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日付: 2016年3月27日
場所: ムルナウの原野(Murnauer Moos)
地域: ドイツ(DeutchLand) バイエルン州(Bayem) 
訪問地: Bad Bayersoien, Saulgrub, Altenau, Unterammergau, Ettal, (Benediktinerkloster), Oberau, Eschenlohe, gafenasehau, (Murnauer Moos), Bad kohlgrub, Bad bayersoien


 


夏時間

 ドイツは、今日の日曜日から夏時間だ。寝起きとともに時計を1時間進める。 結果、日暮が遅くなり、外で遊ぶ時間が増える。サイクリストにとっては、これはうれしい。  

 今日は、バド・バイヤソアイエン(Bad Bayersoien)村から南下する。 可能ならば村の東南に聳えるエタラー・マンデル山(標高1,633m)の麓を一周してきたい。距離は計40km近くなるだろう。 そのため今朝は、少し早起きしてホテルを出発した。  

 昨日、通過したアルテンアウ(Altenau)村に到着する。 このバイエルン地域は3日目だが、村の家々の壁に描かれ絵には、感心させられる。 一般的には、窓の周りに飾りが描かれているのが普通だ。時には、風景画も見ることができる。  

 山から木材を運搬する絵画だ。 なるほど、このあたり、田畑の耕作はやっていないようだ。牧牛と林業が産業のようだ。 農家の家の壁には、ミルクの宣伝が描かれていたり、牛舎の臭いが村に漂っていることがある。  

 アルテンアウ(Altenau)村を自転車でゆっくりと走っていたら、一台の乗用車が私の横に停まった。 ウィンドウを空けて、「ここの人か?」と尋ねられる。この姿格好からして、それはないとは思うが、まさか私に尋ねるとは、すごい観光客だ。  

 

 


イースター祭の儀式  

     ウンターアメルガウ(Unterammergau)村に到着する。時刻は午前10時を回る。家々の壁にいろいろな絵が描かれる。 中でも圧巻は、これは後で知ったことだが、フラスコ絵画の巨匠であるフランツ・セラフ・ツビニック(Franz Seraph zwinck 1747-1792)が描いた壁絵だ。 何でも、近くのオーバーアメルガウ(Oberammergau)村にはツビニックの美術館もあると言う。さすがに巨匠の壁絵だけあって、その迫力はすごい。

 このウンターアメルガウ(Unterammergau)村の中心には、ニコラス教会(St. Nikolaus)がある。この教会でイースター祭のミサが終わったようで正装した村人がぞろぞろと歩いてくる。 男達は皆が皆、深緑のスーツ上下に同色の帽子をかぶっている。白のワイシャツを着て胸のあたりに渦巻き印の布をあてている。女達は黒の地味な服を身にまとっている。これも正装だ。 ドイツの田舎では、まだまだイースター祭の儀式を厳かにやっているのだなあと思う。



 


空腹にたまりかねて休憩  

   オーバーアメルガウ(Oberammergau)の町の入口に到着する。そこにショッピングモールがあり、その中にパン屋が一軒だけ開店していた。 何でも店の入り口に張り紙があり、イースターの日曜日は12時半まで開店していると書いてある。  

 この町に到着するまえに、昨日買ったチョコレートの食べ残し半分を齧った。ところが、なぜか空腹感が強い。。 たまらず、このパン屋であるミューラー(Müller)に入る。店内でコヒーとパンを注文して、外の日当たりの良いところで休憩だ。 今日、一杯目のコヒーだ。これが特別うまい。     

 

 


賑わう街  

 オーバーアメルガウ(Oberammergau)は、結構、大きな街だ。 人口は約5000人と言うが、街は立派な観光地で、イースタ―休暇を利用した観光客が街を闊歩している。

 木彫り人形が有名らしく、観光客用のお土産として街のウィンドウに並んでいる。また、街の建物という建物に壁絵が描かれており、これを眺めているだけで楽しめる。

 天気は良好だ。日曜日なのに、街のカフェが開店している。皆、のんびりしているなあと思う。



 


自転車を洗車

   一昨日、雨の中を走った。結構な泥を跳ね上げての走りだったようで、クランク周りは泥だらけだ。これはあまりにみっともない。 背中に背負ったリュックに洗車用のタオルを入れており、どこか適当な場所があれば、川水で洗おうと考えていた。

