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ピレネーの玄関口であるツールーズ(Toulouse)に夜行列車は、午前7時過ぎに着いた。
良く眠れた移動だった。夜中、恐らくリモージュであろうが、列車は強い雷雨に会った。
列車は停止していたような気がする。バリバリ音の雷とともに、強い雨音が列車の屋根から聞こえてきた。
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目的の街は、ツールーズから南東に100km程離れたトラスコン・スール。アリエージュ駅(Tarascon-sur-Ariège)だ。
この街の北に拡がるソーラ山地を旅することだった。
列車は駅に停まった。ただ、フランスの列車は、扉を自分で開けなければならない。自動ではない。 こともあろうに、列車の扉を開けようとボタンを押す。押しても押しても開かない。 後で気づいたが、線路側の扉を開けようと一所懸命していた。なんともドジな男だ。 |
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次の駅は、ルズナック(Luzenac)駅だった。ここでは、トラスコン・スール。アリエージュ駅と
同じ間違いをしないように、しっかりと線路側でない扉を押した。当たり前だが扉は開いた。
ルズナック(Luzenac)は、滑石鉱山で有名だ。その露天採掘場は、世界一というふれこみだ。 世界中の道路の白い線は、おもに滑石を使って引かれている。 |
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ルズナック(Luzenac)の北に古城が聳えている。まずはそこを登ることにする。駅が標高587m
で、古城の標高が956mだから、ざっと400m程の登りだ。汗をかくも、簡単に登ってしまう。
古城は廃城になっており、鷲やタカの動物園になっていた。これらの鳥類は、足を紐で縛られているものの 柵がないのが特徴だ。 |
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この動物園を歩いていたら、係員が寄ってきた。11時半から、鳥の
デモンストレーションを行うから広場に集まって欲しいとのことだった。
30分程待つが、せっかくの機会だから見ていくことにした。観客は30人程で、 鳥の餌取り、タカの狩などの実演に子供達が大喜びだ。 |
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ピレネーは夏真っ盛りだ。雲一つなく晴れ渡る。標高700m~800mの崖通り(Route de Corniches)
が、中世のお城の北に拡がっていた。そこを走る。
すごい日差しだ。幸い、日陰に入ると風は爽やかだ。山水画に出てきそうな崖を観ながらの 走りになった。 |
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午後2時、タラスコンの街に入る。そこのパン屋でサンドイッチを買って昼食だ。
時間が中途半端だ。ちょっと、走り足らない気持ち。当初の予定どおり、今から、
ポール峠(Col de Port)を目指すことにする。峠の標高が1,249mだから800m程の
標高差を攻めることになる。幸い、夏だから日暮れも遅そうだ。
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何と言っても、午後に距離29kmの登り坂は辛い。最後の数キロは、息も絶え絶え状態
で、ペダルを漕ぐことになる。ちょっと走っては、停まって足の筋肉を伸ばす。この
繰り返しだった。
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峠には、幸運にも峠の茶屋があった。峠の記念撮影を済ませる前に、
猛烈にビールが飲みたくなる。汗だくだくで店に入る。なにはともあれ、
ビールを注文する。これがメチャ美味いのである。
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ピレネーは、ウシのフンが至る所に落ちている。これには気をつけないと
いけない。ブスっと踏んでしまう。
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都合1時間程、峠に滞在した。午前中なら峠のまわりを散策でもするが、今回は
もう午後6時だ。帰ることする。
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ホテルは各部屋に温泉が使える。フロントのおじさんに、自転車用の駐車場がないかと
尋ねると「ない」との返事。部屋に持って上がれという。言われたとおり持ってあがる。
ホテルは、値段の割に非常に良い。何と言っても、疲れた体で、湯タブに入られることだ。
このホテルは最高だ。ゆったりと、ペダルを踏んだ足を湯船に浸けて、のぼせる一歩手前まで
我慢した。
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