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前日夜の天気予報は雨だった。起床一番に空模様を確認するのが、まずは仕事。案の定、重い雲が空を覆っている。昨夜は、迷った。行くまいか、行かざるか。
朝食後、コーヒーを飲む。さて、何をやろう。落ち着いて考えたら、たまの休日、やることがない。今の自分からサイクリングを取ったら、何も残らない。サイクリングどころか、今の自分が気にしていることを、二つ三つ自分の体から剥がしたら、何もない自分しか残らない。さみしいことだ。 これって、お迎えが来ている準備が、しっかりできている証だろうか。 結局、自転車を持ち出して外に出た。雨が降り出したら、振り出したで、その時に考えよう。それが一番だ。 パリ西部のサンマルタン運河の自転車道に沿って、北東に向かう。途中、ゆっくりと昼飯だ。 |
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パリを走り抜けると、ウルック(Canal de l’Ourcq)運河に入る。運河航行用の交通標識を見つける。なんと、この運河は、108km先まで続いているという。
フランスは、18世紀末の鉄道網が出来上がる前は、一所懸命、運河網を造ったということだが、なるほど、過去の遺産が、そのまま今に残っていることはアッパレである。 恐らく、この運河は名前を変え、ヨーロッパの様々な国につながっているのだろう。ドイツの国旗を揚げたプレジャーボートが通り過ぎる。まさにバカンスのシーズンである。 |
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施設に掲げられたポスターによると1873年から1973年まで火薬工場だったという。今は、一般開放された公園になっている。
なんでも、運河や鉄道に近く、街から離れていることからこの地が選ばれ、当時としては近代的な工場だったという。今は公園になっている敷地内は、ところどころに、昔をしのばせる建物が建つ。いずれも、建築後、100年を経っている建物とは思えない新鮮さだ。 公園で一休みをしようと売店に立ち寄った。中に入る。アイスクリームが美味しそうだったので、冷蔵庫を開けて中のものを取る。 突端、おばさんの叱り声が降りかかってくる。「勝手に者に触るな。この店のものは私が管理する。セルフサービスの店ではない。表示がわからんか。」とヒステリックな声で、叫ばれた。「ごめんなさい。私が悪かった。今後からは注意するよ。」と答える。よっぽど、腹の虫の居所が悪いのか、勝手に触る人が多いのか、かなりエキサイトしていた。「触るな」の注意書きが書いてあるのは隣りの冷蔵庫で、私が触ろうとした冷蔵庫の扉には、「触るな」の注意書きは書かれていない。と思いつつ、みっともない言い訳はやめて、さっさとおばさんの指示にしたがった。 最後には、そのおばさんは、笑いながら、2.5ユーロ(300円)で棒アイスを売ってくれた。しかし、何で、こんなに高価なのだ。ただのアイスが。 |
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運河の両岸の壁という壁は落書きだらけだ。落書き文字や絵が描かれたものなど、多彩だ。
関係者も、注意しても追い付かないのか、落書きは野放し状態である。対岸で、古い落書きを白のペンキで塗り消して、新しい落書きを書こうとしている。 落書きは芸術と言えば芸術かもしれないが、落書きするのであれば、もう少し、一つ一つの個性を出すようにして欲しいものだ。 |
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