|
モンドーフィン(Montdauphin)の駅には、定刻通り午前8時前に着いた。
天気は快晴である。絶好のサイクリング日和だ。すぐに自転車を組み立てる。
駅前の小さなホテルのカフェで、コヒーとクロワッサンを食べる。 クロワッサンが柔らかくて美味しい。なかなかのできだ。すぐに走りだす。 ギユストル(Guillèstre)の村を抜けるとすぐに渓谷に入る。 ギル渓谷(Gorges du Guil)と呼ばれるこの谷間は、結構な迫力である。 細い道の下は、目もくらむような谷だ。向い側の谷崖には、盆栽のような松が岩間にくっ付いている。 早速の、サイクリングの醍醐味である。 こういう道をサイクリングしたかったのである。ただし車が頻繁に通るのはいただけない。 |
![]() |
|
11時半、ケイラ砦(Fort Queyras)に着く。
ここは景勝地だ。
このケイラ(Queyras)という名前は、この地域周辺を指して使われている地名で、
そもそもこの一帯は、ケイラ地域自然公園と呼ばれている。
ギユストル(Guillèstre)の村から、ずっと登坂と格闘してきた。喉が渇いた。 このケイラ砦の麓にカフェが一軒あった。幸いにも開いている。店に入って、店主に、ビールを一杯注文する。 テラスでゆっくり、ビール。こりゃ、最高である。来てみてよかったと、もう反省モードである。 |
![]() |
|
どうもこの地域一帯は、スキーで有名らしい。至る所にスキー場がある。
山の中腹まではゲレンデが拡がっている。
夏は、避暑で、ハイキングに来る人が、パラパラだろうか。ホテルも、ほとんどが今の季節は休業中である。
車は、数十分に一台程度しか走ってこない。 その間、この広い道が、私個人の独占サイクリング道路である。 日本には、こんなすごい道路はないなあ。 おまけに周りは、残雪が残るアルプスの山々である。 |
![]() |
|
自転車を置いて、少し歩くことにした。自転車走行と歩行の違いは、写真の撮り易さである。
例えば、ある写真を撮る場合に、自転車の場合には、自転車から降りて撮らなければならないが、
歩行の場合は、撮り放題である。
美しい山々を見ていると、ついついシャッターを押してしまう。 自然は一瞬だ。すぐに形を変えてしまう。しかし、なんで、こんなに山々が美しいのだろう。 |
![]() |
|
午後6時を過ぎた。ここから宿泊地のムーリン村(Moulines)までは、坂道の登りだ。
標高1380メートルから1700メートルまで上がらなければならない。ざっと300メートルの標高差である。
距離にして5km。夕方のこの時間に、この登りは辛い。
若ければ、グッとがまんで最後のお勤めであるが、この歳になった今は大変だ。
おまけに、今晩のワインとおつまみのハムまで、ちゃっかりと買ってリュックに詰めた。 重量増加である。恐らくムーリン村(Moulines)の街に着くころは、お店が閉まっているとの読みからだ。 今の季節、午後7時を過ぎないと夕方らしくならない。日差しは強い。 汗だくだくで登りきった。水は500ミリリットルボトルを空にした。 「ホテルに着いたらシャワー浴びて、ワインだ」と自分に言い聞かせて登りきった。 |
![]() |