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日付: 2016年10月9日
場所: ゾンコラン山(Monte Zoncolan: 標高 1,750m)
地域: イタリア(Italy)アルプス北東部
訪問地: Arta Terme(442m), Sutrio(558m), Monte Zoncolan(1,750m), Sutrio, Arta Terme


 


午前8時にホテルを出発

 昨夕の午後6時頃に床に入った。そして今朝の6時までベッドの上でゴロゴロしていた。前夜が車中泊だったせいか、寝入りはアッと言う間であった。しかし、なぜか眠りは浅く、また変な夢を見た。携帯電話の画面にヒビが入ったことが頭にあったためだろう、電話連絡したいのであるが、その相手先の番号がわからず戸惑った夢だった。思うに、12時間は寝すぎであった。  

 ホテルの朝食は午前7時半からとのこと。その時刻チョッキリに食堂に降りていった。すでに2人の男性が朝食を始めていた。この二人、昨夜遅くホテルに到着した人たちで、部屋の防音があまりよくないことから、何やら、イタリア語で話し合っていたことが耳に入っていた。  

 イタリアの朝食は品薄で寂しい。フランス流に近いのだろうか。ハム、チーズと飲み物だけである。オーストリア風の朝食に慣れた身には物足りない。そのせいか、コヒーを4杯も飲んでしまった。  

 

 


国境の山々に初冠雪  

   ホテルの窓から外の景色を眺める。夜中の一時期に雨が降ったようだ。駐車場の所々に水たまりにはなっていないが、濡れているところが見える。それにずいぶんと冷えた。

 午前8時半にホテルを出発する。足慣らしにアルタテルメの村をポタリングする。小さな村で、少し走るだけで、すぐに家並みが途絶えた。

 遠くの観える国境の山々の頂きが、雪で白くなっている。昨日、雪は無かったように思う。恐らく初冠雪であろう。

 今日は、2泊3日の中日。近く観えるアルプスの山、ゾンコラン山(Zoncolan)に自転車で登るつもりである。出発の村の標高が442mで終点のゾンコラン山が1,750mであるから、高低差で1,300mの坂登りとなる。今日の挑戦は結構な大物である。



 


2010年のジロディタリアのコース  

   ストリオ(Sutrio)の町は、ゾンコラン山(Zoncolan)の山麓の町だ。ゾンコラン山の周辺は、スキーリゾート地として開発されており、このリゾート地用山岳道路の起点がストリオの町となっている。  

 ストリオ(Sutrio)の町に入るなり、まずはジロディタリアの開催記念ポスターが目に入る。何でも、2010年開催のジロの第13エタップにこの道路がレースコースになったとのことである。



 


距離10kmで1kmの登り  

   実は、 ストリオ(Sutrio)の町を訪れるまで、ここにそんなジロのコースがあることは知らなかった。地図を観て、面白そうな登り坂があるなと思い、ここに来ただけだった。それはそれで、面白そうである。どんな登りがあるのか楽しみである。

 登りの入り口に到着する。ゾンコラン山まで距離10kmの表示がある。標高差が1kmであることから、平均10%の登りが待ち構えていることになる。これは、気合を入れて登らねばならぬなと気持ちを引き締めて登りを始める。

 

 


高度200m毎の表示  

    昨日のプラモロ峠の表示も同じだったが、高度が200mあがる毎に、現在標高を示す表示坂が現れる。親切と言えば親切だが、なぜ100m毎表示にしないのかなあと不思議に思う。

 道路は片道1車線で、手入れ状態も良い。おまけに日曜日の午前中というためか、交通量がめっきり少ない。

 走っていて思った。この道は、行き止まりではなくて、どこかに抜けているように思えた。行き止まりであれば、追い抜いていった自動車がしばらくすれば降りてくることに気付く。ところが、この道にはそれがない。と言うことは、行き止まりではないことがわかる。

 道路の両サイドには、高い森林が囲む。したがって、景色を楽しめない。これは仕方がない。焦らずゆっくりとペダルを漕ぎながら、高度を稼ぐ。

 

 


 スキー場のリフト乗り場  

 スキー場のリフト乗り場に到着する。ここの標高は1,300mである。このリフト乗り場には巨大な駐車場が設けられている。恐らく、冬季には、この駐車場まで除雪が行われ、これより上は、スキー場エリアになるものと思われる。

 この駐車場エリアに、なぜか馬がいた。数は5頭で、放し飼いにしているようでもない。馬は巨大な駐車場横の草の茂みで、ゆっくり草を食べていた。なぜかのどかな風景である。  

 この駐車場エリアからゾンコラン山までは、標高で450m登らなければならない。まだまだ、ここで終わりではなくて登りは続く



 


 勾配が20%を越える急坂  

 駐車場スペースを抜ける。すると道路は途端に細くなる。それとともに、勾配がきつくなる。この道路、スキー場の中の作業道路を兼ねているようで、時折、自動車が通る。

 この細道、何と言っても勾配が半端でない。自転車のギヤは、もちろんローであるが、あまりの急傾斜で、後ろタイヤが空回りしそうになるくらいである。

 それに心臓への負担も大きい。力を入れてペダルを漕ぐ。するとかなりの負担が脚にかかるようで、その影響はすぐに脈拍に現れる。20回ペダルを蹴って、2分間休憩の繰り返しである。距離にして20m程度しか前に進まない。それを何度でも繰り返す。辛い登りである。

 思うにジドディタリアの選手は、この急傾斜な道路で、レースを行うのかと思うと信じられないくらいだ。プロの選手の体力には、まさに脱帽である。



 


 やっとのこと終点に到着  

 休み休みではあるが、着実に登る。そして終点が視界に入り始めると、あそこまでだ、頑張れと自分に言い聞かせる。そして登りきる。

 頂上は、峠の様相だった。最高点を過ぎると勾配14%の下りが始まる。頂上から下界を眺めると、一つのことに気付いた。

 ジロディタリアのレースコースは、目の前に観える下り道のようだった。ちゃんと、ゴールを示す白線まで道路上に造られていた。6年前のレースとはいえ、イタリア人は、こんなにまでしてジロのレースコースを大切にしていることに感激である。



 


 収穫祭のビール  

昨日の教訓で、今日はセーターを一枚持参した。このセーター、下り道では防寒着として大いに役立った。下り道は早い。1時間もかからずにストリオ(Sutrio)の町まで降りた。

時間が中途半端だったので、ストリオ(Sutrio)の町を散策していくことにする。すると、日曜日とはいえ、町がいやに賑わっていることを不思議に思う。中心街に近づくに連れて、理由がわかった。秋の収穫祭を開催していた。

日曜日の午後、祭りを楽しむ人たちで通りは込み合っていた。私は、一軒の出店で、3ユーロを払ってビールを買う。とても美味しいとは言えない地ビールである。昼間の酒は酔いが早い。頭がクラクラとした状態で町の中を歩いた。