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広徳寺(東京都あひるの市)
お寺を見つけると道草が始まる。特に、古刹を見つけると胸がさわぐ。大方は、期待外れである。しかしながら、時に、感動してしまう寺もある。その要素は、古い、訪問者が少なくて静か、手入れが良いなどか。 広徳寺は、総門、山門、本堂のいずれも萱葺きの立派なお寺である。午前八時前には寺についた。誰もいない。静かである。境内に生えるイチョウも年代もんだ。ここは一押しだ。 |
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東京都檜山村
「老い」は確実だ。昨日まで、なんの苦労もなくやってたことが、努力しないとできなくなっているときに気づく。久し振りに会った人の名前を思い出せない。小さな文字が読めない。体力の粘りがない。夜に弱い。鏡に映った自分の姿を見るのがいつの間にかいやになっている。 最近、どうも考え方が後ろ向きだ。70歳でエベレストに登ったり、90歳を過ぎてアルプスをスキーで滑ったり、世の中には、元気な人が一杯いるのになあ。 |
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山梨県・上野原町用竹
47歳である。会社を辞めて悠々自適の生活をするには早すぎる。子供が小学生では、とてもとても、夢のまた夢である。しかし、走りながら思うのは、日本一週、長期の海外ツーリングである。会社という組織を抜け出て、家族というしがらみを捨てて、自分の体と自転車一台と、そしていくらかの資金があれば夢がかなう。 しかし、現実には、妻と娘が、当然のごとく家に居座って、ツバメの子供の如く、口を開けて亭主の稼ぎを待つ。結局は、こうして、たまの日曜日に、家族と会社を忘れて非日常の世界に身を置くのが、精一杯などだろうか。 |
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JR中央線上野原駅
JR上野原駅は予想したよりも小さな駅だった。あきる野市から桧原村に入り、甲武トンネルを抜けて山梨県の上野原町に入った。生まれて初めて自転車で山梨県に足を踏み入れたことになる。景色の壮観も農家の家並みも、東京の奥多摩と比べると気のせいかどこか少し違う印象を受ける。アップ・ダウンの多い道を何度も登ったり下ったりして、やっとのこと駅に着いた。 蒸し暑い。酒屋に入り、ビールを一本買う。「なにか、オツマミはないですか?」と店の若奥さんに聞くと、お菓子ぐらいしかないよとの返事だ。店の中では、幼稚園児くらいの子供が、元気よく店の中で遊んでいた。田舎の酒屋でよく見る風景だ。12時56分の電車に乗ることで、今日の走りは終わった。 |
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