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日付: 2016年7月3日
場所: カルフスハマスルスビック灯台(kalfshamarsvik)
地域: アイスランド(Iceland)
訪問地: Camping at Laugarbakki, 1,Blonduos, kalfshamarsvik,745 (Skagaheidi), 744, Saudarkrokur, 75, 1, Akureyri(Lonsa),


 


ビショビショのシャワー室

 このキャンプ場は、1000クローネ(約1000円)とお値打ちな上に、温水プールの利用も可能だ。 ただし、今回、水泳パンツは持参していないので、シャワーだけの利用だった。 温水プールは別棟にあり、そこまでは歩いて2分だ。 シャワー室には、プールで遊び終えた1家族がおり、かわいい男の子が着替え室にいた。  

 アイスランドで困るのは、どこのシャワー施設もそうだが、着替え所の床が、びしょびしょ濡れなのである。 これは着替えの際に、服まで濡れてしまう可能性があり、困りものだ。せめて椅子一つでも置いてあればよいのにと思う。  

 天気は、今一つだ。時折、雨粒が空から落ちてくる。 今日も、自動車の中を工夫して、エアマットを広げて、腰を伸ばして眠れるようにして、車中泊だ。 車が、狭く、車中泊も辛いが、外の雨の中で、寒さを我慢して寝るよりはましだ。  

 

 


天気が悪いことに残念  

   夜中に何度か目覚めた。ほぼ、2時間毎に目覚めた感じだ。 まあ、私の普通の生活でも、2時間毎には目覚めるので、こんなものだろう。 ただし狭い車内での車中泊のため、足が自動車のトランク部分まで伸びて、 寝袋にくるまっているのにも関わらず、足先の指の部分が冷えるのである。 これは、少し工夫をしないといけないなと思う。

 午前6時には、キャンプ場を出発する。私を含めてキャンプ場の利用客は3組だけだった。 今の季節に、これだけとは寂しいキャンプ場である。去年は、もっと盛況だった気がするが、、。

 天気は、相変わらずだ。低い雲が立ち込めて、思うような写真が撮れない。残念だ。 ただし、アイスランド特有で、場所によって、景色の様相が変わる。これには飽きない。



 


今シーズン初の給油  

   午前9時に、ブロンディオス(Blonduos)の町に到着する。 給油所で、自動車に給油するとともに、朝のコヒーを1杯飲む。  

 給油所付属の店内には誰もいない。テーブルに座って、ゆっくりと外を眺める。 大きなリュックを持った20歳台の若者3人が、窓越しの外で何かしている。 何やら談笑しながら、黒パンにハチミツを食べているようだ。 まあ、自分自身にもあんな時代はあったのだから、何とも言えない。  ただ、大自然の中を、世界中のどこへもバックパック旅行できる今の世の中がうらやましいのである。  

 

 


7月初旬なのに気温は摂氏4度  

 ブロンディオ(Blonduos)の町からは、北上する。そしてスカガヘイジ半島(Skagaheidi)をぐるりと一周まわるドライブとなる。

 夕べもそうであったが、とにかく冷える。道端の掲示板は、摂氏4度を示している。 風も強い。セーターを着て、厚手のヤッケを羽織っても寒さを感じる。 やはり天気のせいだろう。



 


ダート道をゆっくりと走る

   田舎道の良いところは、車がめったに通らないことだ。 時折、30分に1台くらいは車に出会う。しかし、それ以外は、まったくの一人の世界なのである。

 時刻が午前10時をまわった。西の空が明るくなり始めた。 海を越えた遠くに氷河を抱いた山々が見える。絶景だ。

 岸壁の岩間に、子育てに忙しい鳥たち見える。ウミネコか何かだろうか。



 


 廃墟  

   時刻は正午前。カルフスハマスルスビック灯台(kalfshamarsvik)に到着する。

 この海岸には、1920年頃から漁民が住みはじめた。そして1940年には、皆が漁業を諦めて離村してしまったという。 海岸には、当時の写真とともに、この地域の漁業の歴史が書かれたポスターが飾られていた。

 1920年台に漁民が入植し、1930年台には人口が減少し始めた。 原因は、1936年のスペイン内戦だ。当時、アイスランドは、魚を塩漬けにしてスペインに輸出していた。 ところが、スペインの内戦のためにデフレが起こり、塩漬け魚の価格が暴落した。 それで多くの漁民が漁業を諦めて、この地を去ったという。1940年には、誰もいなくなったという。 その後は、冷凍技術が発達し、漁獲物は冷凍して海外へ輸出されるようになった。 したがって、漁業には大規模な施設が必要になり、この場所より有利な場所に拠点が移っていった。

 この海岸には、今は、灯台が一つ立っているだけだ。 かっての住居跡には、石づくりのプレートが掲げられ、 そのプレートに誰べえさんが済んでいたと書かれている。寂しい限りだ。



 


流木の利用  

   半島の先端に到着した。見晴らしの良い場所に、この場所の特徴を書いた看板がる。

 実は、前回の訪問時にも気になったことであるが、アイスランドには、ほとんど森がない。 しかしながら、いろいろな場所に、立派な木材が目に付く。例えば、羊の放牧場の境を示す杭は、 木材なのである。

 今回、この見晴らし台に掲げられた看板で分かったことだが、 海岸に流れ着く流木は、かっては、貴重な木材資源だったとのことだ。 看板には、遠くシベリアの地から流れ着いていると書かれている。 シベリアからここまでとは、地理的にチョット無理筋の感もあるが、まあそれはそれで良い。

 流木は、長い間、塩水に浸かっていたためだろう、表面が銀光して、とてもきれいなのである。 遠く海岸線を眺めると、その銀光した木材が、転がっているのが見える。



 


午後2時には、再度、曇り空へ  

   ダート道をゆっくりと進む。そして半島の東海岸を走り始める。すると景色の様相が変わる。 山がちになる。

 残念ながら、先ほどまで晴れ渡っていた空に、雲がかかり始めた。



 


暮らしの博物館  

   サウダルクロクール(Saudarkrokur)の町を過ぎて南下する。 15km程走ると、観光バスが数台停まっている場所に出くわす。

 なんだろうと思って、看板を眺めてみると民俗博物館だった。

 博物館の敷地には、今では見ることがなくなった19世紀の入植当時の家々が並んでいる。 家の周りを泥炭というか土を盛りつけた特徴に気づく。当時は、十分な暖房施設もなくて、これが 寒さ対策の生活の知恵だったのだろうと、勝手に、推測する。



 


欧州サッカー選手権、フランス対アイスランド  

   今日、7月3日は、フランスで行われている欧州サッカー選手権の準々決勝戦が行われる。 何と、フランスとアイスランドとの対戦だ。

 実は、たまたまだが、7月3日は、ホテルに一泊する予約を入れていた。 洗濯、電子機器類電池の充電、そして体力回復のためにホテルを前もって予約してあった。 それが、よりによってフランスとアイスランドとの対戦日だとは、まさにラッキーだ。

 時差の関係から、試合は午後7時からの開始となる。その時間に合わせてホテルにチェックインした。

 ホテルの談話室は、お客でむせかえるようになっているかと思ったが、ベルギー人の夫婦が一組いるだけだった。 この夫婦、テレビの点け方がわからないので、何とかしてほしいと私にせがんだ。 どうもサッカー戦がみたいが、テレビを点灯できないようだった。

 よくよく調べたら、モニター本体の電源が落とされていた。これではテレビを見ることはできない。 すぐに直して、サッカー戦を観始める。寂しいテレビ観戦である。試合は、あっという間に アイスランドが4対0でリードされた。盛り上がらない試合だった。