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日付: 2016年5月16日
場所: チェコ自転車道5007号(Radweg 5007)
地域: チェコ共和国(Czech Republic) モラヴィア地方  
訪問地: Vyrovice, Tasovice, Hodonice, Krhovice, Stracholice, Slup, Jaroslavice, (radweg 5007), Vrbovec, Naceratice, Tasovice, (car), Wien


 


眠られぬ夜

 なぜか目が冴える夜だ。部屋の中は、入口近くのドアの上に白いボックスが設置されており、その中にあるトランスらしきものが、うるさいほどにブーという音をたてている。 ベランダに出て、外を眺める。駐車場にとめられているのは私の一台の自動車だけ。駐車場に空がないほど自動車が駐車されていた昨日がウソのようだ。 外は、風音一つしない。駐車場のライトで照らされた場所以外、何も見えない真っ暗な夜だ。    

 

 


2組だけの昼食  

   7時から1時間程、散歩して朝食を食べにレストランに行く。 レストランの中では、チェックインした時に対応をしてくれた若いお兄さんが、パソコン画面とにらめっこしていた。挨拶を交わすと、そこに座れて指さしてくれた。 今日は、バイキング形式ではなくて一人ひとりの個別食だった。隣に3人席が用意されていた。

 これが、チェコの一般的な朝食だろうと考える。オレンジジュース、ハム、チーズ、パプリカとキュウリだ。 そして、チェコでは見かけるが、ウィーンではあまり見かけない棒状のパンだ。



 


 ウィークデイの朝  

   今日は月曜日だ。道路を走る車種の違いがはっきりとわかる。日曜日に道路を走る車は、乗用車が大半である。数も少ない。 しかし、ウィークデイはトラックやら乗用車やらといろいろな車が走る。自転車乗りにとっては、ウィークデイは走りづらいのである。  

 タソビッチェ(Tasovice)の町から自転車で走り始めることにする。まずは駐車場探し。 往来の多そうな場所で安全そうに見え、そして無料の駐車場はないものかと探す。  

 役場の隣に、ちょっとした駐車スペースがあり、そこに数台の自動車が停まっていたので、そこに自動車を停める。荷台から自転車を取り出して、 すぐに走り始める。できる限り、人に、「あいつは自転車で出かけたな。しばらくは帰ってこないな。」というそぶりは見せないようして、そーと出発する。  

 

 


車の往来の多い危険な道  

 チェコ国道408号は、とにかく車往来が多い。時速80kmを超えるような速度で、大型のトラックや貨物が、自転車の傍を追い抜いていく。日本での国道走行と比べて、 自転車の横を通過する自動車は、かなり距離的な余裕を持って追い抜いてはくれるが、追い抜く際の、自動車の速度感から与えられる恐怖感は強い。

 停止して地図を見つつ、幹線道路から外れた支線道路はないものかと探すが、適当な道が見つからない。  



 


チェコの民族衣装を着た干し草人形

   幹線道路を外れて、自動車往来の少ない道に入る。

 ストラチョリッチェ(Stracholice)の村で面白い人形を見つける。 道路からの家への進入道路沿いに、円柱状に巻かれた干し草の塊を積んで、人形の形を作っておかれていた。 面白いのは、チェコの民族衣装が、結構、丁寧に着せられていることだ。なるほど、これがチェコの民族衣装かと感心する。女性人形がつけるエプロンなど、しっかりと 造られている。  



 


 オーストリアとの国境近くを走る自転車道  

   オーストリアとの国境近くを走るチェコ自転車道5007号を目指す。 チェコは、オーストリアに劣らない自転車文化が、しっかりと発達した国だ。道路の至る所に、人々が迷わないような道標が掲示されている。 自転車乗りにとって、まさに羨ましい限りだ。



 


 延々と続く、自転車道  

   自転車道5007号は、農道との兼道だ。ここらあたりでは、なぜか、直線に延々と続くのである。恐らく、地図上で線を結び、それに忠実に道を造ったのであろう。 アフリカの田舎では、良く見かける光景だ。しかし、直線部分が8kmあるというから、これはすごい。



 


突然の雹雨  

   直線道路を気持ち良く走っていると、空の天頂近くに黒い雲が広がり、やがて米粒大の氷の塊が落ちてきた。ヘルメットにカツ、カツとぶつかる音がする。 道路上では、地面に落ちた氷の塊が跳ね返っているが、すぐに氷の塊は溶けてしまっているようだ。

 どこかに雨宿りでもできないかと探すが、周りは畑だらけで、そんなところなど見当たらない。前方に進んだ数百メートル先に、木々が連なった場所を見つける。 木の下で、雨宿りを決める。



 


雨後の自転車道  

   雨はすぐに止んだ。ただ、道路はしかりと雨水に濡れている。走り始めよう。



 


 斜度30パーセントを越える下り坂  

   8kmの直線道路は、まったくの起伏のないところを走っているのではなくて、ところどころに背があって、そこでは高度的に高くなる。

 4km程、直線道路を走ると、小さく見えた背に到着した。その背を越えると、なんとすごい下り坂なのである。傾斜は30パーセントを越えているように見える。 いい気になって、高速走行でもしていたら、まさにジェットコースター級の下り坂に、真っ逆さまに落ちていく感じだろう。この道、結構、危険だ。

 しかし、世界には、突拍子もない道があるものだ。