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市原市から大多喜町の市境を越えた辺りで、偶然、「江戸道」という古びれた木製の案内版を見つける。本道から外れて、少し、山道に入ってみることとした。尾根道を辿る山道だ。12月も下旬だが、暖かい秋のせいか、少しばかりの紅葉が木にくっついている。しかし、道の上は今年の落葉であふれんんばかり。途中、道祖神を見つける。誰が管理しているか、手入れは十分だ。これはご立派。
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実は、地図を見ていて驚いたことがある。それは、この辺りはゴルフ場がいっぱいなのである。ゴルフ場だらけだ。自転車で走っていても、ゴルフ場の案内看板をよく目にする。若い頃、一時期、ゴルフに凝ったことがある身であり、青空の下、光があふれんばかりの芝生の上でのプレイはの気持ちの良さは知っている。さぞかし気持ちがよいだろうなあ。でも、最近のゴルフは、カートとやらの乗り物を使う。ありゃ、興ざめだ。せっかく高いお金を出してプレイするのに歩かないなんて、なんともったいないことか。
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伊藤大山から、豪快なダウンヒルを大多喜まで下る。昼間とはいえ、耳にあたる風が結構冷たい。下ってすぐに、右側に茅葺の家を見つける。茅葺民家の裏には神社があり、数人が集まって落葉を燃やしていた。晩秋の風景、茅葺家屋に落葉、こういう景色は秋が一番だなあ。
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大多喜には、大多喜城があり、また江戸時代に建てられたという渡辺家もある。いずれも立派な建物で文化庁指定の文化財である。そして二つとも町のシンボルだ。ところが、おじさんがマイッタのは、この美しい城でも旧家でもない一軒の八百屋さんである。この店の醸し出す不思議な「渋さ」に耐えられないのである。この色合い、雰囲気、陳列のやり方、どうしてこんなにサマになっているのだろう。おまけに置台や、物入れなど、全てが微妙に傾いて妙なバランスで釣り合っている。極めつけは、家自体も心なしか傾いてみえる。これ、昭和の傑作として「文化財」に登録できないものだろうか。
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