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日付: 2016年5月28日
場所: フース高原(Hösskogel:標高1,853m) 
地域: オーストリア(Austria Republic) 上オーストリア州(Oberöstrreich)
訪問地: Wien, (car), St. Pankraz parking area(A8), Steybrücke, Hinterstoder(584m), (Panoramastraße), Höss(1380m), Hösskogel(1853m), Höss(1380m), (Panoramastraße), Hinterstoder(584m), St. Pankraz parking area(A8)


 


250km走って目的地へ

 午前5時に起床、朝食と出発準備をさっさと済ませて午前6時には、ウィーンを旅立った。目指すはオーストリアアルプスだ。
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 高速1号(A1)を西に200km走る。リンツを過ぎたら高速8号に分枝してさらに50kmを南に走る。午前9時過ぎには、目的地のパーキングエリアに着いた。パーキングエリアは、高速を降りたすぐのところにあり一般道路上だ。したがって、ここに自動車を置いて、自転車ででかけていくことができる。とても便利だ。パーキングエリアの雰囲気からして、今晩、駐車場に車中泊することも可能な感じだ。これは良かった。これで一泊分の宿泊費を節約できる。  

 

 


爽やかな朝の走り  

   自家用車の後部から自転車を引っ張り出す。ジャイアントのMR4は車輪が24インチでちょっと、小振りだ。後部座席を前に倒せば、車体後部が完全フラットになり、車輪を外さずに自転車を丸ごと収納可能となる。これは便利だ。ちなみに、私の身長は168p、ちょうど車体後部にぴったりと収まる身長だ。したがって、車中泊は、この車体後部にマットを曳いて寝ることになる。
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 自転車で走り出すとすぐに山間部の谷を走る。隣に川が流れ、水がゴーゴ−と音を立てて勢いよく川面を下っていく。昨夜、雨でも降ったのであろうか、或は雪解け水か、水が石灰岩地域を流れる川に特有に見られる薄いコバルトブルー色となっている。



 


ワールドカップ開催のスキーリゾート地  

   ヒンターストデル(Hinterstoder)の町は、スキーリゾートで知られる。町の入り口に「2016年2月、ワールドカップスキー開催」のポスターが飾られている。
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 町のスーパーマーケットで、昼食用の食料を調達する。と言っても、缶詰とパプリカをひとつずつ持っているので、買う物はパンだけだ。店の中を歩いていると、今日は自動車を運転しないのでお酒が飲めると気付き、500mlの缶ビールを一つ買う。山の頂上で飲むつもりだ。本当は350mlで十分なのだが、オーストリアでは350ml缶は見当たらない。200ml程度のはあるが、これは少なすぎるし値段的に高い。 
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 パノラマストラーセ(Panoramastrasse)の出発点は、標高584mだ。そこから、標高1,380mまで、全長11kmの有料道路が続く。自転車は無料だ。有料道路の入り口に小屋が一つ立っており、窓口に一人のオバサンがいた。とても暇そうな雰囲気だ。私は左手をちょっと挙げて、そこを通りすぎる。何の反応もしてくれない。  

 

 


標高差800mの格闘戦  

 料金所を通過した後、標高差800mの登りが始まる。すぐに空腹を感じる。朝食を摂ったのは5時だった。もう5時間が経過しているので、空腹感は強い。まだ登り始めたばっかだが、道脇に自転車を停めて休憩。パン1つとチョコレートを少し、そしてコヒーを2杯飲む。何台かの自転車が目の前を通り過ぎていった。自動車はほとんど通過しない。 



 


