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ホテルは一泊で40ユーロ(約4000円)の安ホテルだ。受付のお兄さんは親切で、「おお、自転車で来たのか」と言って、何も言わなくても自転車置き場に誘導してくれた。
普通、このクラスのホテルはシャワーのみでバスタブは付かない。が、私が泊まった部屋にはバスタブがあった。早速、お湯をため、お風呂の準備をする。熱々のお湯をバスタブいっぱいにため込む。そしてゆっくり湯船に浸かる。一日の疲れがふっとんでいく気持ちの良さである。 実は、ここまでは非常に良かった。しかし30分程すると、部屋の電話が鳴った。「下に水が落ちて来ている。水を流しているか?」「流していない。問題ない」と答える。 しばらくして、受付のお兄さんが部屋まで上がってきた。風呂まわりを見せて欲しいという。どうぞと言って見せる。自分では気づかなかったが、バスルームの床がが、かなり水浸しになっていた。ホテルのお兄さんは、水はすでに止まっていることを確認して帰っていった。これで終わりかと思った。fが、しばらくして、別の人が部屋までやってきた。今度は、懐中電灯持参である。下のレストンランの天井からの水漏れが止まらないと言う。 その男は、懐中電灯で一所懸命、バスタブの下をチェックしていたが、水漏れが続いていることを見つけられなかったようだった。 安ホテルはいろいろある。 朝、フロントで朝食を食べていたら、フロントのお兄さんが来て、「きのうは、お騒がせして悪かった」と言った。 |
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今日は、バランス市の東方に広がる山岳地帯をサイクリングする。この山岳地帯は、いわゆる石灰岩が作るケスタ地形の独特の山々が連なる。
目的地は、この山々の上に広がる高原地帯である。高原地帯の入口は、地図で見る限りでは、リムーシュ峠(Col des Limouches)らしいことがわかる。そこを目指す。 登り始めがプイヌス(Peynus)の村で、そこが標高391mである。リムーシュ峠が1,086mなので、ざっと700mの高度差にチャレンジすることになる。 下から見上げる石灰岩の崖は険しい。そこをヘッチラコと漕ぎあげていく。自分の足との我慢比べだ。1Km毎に、道沿いに道しるべが置かれ、リムーシュ峠までの距離と現在の標高が示されている。なんと、親切なことだ。 午前10時を回ったのに、車通りが極端に少ない。またサイクリストとは出会うが、追い越していくサイクリストには出会わない。 時折、爆音を上げてオートバイが通り越して行く。 |
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標高600mを越えると足が悲鳴を上げだした。
標高700mを越えると足の痛みに耐えられず歩き始めた。 標高800mを越えると息絶え絶えである。かなり体力が落ちている。 標高900mを越えると、登りの山場は越えたようで傾斜が緩くなる。それとともに、見晴がし良くなる。昨日、苦戦した山々が、バランスの街の向こう側に、霞がかって見える。ダラダラの登り坂を自転車を降りて歩いたり、走ったりの繰り替えしで登り続ける。 突然、道沿いの森の中に小さな実をつけた木を見つける。休憩がてら、その木をじっくり調べる。梨の木だった。洋ナシ、しかも、梅干し大の大きさの実をタワワにつけている。その中の一つを齧ってみる。熟した洋ナシで、これが結構、旨い。 中には、ちょっと熟しすぎて実が腐っているのもある。しかし、天の助けか、乾いた喉に、水々しい梨は、じつに美味しい。10個ほど、その場で食べ、10個ほどをリュックに詰め込む。これはラッキー。 標高1000mに到達。もう高原地帯に入っているようで、ベルコルス地域自然公園の看板が目に入る。あたりの景色は最高に美しくなった。見惚れるほどである。 |
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標高1086mの峠は、ふつうの峠だった。なんと道沿いに民家もある。内心、ビールが、もしかして呑めるかもしれないという淡い期待を抱いてここまで登ってきたが残念、あるのは、高原地帯で育てたヤギかの乳から作ったチーズを売る農家のお店(閉店)だった。
峠から少し離れたところに1本の松が生えていた。その松木の下に日陰があり、柔らかそうな芝生が生えていた。そこに移動して遅い昼食だ。時間は午後1時半。 しばらく休憩をしていると、多くのサイクリストが峠を通過していく。そのうちの何人かは、私がクラッカーを食べているの見て「ボンナプティ(良い食事を)」と、手を挙げて、大声で応援してくれる。人なつっこいフランス人がいるものだ。 |
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登りに3時間かかったが、下りは、たったの30分で下の村まで降りた。700mのダウンヒルは快適だ。どこかでビールの飲める喫茶店を探していたら、なんと、巨大なトウモロコシを干すマシンを見つけた。
どこかの村でも見つけたことがあるが、この迫力はすごいの一言である。秋、農家の人々は収穫に精を出す。 そういえば、至る所に、トウモロコシ畑があり、トウモロコシ葉、茎は枯れ始めている。フランスは、まさに今が秋真っ盛りである。 |
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