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日付: 2016年6月11日
場所: ローラー峠(Rohrer Sattel:標高864m) 
地域: オーストリア(Austria Republic) 上オーストリア州(Oberöstrreich)
訪問地: Wien, (car) Pernitz(430m), Gutenstein(481m), Klosteraler Gescheid(765m), Vois, Schwarzau in Bebirge(617m), Rohr in Gebirge(683m), Rohrer Sattel(864m), Gutenstein(481m), Pernitz(430m), (car) Wien


 


安定しない天気

 ここ1週間〜2週間は、安定しない天気が続いている。晴れ間が長く続かない。午後になると雲が空を覆い始る。そして夕立が始まる。自転車には雨着が必需となる。  自動車はペルニッツ(Pernitz)という町の鉄道駅駐車場に停めた。ペルニッツは、ウィーンから自動車で南西に70km程走ったところにある。ここまで来ると、さすがにウィーンの街の喧騒とは別世界だ。  

 

 


文化の厚さを感じる小路  

   ペルニッツ(Pernitz)からグーテンシュタイン(Gutenstein)との距離は数キロだ。この二つの間を「ビーダーマイヤー体験の小道(Biedermeier Erlebisweg)」という自転車道兼遊歩道が結んでいる。

 小道添には、ビーダマイヤ(Biedermeier)という19世紀前半にドイツやオーストリアで発展した市民文化の一つを説明する看板が並ぶ。時に、掘っ建て小屋があり、小屋の外壁に、当時の時代について説明するポスターが張り出されている。ポスターは、もちろんドイツ語で書かれており全部を前部理解はできないが、何となく当時の雰囲気が伝わってくる。

 小道沿いに立ち並ぶ道表示に、痩せた老人が重たそうな作業用桶を担いだ姿の絵が表示されている。これは一体何なのだろうかと考える。考えつつ、この国の文化の深さを考えさせられる。このような小道を自転車で走っていると、まだまだ日本の文化は、発展の余地が十分にあることを感じる。



 


不思議な村  

   グーテンシュタイン(Gutenstein)は、人口1200の小さな村だが、村の中には民族文化博物館があり、小さいながらも本やさんまである。これにはびっくりだ。村の文化施設を訪れるのは、大概は観光客だろうが、この程度の人口で、このような文化的水準の施設を持っているとは、驚きである。  

 

 


景色は変わり、山の中へ  

 目指すはシュネーベルグ山方面の峠である。標高2,076mの山頂には登れないが、周りの峠近くから美しい風景写真が撮れないものかと内心期待しているのである。遠くシュネーベルグの山容が見える。



 


一つ目の峠は標高765m

   まずは一つ目の峠である。名は、クロスターアレー峠(klosteraler Gscheid)。登り始めが標高481mであり峠の標高が765mであるから、ざっと300mの登りである。この程度であれば、楽々だ。

 峠には何もなかった。茶屋どころか、峠の印もない。看板一つでも掲げていてくれれば、達成感をしっかりと感じることができることと思うのだが。



 


自然公園の中の町  

   クロスターアレー峠(klosteraler Gscheid)から、20km程走ってシュバルツアウ(Schwarzau in Gebirge)の町に着いた。この町は、カルケンシュタイン(Kalkenstein)自然公園の中にあり、まさに石灰岩が造り出す山々の中にある。標高1500m程度の山々が連なり、ちょうどハイキングを楽しむ人たちで賑わっている気配が町に漂っている。また釣りも楽しめそうである。実際、釣り竿を持った人たちを川岸に見つけることができる。



 


二つ目の峠は864m  

   国道27号から国道21号に移りグーテンシュタイン(Gutenstein)方面に向かって走る。時刻は正午を回る。毎日のように、午後になると空に黒い雲が浮かびだす。雨粒が落ちてきそうな天気だ。ロア(Rohr in Gebirge)の町を抜けると、登り坂が始まる。

 この登りは標高864mのロア峠まで続く。片道一車線ながら、しっかりした道路でオートバイが頻繁に追い抜いていく。彼らは時速100km近い速度で走り抜ける。思うに、あんな高速で走っていては、景色を楽しめないように思う。オートバイにはそれなりの楽しみがあるのだろうが、彼らは自転車でトボトボ峠を登っている姿を観てどう思うであろう。

 今日、一番の強さで脚に負担がかかっているような感覚で、必死にペダルを踏む。汗粒が額からひたたり落ちる。まあ、気分的には「たかだか標高864m」ではないか。と自分に言い聞かせて耐える。

 峠には、峠のポイントを示す立て看板はなかった。地図に峠のマークがあるのだから、せめて立て看板くらいは立てて置いて欲しい物である。



 


タイヤが道路水を跳ね上げて無残な結果に  

   峠を越えると路面が濡れた道路だった。幸いにも、すでに雨は止んでいるようで、雨粒は落ちてこない。

 ただ、ビショビショに濡れた下りの路面を高速で走るために、タイヤが水を跳ね上げる。そのために、ズボンのお尻辺りがずぶ濡れになってしまう。これは気持ちが良くない。