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津久井町の青根には、1ヶ月半振りだ。時の経つのは速い。汗だくだくで、ヒイヒイ言って、自転車をコイだ。残暑厳しい9月だった。今は、もう紅葉の季節。長ズボン、ウィンドーブレカーと、もう冬の装いだ。「太平洋岸を台風17号が通るが、次第に晴れる」とのラジオニュース。台風のせいか、空を流れる雲足が速い。絶好の秋晴れの予感だ。
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今日は、津久井町から山北町との町境にある犬越路峠まで続く「神ノ川林道」の一本狙いだ。6時半に走り始めた。ところが、少し早すぎた。沢の中の林道には太陽の日がささない。風が冷たいのである。指が痛いのである。いやはや少しサボっている間に、季節はずいぶん進んだものだ。7時過ぎに林道の陽だまりをみつけた。誰も通らない、静かな道路の脇にどーんと腰を降ろして、ゆっくりとコーヒーを味わう。寒くなればなるほど味が冴える。これがやめられない。思ったとおり、空は抜けるように青い。
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実は「神ノ川林道」は車両進入禁止の林道だ。入ってはいけないのである。しかし不良サイクリストのワシは、そんなものは簡単に無視。頑丈に鍵に守られたフェンスも、「どっこらしょ」と自転車を提げて通過。林道は、案の定、大きな石がゴロゴロ転がる、荒れたダートの道だ。ロードの細いタイヤにとってはこれは過酷だ。と言う事で、道中のほとんどは、押し歩きで峠まで登りきる。犬越路トンネルの丹沢側出口の標高は900M程度だろうか。どこまでも青い空に、バシっとそそりたつ富士山の美しさには度肝を抜かされた。
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午前10時には、犬越路トンネルの丹沢側に出た。林道が「通行止め」ということで、ひとっこ一人通らない。風はない。沢を流れる水音と、小鳥のさえずりが遠くから聞こえてくる。ベンチの横に、名前を知らない小さな虫が一匹這っている。ベンチの上に横になる。そのまま空を見上げる。 紅葉した赤色、黄土色、黄緑色の葉がバックの空の青空に映える。色づいた落葉樹の葉の間に、パラパラと生える常緑樹の松の緑がきれいだ。どことなく目が痛い。普段、VDT作業で酷使している目玉が、空の青さにギューっと癒されている感じだ。ずーと青空を見上げながら、いろいろな事を考えた。丹沢側に降りるのは中止だ。この場所を離れがたい気持ちがいつまでも続いた。 |
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