標高1,380mでのビール

   登り始めの時刻が午前10時過ぎ、正午には標高1,380mの終点に到着した。気温が高く日差しも強い。汗まみれの格闘戦だった。反省として服装が適切ではなかった。紫外線対策として上に長袖は良いにしても、下の長ズボンが良くなかった。延び縮みしない綿パンのために、汗で脚と綿パンがくっ付いてしまうのである。せめて、ステテコでも履くべきだった。これには後悔した。夏の走りの服装は、要検討なり。
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 標高1,380mの終点は、フスと呼ばれ、ここまでは下の町からゴンドラで登って来ることができる。混雑とは言わないまでも、上天気の土曜日ということで、家族連れを多く見かける。
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 日陰を見つけて昼食を摂る。もちろん持って来た缶ビールを開ける。すぐに、頭がサーと軽くなった感じがする。少し酔っぱらった頭で、サンサンと輝く草原を眺める。気持ちがとても良い。そよ風も吹いている。



 


自転車から徒歩へ  

   標高1,380?から上は、ダート道だ。自転車は侵入禁止。ここからは徒歩かスキーリフトを使って登っていくことになる。週末ということで、スキーリフトが稼働しているが、ほとんど誰も乗っていない。
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 登山道を登り始める。靴は運動靴だ。登山靴ではない。午後ということで、今から登り始める人は少ない。多くの人が登山道を下ってくる。標高が1600mを越えると、地形的な影響なのか残雪が道沿いに現れ始める。この感じだと、ほんの 1か月前程度まで、スキー場を営業していたのではないかと思われる。



 


残雪残る標高1,800m  

   標高1,853?がスキーリフトの終点だ。同時に登山道が、そこからは山岳道になる。午前中、晴れていた空に雲が浮かぶようになった。陽が蔭ると途端に寒くなる。風は、強くはないが、さすがに高地である。ウィーンドブレーカ−を羽織る。太陽が雲間から現れると途端に暑さを感じる。不思議な天気だ。
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 さらに上に登ってみようと思ったが、道を残雪が塞ぐ。登山靴なら良いが、運動靴では、この雪は辛い。残念ながら、引きかえすことにする。



 


高原で楽しむ人々  

   高原では、近くにある池の周りを歩く人、ハングカイトを楽しむ人と多様だ。雪遊びをしている子供もいる。時刻は午後2時半。歩いて下って行く人は稀だ。ほとんどの人が、スキーリフトに乗って下っていく。



 


パーキングエリアのシャワ―施設を初利用  

   午後6時には、今日の宿泊予定であるパーキングエリアに帰って来た。車体後部の半分に分解した自転車を置き、残りの半分にエアーマットをひいてそこに寝袋に包まって寝る。実は、このエアーマットのクッション度合いが非常によくて、自宅にいるように熟睡できるのである。

 昼間に坂登りで大汗をかいた。パーキングエリアでシャワーを浴びることができるらしい。実際、トイレエリアにはシャワーのピクトグラムが出ている。今回、初挑戦してみようと思った。トイレエリアに入るには50サンチームが必要だ。そこで料金を払って中に入る。奥に8部屋程のシャワールームがあった。無料なのかなと思って入ろうとしたが、どこも鍵がかかっている。

 たまたま料金所に若いお姉さんがいたので、「シャワーを浴びたいのだが」尋ねる。すると「下のガソリンスタンドでシャワー室利用料の2ユーロ(250円)を払って鍵を貰って来い」と言う。若いお姉さんは親切にも、一度は入ったトイレエリアから出してくれた。ガソリンスタンドで2ユーロ払う。鍵をもらおうとすると、「保証として自動車の鍵を預けろ」と言う。なるほど、うまくできている。シャワー室の鍵をもらって、再度、トイレエリアに入らしてもらう。シャワー室内は、2畳程度の広さで、掃除が行き届きとても綺麗だった。ただ、温度調整がうまくいかず、とても熱いお湯が出てきた。でも、汗をお湯で流すことができて、とても気持ちがよかった。ここなら洗濯もできるなあと思った。



 


酒の肴は、雨音  

   車内でビールを飲みながらラジオを聴く。いつの間にか、自動車の外では雨が降り出した。キャンプ場ならば、雨降りは大変だが、車の中は快適だ。自動車の防滴はすごいものだと感心する。雨は、午後7時頃から午後9時頃まで降り続いた。雨粒が、自動車の屋根を叩く。酔っぱらって、午後10時には、寝袋に入って寝入った。