丁寧に感謝された。頭がおかしいのか、正常なのか、よくわからない女性だ。 |
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下りは別の道を歩く。クラウステ・リンテ(Krauste Linde)の小屋の前を通る。
小屋の入口に、小屋で撮影したらしい古い写真が飾られている。
1905年に撮られた写真で、男と女が、緊張して小屋の前の椅子に腰かけている。 100年以上も前の写真である。当然だが、この写真に写っている人は、今はこの世にいない。 相変わらず、頭の上から枝が風を切る音がゴーと響く。人の一生とは、かくも、はかないものなのだろうか。 クラウステ・リンテ(Krauste Linde)の小屋を少し過ぎたところで切り株を見つける。 そこに座って、少し遅い昼食摂る。今から、ちょうど一年前に、オーストリアに来た。 1年も100年も、大して、変わらないのではないかと取り留めもないことを考え始めた。 |
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下山の途中で、道案内の看板を見つける。そこにドイツ語でいろいろと書かれている。
1年前は、ドイツ語を見ても、チンプンカンプンだった。
しかし、今は、何が書かれているのか、すこし推測がつくようになった。
1818年から1820年の夏の間、ベートベンが47才から49才のときに、 この森の近くにあるメドリンク(Mödling)という町に住んでいたという。 そして、この森の中を、よく散歩したということだ。 冬と夏の季節は違うが、こんな森の中を歩きながら、曲想を練ったかと思うと、 ちょっと不思議な気持ちになる。 |
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ゴルフ場の横を通り過ぎる。
周りは冬の様相なのに、ゴルフ場の芝の緑が際立つ。まさに別世界である。日曜日だというのに、
コース上には誰もいない。のんびりしている。
ゴルフ場に看板が出ていて、18ユーロ(約2500円)でレッスンが受けられると書かれている。
床屋さんと同じ値段だ。
ゴルフのインストラクターという職業はこんなものなのだろうかと考えた。
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