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朝、ベランダの外に温度計を置いた。気温は摂氏2度だ。氷点下までは、
下がっていないようだ。そのためか、見える雪の量は、昨夜よりも少ない。
このまま、天気が回復してくれることを祈る。
自動車を給油しないといけない。通りのスタンドに寄って給油を試みる。 ところが、その要領がよくわからない。セルフで給油して、そのまま 店の中で料金を支払うのかと思ったが、そうではないらしい。 給油の仕方がわからないので困っていると、店の中から親切な人が外に出てきて助けてくれた。 寒い中をありがとう。 |
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イタリアに来て驚くのは、街並みがえらく整っていることだ。
このロレットアプルチーノ(Roleto Aprutino)村も、その一つだ。
世界遺産に登録すれば、すんなり認められそうな街だ。
ただ、国内にワンサカと同じような街がある。したがってよっぽどでないと目立たない。
不思議なものだ。高度がほんの少し高くなるだけで、路面に雪が残る。 本当は、ロレットアプルチーノ(Roleto Aprutino)村の先にあるペネ(Penne)村 まで行きたかった。しかし、雪は降り続く。タイヤチェーンを持参していない身は、とても危ない。 諦めた。 |
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ロレットアプルチーノ(Roleto Aprutino)村のサンピエトロ・アポストロ寺院に入る。
村で一番高いところに立つ寺院だ。
その入り口に、「1771」と刻まれた石碑の欠けらが飾られていた。
今から250年前に、どこかの誰かが刻んだのだろう。
長いようでもそうでもないような時間の壁を超えて出てきた石片
を見ながら思いに耽る。
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山がダメなら海岸近くでもゆっくり歩こうかと考えた。そして海沿い
まで自動車で走った。
ところが、海は海で、風がとても強い。波もすごい高さだ。これじゃ、 優雅に散歩とは行かない。もう、どうにもならない。 |
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実は気になっていたことが一つある。宿のベランダから見える景色だ。
オリーブ畑の山を一つ越した高見に村がある。
この村に夜になると煌々と明かりがつく。
宿のベランダから眺められる風景の一つとして、一度、行ってみたいと思っていた。
場所は高いところにある。この雪では、自動車も自転車もダメと考えた。 結局、歩いていくことにする。 |
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訪れた村の名前はシルビ(Silvi)村だ。相変わらずの悪天候で、遠方の
視界が悪い。しかし、時折、ずっと続く海岸線が見えることがある。
宿を見下ろすことができる。なるほど、いつも、こんな景色を逆から 見ているのかと思う。願わくば、天気さえ良ければと思うのだが、それは叶わない。 |
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雪降りが、昨日、今日と続く。せっかくここまで持ってきた自転車
に乗れないのが残念だ。
宿に帰る。部屋の中は快適だ。窓から雪降る村を眺めながら大晦日の午後を過ごす。 この景色を肴に、イタリア遠征の最終日を過ごそう。今日は特別だ。ワインを一瓶、平らげる。 |
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