home

日付: 2016年10月30日
場所: ロザリンカペル(Rosalienkapelle: 標高748m)
地域: オーストリア(austria) ブルゲンランド州ロザリンゲン山地
訪問地: Wien, (car), Mattersburg(258m), Forchtenstein, Burg Forchtenstein, Rosalienkapelle(748m), Burg Forchtenstein, Mattersburg(258m), (car), Wien


 


 ウィーンの南、ロザリン山地へ

 最近、どうも天気が安定しない。昨日の土曜日は、朝から雨だった。肌寒い上に、夜明けはドンドンと遅くなっていく。  

 今日から冬時間で、時計を1時間遅らせた。その分、夜明けは早くなるが日没も早くなる。たったの1時間、されど1時間である。  

 ロゼリン山地は、ウィーンの南、直線距離で30km〜40km離れたところにある。晴れた日には、遠望できる山地だ。アルプスの東端で、標高は1,000mを越えない。  

 ロゼリン山地の最寄りの町であるマターズブルグ(Mattersburg)には、午前9時前に到着した。ウィーンからちょうど1時間程度の旅だった。自動車を市営テニス場に停めて、走りだす。  

 日曜日、町で唯一開いているパン屋に入る。目の前に置かれた陳列棚のなかのパンを指さして、「これをください。」と言う。すると、「ピザパンですよ。」と返答された。片言のドイツ語が通じた。最後に、さようならと、本で書いてあるとおりの挨拶をしる。すると売り子のおばさんは、にっこりと笑い顔を浮かべていた。何が、おかしいんだろう。  

 

 


 サトウダイコン畑  

   道路の両脇に畑が広がる道を走る。すると、「オーストリア産の砂糖大根畑」の看板に出くわす。看板が立てられた畑には、青々とした葉を付けた砂糖大根が植えられている。見事な風景である。

 ブルゲンランドはオーストリアの最東部に位置する州。元々はハンガリーの領土だったが、1921年にオーストリアに編入されている。オーストリアの他地域と比べたら、平坦で肥沃な土地が広がる。農業の盛んな地域である。

 実際、自転車で走る道路脇には、いろいろな作物が栽培されている。砂糖大根のみならず、ブドウやイチゴも植えられている。農地一区画当たりの面積は小さいが、その分、いろいろと作付けされているところが面白い。晩秋、木々や作物が様々な色を付け、丘陵は色鮮やかである。



 


変わったお城  

  フォルフテンスタイン(Forcgtenstein)の街域を示す看板を過ぎると、遠方の丘の上にフォルフテンスタイン城が視界に入り始める。町の案内板を観る限り、今走っている道を進めば、城に至るようである。

 近づくにつれて、城の様態がしっかり観えるようになる。何だか、不思議な城だ。城の下部は、中世風の石垣でできている。ところが、上部は、19世紀、20世紀の建物だ。下部に中世の城、上部に近世の城をくっ付けたような、変わった城である。

 道路は、城に向かって進んでいくが、途中に、爬虫類博物館が右手に観える。営業中の看板がかかっている。しかし、この建物、建物中の外壁に蛇やらトカゲやらの飾り物が飾られており、少し不気味さを感じる。子供相手の博物館と思われるが、果たして、こんな建物に入る人はいるのだろうかと考えてしまう。



 


今シーズン最後の開店日曜日  

    城の前に着く。城の説明看板を見る。営業は、4月初めから10月末までとのことである。今日が、10月最後の日曜日だから、実質的には、今日は今シーズン最後の営業日のようである。

 時刻は、まだ午前10時である。冬時間になったばかりで、どうも時間経過が遅い感覚を感じる。

 せっかくだから、寄っていくかと思う。自転車を駐輪場に停めて城の中に入っていく。チケット売り場で「大人1名、お願いします」と言うと、ガイド付きのツアーは午前11時からだと言う。今の時刻は午前10時だから、1時間も待つことになる。これは辛い。

 結局、お城から下界を眺める展望台と廊下に陳列された18世紀頃の大砲を観て城を後にした。



 


 晩秋の風景  

 お城を後にする。そして道路に沿って走る。目的地の標高は、748m。体感での今の標高は、600m程度だろう。坂道は続く。

 ロザリエンチャペルは、ロザリエン山地の最高標高地に立っている。そこには、小さな村がある。チャペルは、その村から西に50m程、登ったところにある。そこに至る登り坂が半端ではない。優に20%を越えた坂で、私の自転車で、立漕ぎをすると、後輪が滑ってしまうほどである。

 紅葉に囲まれたチャペル。チャペルの扉は開けられていた。中に入る。とても静かな、空間である。耳鳴りがジーンとうなる。



 


 素晴らしい眺め  

 チャペルの隣にちょっとした広場がある。そこから下界を眺めることができる。南にハンガリーの山々、中央奥にノイシードラ湖、北にはうっすらではあるがウィーンの街並みも見える。ここから見えるということは、ウィーン市内からもこの山地が見えることだろう。

 あまりに景色が素晴らしいので、この丘で、少し早いが昼食を摂ることにした。昼食といっても、ニシンの缶詰と食パンだけである。

 



 


 どことなく惹かれる風景  

 重装備でのダウンヒルを終えて、フォルヘテンスタイン(Forchtenstein)の町に辿りつく。風が強く吹いている。そのために道端に植えてあるポプラの木々が、すごい風切り音を発して揺れている。午後になり、天気が悪くなり始めたのだろうか。

 まだウィーンに帰るほど、遅い時間でもない。フォルヘテンスタイン(Forchtenstein)の町あたりの小さな丘陵地で、少し道草を食っていくことにする。

 このあたり、土地の傾斜が適度に波打っており、遠方から見るとそれが面白く見える。所々に、色づいた葉をつけたブドウの苗木が、キレイに一列に並んでいるのが見える。願わくば、晴れていれば、すばらしい写真が撮れるのと思う。



 


 道草  

 ブルゲンランド州は、ワイン生産で有名な地だ。ウィーンのスーパーで、ブルゲンランド産のワインはよくみかける。

 高速道路を自動車で走っていて、あまりにブドウ畑が綺麗なので、少し寄り道をしていくことにする。赤や黄色に色づいたブドウの苗木の葉が見事な美しさである。