![]() |
狩場坂峠
狩場坂峠には、数週間前に、西武線正丸駅から登ろうと試みたが、通行止めの看板に出くわして、あえなく玉砕した。今日は、GWの中日だ。工事関係者も休んでいるかもしれないとの淡い期待を抱いて再挑戦する。幸運にも、前回の挑戦で引き返した通行止めの看板の前で、工事監督らしき人に出会う。 「これこれしかじかで、ぜひとも虚空蔵峠を経由して狩場坂峠まで行きたい。なんとかしてもらえないだろうか。」と説明する。「今日は工事をやっていないから、気をつけて通っていってくれ」とのやさしい言葉をいただいた。ありがとう。でも、結構な急坂の連続で、虚空蔵峠に着いたときには汗ダクダクで、アスファルト上に横たわってしまった。 |
![]() |
![]() |
標高818Mの狩場坂峠には下の西武線正丸駅から1時間半かかった。途中、何度か歩き押しで急坂をしのいでの到着である。朝一の峠アタックは、あまり苦にならないが、これが昼過ぎになると脚も疲れはじめてしんどくなるのである。 狩場坂の近くに「リンドウ茶屋」があり、多数の長イスが置いてあるにもかかわらず、誰もいなかった。そこで、暖かいお茶を飲んでいたら、突然、自家用車が近くに停まり、六十才くらいのおばさん二人が、車から元気よく出てきた。「おはようございます」と大きな声で挨拶された。「このおばさん達は、いったいなんだ。」と不思議に思いながら、何をするのかと興味津々で眺めた。車から、籠を運び出し、その籠の中からワラビを取り出してテーブルの上に並べ始めた。物売りである。「こんなに寒くて、おまけにこんな天気では、誰も買ってくれる人などいないよな」と情けない会話をしていた。 |
![]() |
![]() |
大野峠を越えたら、後は、下り道だけだった。天気は回復し、雲に隠されていた太陽も見え始めた。最高である。途中、新緑がとても美しい山々をいくつも越えた。なぜか、自転車で、簡単に通り過ぎてしまうのが、もったいない感じがして、歩いたり、立ち止まったりしながら黄緑色に色づいた山々を見ながら下山した。 平日とあって、車の往来も少ない。ウグイスが、かなり頻繁に、また近距離で鳴くのが心地良く耳に響く。 |
![]() |
![]() |
11時には秩父市街に入った。秩父市はセメントで有名な街で、石灰岩採掘のために、荒荒しく山肌を削られた武甲山が南方に聳え立つ。そして、街は、鉱山街によくある、独特の雰囲気を醸しだしている。 このような歴史のある街をポタリングして、古い町並みの写真に撮るのが大好きなのである。今回の収穫は、写真のタバコやさん。戦前かあるいは戦後直後に立てられたと思われる様相だ。映画に出てくる一シーンの風景のようで、暫し、このモダンな建物に見惚れた。 |
![]() |