 オーバーアメルガウ(Oberammergau)の町からエタル(Ettal)の町までは6kmほどだ。その間にアメルガウ(Ammergau)川があり、その土手に自転車道が作られている。 この自転車道から川面まではアクセスが容易だ。自転車を川に持ち込んで、ゴシゴシと洗う。 すぐに泥が落ちて、綺麗になる。見事なものである。生き返ったようにきれいになった。  



 


アルペンスキーを楽しむカップル  

   エタル(Ettal)の町に近づく。だんだんと山陰に入っていくようだ。自転車道のところどころに残雪が残る。 驚いたことに、なんと自転車道の横にアルペンスキーの周回コースが設けられており、そのコースを若いカップルがアルペンスキーの練習をしていた。

 季節は、もうじき4月なのに、平地でアルペンスキーとはすごい。ここらあたり、標高は800m程度であろう。 風向きや日照などの条件さえ良ければ、いまの季節でも平地でスキーができることを知った。



 


ここにも立派な修道院  

   エタル(Ettal)の町に到着する。ここには、町のサイズには不釣り合いな程大きな修道院が、町の真ん中に居座っている。 要は、修道院が人を呼んで、町が成り立った歴史があるのだろう。

 修道院の中庭には雪が残っていた。雪のない場所に自転車を停めて、修道院のドームを見学させていただくこととする。

 ドームの中では大きな天蓋を見上げることになる。天蓋は2段になっており、上の天蓋までは、結構な距離がある。 壁に描かれたフレスコ画も立派だ。思うに、絵自体の配置が窮屈でもなく、かと言って疎でもない。ほんとに絶妙なバランスでそれぞれの絵が描かれていることに驚く。 このフレスコ画を描いた画家の空間感覚には恐れ入る。



 


標高877mの峠から標高659mへダウンヒル  

   エタル(Ettal)の町は峠にある。標高は877mだ。この峠からは下りになり、オバーオウ(Oberau)の町まで200mのダウンヒルとなる。

 快適なダウンヒルを楽しんでオバーオウ(Oberau)の町に入る。ここからは、ロイザッハ(Loizach)川沿いに作られた自転車道を走ることになる。 北に走るから、全体として下りの走りになる。

 日曜日の昼下がり。天気も良い。散歩を楽しむ人やサイクリングを楽しむ人たちが多い。 その中で目を引いたのは、電動アシストの自転車で走りを楽しむ人の多さである。彼らの走り方は遠目でみると、強い追い風を受けて走っているよに見える。 平地なのに、ハイギヤでバンバン走っているのをみると、一目で電動アシスト車だなとわかる。

 それで面白いのは、電動アシストでサイクリングを楽しむ人たちは、だいたいにおいて年齢が高い人たちだ。見た目、どの人も40才台以上に見える。 また、なぜか夫婦らしきカップルが多い。

 私は古い人間だ。だから電動アシスト車でのサイクリングには興味はない。思うに、電動では走る楽しみが半減してしまうと思うのだがどうだろうか。 やはり、自転車は自分の脚で漕いでこそ自転車と思うのである。



 


原野とヨーロッパアルプス  

   どこか安曇野を思わせる風景だ。遠くに八ヶ岳の山々が聳える。時刻は午後3時をまわる。雲がでてきたようで、高曇りになってきたようだ。

 ムルナウの原野(Murnauer Moos)という平地を走る。牧草用の葦畑が広がる。バイエルン地方のこの地域には、モース(Moos)という原野が多くみられる。 これも氷河湖の名残と思うが、もともとは沼地だったような様相だ。

 風を遮るものが周囲にない。したがって、北風をモロに受ける。ギヤを思いっきりローにして、コツコツと走る。今日は、午前8時過ぎから走り始めた。 もう6時間以上も走り続けている。若干、飽き飽きしてきた。ホテルは昨夜と同じ場所だが、まだまだ、ホテルまでの道のりは長い。 15kmほどは走らないとたどり着かない。なぜ、自分は走るのだろうかと自問を始めた。



 


道路上で引かれてつぶれたカエルの死骸  

   季節が季節なのだろう。カエルを多くみかける。沼などの水が多い場所だからカエルも多く繁殖するようだ。 可哀想なのは、道路上でみかける車に引かれたカエルの死骸だ。どうひかれたものか、その死骸の様相がすごい。  大の字になっているもの、原型を残さないものとどれひとつも同じではない。

 道路上に生きたカエルを見つけた。幸運にも今のところ、車にはひかれていないようだ。オスとメスかな。この道路、5分から10分毎には、自動車が通過する。 生きて道路を渡ってくれよと声をかけたくなる。