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日付: 2016年7月8日
場所: アイスランド南部
地域: アイスランド(Iceland)
訪問地: Camping at Hofn,1, Keflavik


 



車内泊を工夫

 ここ数日、キャンプ場ではテントを張らずに、自動車の中でエアマットを引いて、そこに寝袋を広げて寝ていた。 後部座席を全部倒して、後部を広くしてスペースを作り、そこを寝床にするわけである。 ただ、いかんせん、自動車が小さいのが難点。韓国現代車のi20という小型5人乗りの車だ。 それに何とか、フラットな空間を確保しても、自動車のハンドル側が上がり、トランク側が下がってしまう。  

 ということで、今回のキャンプでは、少し工夫をする。まず、駐車する際にトランク側を少し高くして自動車を停める。 こうすれば、結果として、完全なフラット空間ができる。 ただし、身長170pの私が横たわるには、まだまだ窮屈だが、これは我慢である。   

 いつものように起床時間は午前5時。 出発準備を済ませて食堂に行く。このキャンプ場は、熱湯を無料で沸かすことができる。 これは良いサービスだ。存分に使わせてもらう。携帯用保温ポットにも入れさせてもらう。  

 時刻は午前5時半。誰よりも早いと思っていたが、食堂には、すでに先客がいた。若い男性が一人、コヒーを飲んでいた。 私は、先日買って、食べ残っていたサーディンの缶詰とパン。そしてコヒーだ。 旅の最終日、食料品整理も兼ねての朝食だ。  

 午前6時にキャンプ場を出発する。近くにあったN1の給油所で、自動車の洗車。そして厚い雲が覆う国道1号を南下する。  

 

 



美しい氷河が魅力  

   不思議に思うのは、氷河はいつ見ても美しいことだ。なぜなのだろう。

 湖がある。そこには、氷河の末端が、湖に流れ落ちて氷山状になって浮いている。 氷の色が、やけに色ずいている。まさにコバルトブルーなのだ。  

 これは、どう見ても、氷自体が色をもっているようにみえる。何ともすごい光景だ。



 


来れば必ず登るモレーンの丘  

   スビナフェル(Svinafell)と呼ぶ場所が1号線上にある。首都レイキャビックから350qほど、東に行ったところにある。 そこにホテルがある。そのホテルの裏に小路がり、氷河の末端を眺められる場所まで10分ほどで行ける。  

 私は、アイスランドに来るたびに、このスビナフェル(Svinafell)を訪れ、モレーンの丘から氷河を眺めていろいろと考える。  

 2012年の夏、私はフランスのパリに住んでいた。その時に、生まれて初めてアイスランドを訪れた。 まさに驚嘆の旅だった。地球上にこんなに美しい場所があることに感銘し、このよな美しい景色を観ずに死んでしまうことは、実に、もったいないと思った。 そして、その時に、氷河を目の前にして、もうここに来ることはないという寂しい心境を感じた。  

 ところが、2015年の夏、私はオーストリアのウィーンに住んでいた。再訪のチャンスだった。 快晴の空の下、美しい氷河の流れは、格別だった。再訪を喜ぶとともに、ほんとうにこれが最後だと確信した。  

 と言いつつ、2016年の夏も、私はアイスランドに来ていた。私は、この島の美しさに取りつかれてしまった。   

 

 


最後の別れ  

 氷河を後ろにして、レイキャビックに向かう。空港までの距離は323q。 3回のアイスランド訪問で、大方、アイスランド島を回りつくした。 今回こそ、これが私の人生の最後の訪問になることを確信した。



 


思い出の村

   イスティカリ(Ystiskali)という村がある。レイキャビックから国道1号を約200q程走ったところにある。 私は、この地をとても気に入っている。とにかく、美しい景色が広がっているのである。



 


第一日目宿泊地のパーキングで荷物の梱包  

   ちょうど一週間前の深夜に飛行機がレイキャビック空港に着いた。あっと言う間に、時は過ぎた。 楽しい時間は、かくも早く過ぎ去るものである。

 アイスランド第1日目の夜、野宿したパーキングエリアに車を停めて、荷造りを行う。 あと1時間程度で、自動車をレンタカー屋さんに返す。今回の旅は、なぜか妙に感傷気味だ。  



 



深夜0時半のウィーン行  

   何事もなく、レンタカー屋は、自動車を受け取ってくれた。そして、チェック・インを済ませて待合室で ウィーン行きの飛行機を待つ。

 待合室では、先日行われた欧州選手権のアイスランドとイングランドのビデオ映像を流していた。 結果は、アイスランドの歴史的勝利だった。 未練がましく、何日経っても、勝った試合をビデオで流しているわけだが、勝利瞬間のアナウンサーの 叫びはすごい。興奮して、声は上ずり、その声もかすれてしまっていた。

 定刻どおり飛行機は飛び立った。窓の外は白夜だった。さようなら、アイスランドの大自然!