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午前7時に車で動き出した。まずは、ピトロクリー(Pitlochry)の街の西に広がる森林地帯だ。クインゥビュー(Queen’s view)は、かって、女王様がここから景色を眺めたという景勝地だ。
構造湖が並ぶ一直線の地形に、遠くハイランド地区の山々が見えるハズであったが、残念ながら朝のガスが山々にかかり、何も見えない。がっかりしながら、近くの景色を眺めていたら、通りかかりの散歩を楽しむ人が、「おはよう」と声をかけてくれた。たったの一言だが、気持ちが良い。 |
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最初の走りは、ラノッチ湖(LochRannoch)の岸辺だ。青空が見え始め、太陽が顔を出す。風で、木々の葉は揺れて、光を反射し返す。とてもすがすがしい朝だ。
キニッチュ・ラノッチ村に一軒ある郵便局に入る。スコットランドを含む英国の田舎の郵便局は売店も兼ねたところが多い。小さな郵便局の中では、主らしきおばさんが、野菜を量り袋に詰める作業を行っていた。さすがに田舎でありノンビリしているなと思うのは、店員がしっかりと挨拶してくれることだ。 ここで、ポテトチップを買う。 店のお酒コーナーは、ロープでアクセスできないようになっていた。張り紙では、朝、10時までは、決まりで、種類は販売できないとのことだった。 |
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同じ来た道を通って帰るのは、もったいないと思う。ということで、北上してダルチャロック(Dalchalloch)村を目指す。地図上で、いかにも殺風景な景色が期待できそうな予感がしたから、そちらに向かった。
この村の上流には、大きな湖がある。そこの谷を利用してダムを造り発電しているようだった。案の定、殺伐とした景色が広がり、途中、これぞというスコットランドらしい小さな石橋を見つける。こういう石橋を自転車で渡ると、何かゾクッという感触を味わう。 もう来てみて良かったと思った。 |
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ピトロクリー(Pitlochry)の街に帰ってきた。この街の東に広がる県道A924号を走ったのち、再度、ピトロクリー(Pitlochry)に戻り、その後北上する。
実は、スコットランドの代表的な峠であるドルモッター峠(標高457m )には、20年以上も前に一度来たことがある。再訪である。この地は、国立公園の中にあり、禿げた山々が連なる殺伐とした地域だ。この景色が、目に焼き付き、スコットランドと言えば、この地域の景色を思い出した。 この景色が忘れられず、この景色をお迎えが来る前に、もう一度見たかった。そして、やっとここに辿りついた。 |
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不思議なものだ。記憶は、時間とともにデフォルメされ、多かれ少なかれ自分勝手な方向に作り替えられるものと私は信じていた。
ところが、どうだろう。この山々の景色は、20年間、何ら歪められることなく、私の頭の中に残っていた。山々の傾斜度合、崖が崩れて地肌がむき出しになっている位置、少し離れたところにある送電線、どれもこれも期待していたとおりだった。 20年前は、サイクリングなどする余裕はなかった。今、この地を走ってみることにした。幸いにも、国道沿いに自転車専用のサイクリング道路ができている。ただし、自転車道を外れて、この山〃の中は、立ち入り禁止区域らしく入っていけない。残念である。 |
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