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クレルモンフェラン行きの電車は、朝の6時50分にベルシー駅を出発する。
これは結構、シンドイ時間だ。前回、アパートからサンラザール駅まで1時間を見ていればよいかと思った。ところが、
地下鉄の乗り継ぎが悪く、駅に到着したのが、電車が出発する10分前だった。切符を買う時間も考えたら、ギリギリであった。
と言うことで、前回の反省を含めて5時半にアパートを出発した。 もちろん間に合った。 電車が動きだすとともに空が白みだした。朝霧の中を走る。今日は、良い天気である。クレルモン・フェランの街は、 太陽一杯の南仏のような様相だった。 |
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午前11時にクレルモンフェランの街を出発。一路、西に聳えるピュイ・ド・ドーム山に向う。
日中になった。とにかく暑い。ウィンドブレイカーを脱ぎ、セーターを脱いで、自転車を押す。汗ダクだ。
長い登り坂は、この自転車では辛いのである。
午後1時半、なんとか標高1078メートルのスイサ峠(Col de Ceyssat)に着いた。 ただし、これで終わりではない。ここから登山道を標高差で400メートル程さらに登らないと頂上に着かない。 |
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登山道を登り始めた途端に視界が開け、周りの山々が見え始めた。なかなかの景色だ。
土曜日のせいか、家族連れの登山客が多い。ヨチヨチ歩きの子供まで、歩いて登っている。 ここで、面白い言葉を聞いて笑ってしまった。こんな感じだ。 親が歩くのがイヤになり、抱っこを要求する2歳くらいの子供に向かって、 「マデレーヌ、ちゃんと前に向かって歩きなさい。」 子供は数メートル歩くと、また、ドザエモンになる。すると、 「マデレーヌ、後ろを見てごらん。あんたより小さな子供が、ちゃんと歩いているよ。」 すると子供は、元気よく歩きだす。しばらくは。 何か、自分が小さい頃、母から言われて言葉であり、自分の娘にも使った言葉だ。その言葉を、遠く離れたフランスの地で こうして聞くとは思わなかった。 |
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頂上(標高1464m)までは峠から、約1時間かかった。フーフー言いながら休み休みだが、登りきった。
大きなアンテナがそそり立つ頂上そのものは立ち入り禁止だ。 また2012年から、登山電車が、頂上まで登ってくるということで、その建設工事で、頂上付近の平地は、立ち入り禁止だ。 でも、頂上付近からの眺めはすごい。 クレモンフェランの街が真下に、南には、雪渓を残した中央山塊の山々、遠くアルプスも東に見られる。 極めつけは、眼下に転がるようにボトリと並ぶ死火山のすり鉢状の山々だ。 ミネラル水で有名なボルビックの瓶のラベルに描かれている山々が、そこに拡がっていた。 |
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下りは、滑らないように、慎重に歩いた。日差しが強い。峠に、2軒のお茶屋がある。そこで、ビールを一杯。
これが喉が痛くなるくらい旨いのである。ほんとうに旨い。
雄大な景色、美味しいビール、何か、このまま、死んじゃってもいいんじゃないかと思いだした。 |
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