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日付: 2016年3月25日
場所: ロイザッハ・コッヘル湖・モーレン地域(Loisach-Kochelsee-Mooren)
地域: ドイツ(DeutchLand) バイエルン州(Bayem) 
訪問地: Wien, (car), Benediktbeuren(Deutchland), Kochelsee, Benediktbeuren, (car), Bad bayersoien


 


ドイツはガソリンが高価

 午前6時にウィーンを出発。午前10時前にザルツブルクを通過。すぐにオーストリアとドイツの国境に到着する。 最近の難民問題でEU内の国境越えが厳しくなっていると聞いていた。どんなものかなあと考えながら走り続ける。  

 ドイツに自動車で入国するものは強制的に一車線に入れられる。速度は標識の指示に従って時速20kmまで減速させられる。 ちょっと小太りの若い女性警官が、ストップ札を左手に持って検問所にいる。自動車の種類、ナンバープレートをチェックしている様子だ。 私の車は普通の乗用車、そしてオーストリアのナンバー。幸い停められることなく無事にドイツに入国できた。  今は良いけど、夏のバカンスのシーズンになったら、キャンピングカーとかが増えだすから、さぞ大変だろうなあと考える。これは渋滞しそうだ。  

 ガソリンタンクの残量が残り少ない。赤色マーク付近までレベルが下がってきている。そろそろだなあと思う。 ただ、一般的に高速道路での給油は高くつく。何んとか一般道まで持たせるようにヒヤヒヤしながら我慢する。  

 一般道に降りる。何軒かのガソリンスタンドの価格表示をながめながら、あれれと思う。 ガソリン一リットル当たりの単価が、どこも1.2ユーロ(150円)程度だ。オーストリアは1.0ユーロ(125円)程度だから、なんと2割も高いではないか。 ドイツはオーストリアと比べて物価が安いと思ったが、ことガソリンに限っては、そうではないらしい。  

 

 


ドイツはいつも雨  

     昨年のドイツ遠征は悲惨だった。3泊した。そして、そのほとんどの日が雨降りだった。今回のドイツ遠征もやはり雨で始まった。なぜか、ドイツに来るたびに、雨が迎えてくれる。

 ウィーンから自動車で走ること6時間。距離にして500km弱を走って、たどり着いたのはベネディクトボーネン(Benediktbeuren)という小さな村だ。 ここに来た理由は、村の西側に、大きな原野(Moor)が広がっている。その原野を自転車で走ることだ。

 村の外れにある修道院用の駐車場に車を停める。  小雨が降り続いている。時折、雨粒が空か落ちてこない時間もある。しばらく待てば、もしかしたら止むかもと淡い期待を持つ。 まずは、ウィーンから持ってきた昼食用のパンと缶詰を車の中で食べる。しかし、雨はやまない。時間つぶしに、ベネディクトボーネン村にある修道院を訪ねる。

 修道院はおおきくてとても立派だ。修道院の内部にある回廊も見事だ。 思うに人の寄付で、施設の維持がなされているのだろうが、この施設を維持していくことは大変だろうなあと変な心配をする。



 


雨の中の原野  

   この原野地帯は、ロイザッハ・コッヘル湖・モーレン地域(Loisach-Kochelsee-Mooren) と呼ばれている。 南には、ヨーロッパアルプスが聳える。植物や動物の保護区になっており、多くの人が訪れるようだ。   

 雨の中への自転車の走り出しは、最初の数分間で慣れる。雨ガッパを上下に羽織っての走りとなる。靴は残念ながら防水ではない。   

 バイエルン州のこの地域は、もともと肥沃な土地ではないようだ。畑はほとんど見られない。牧畜が主な産業なようで、原野に生える葦類は、どうも牛のエサにしてしまうようだ。 所々に収穫用に使う農家の納屋が点在している。これも良い風景だ。願わくば、晴れてくれたらとおもうのであるが、そうはいかない。   

   

 

 


原野を散歩する人々  

 こんな天気だから、さすがにサイクリングしているのは私だけのようだ。ただ、子供連れの家族や、夫婦らしきカップルが散歩している。 雨にずぶ濡れの散歩を楽しむドイツ人もすごい。

 ドイツのことだから、この原野もしっかりとサイクリング道が整備されているものと期待していた。 ところが、実際はあてが外れた。原野内には、立派なハイカーやサイクリスト用の立て看板はある。 迷わないためには、必需であろうが、道路が自転車走行用に舗装はされていない。あるのは農作業用の道路だけだ。



 


原野を流れるロイザッハ川

   原野のほぼ中央を大きな川が流れる。ロイザッハ川(Loizach)だ。この川、実は延々と北側に向かって流れ、そしてドナウ川に合流する。 ここを流れている川水が、一カ月かそこらで、ウィーンに達するかと思うとなるほどと思う。

 川水は、とても澄んでいる。にごり一つなく若干の黄緑色を帯びた水だ。原野の溜まり水が、タンニンを含むこげ茶色をしているのを比べると歴然とした違いだ。 川の上流方向には、アルプスの山々が見える。山のところどころに雪が残る。まさにアルプスの雪解け水だ。



 


自転車は汚れ放題  

   泥道を走り続ける。泥を跳ね上げないように気をつけて走っているつもりだが、この汚れはすごい。 自転車の色が黒を基調にしているので、泥が目立つかもしれないが、これはちょっとみっともない。自転車が汚れるということは、自分の足元も結構よごれている。 マッドガードをつけていないので、リュックも泥まみれだ。  



 


美しい湖  

   地図では、川を上流方面に進むとコッヘルジー(Kochelsee am See)という町にたどり着くとなっている。 原野を走り続けて、しだいにポツポツと家並みが見えるようになり、最後は、一面の湖面が眼前に広がる。コッヘル湖(Kochelsee)だ。

 湖の船着き場に、ここに住む魚類を説明する看板が立てかけられている。付近一帯の川の名称も記載されている。  どれもこれもドナウ川の支流である。地図上の川の名称を目で追っていって驚いた。Günz,Mindel,Riß,Würmという名前が見える。 なんと、これはヨーロッパ氷河期の名称標識地ではないか。学生時代に学んだ第四紀の最近の4つである。まったく知らなんだ。



 


降り続く雨  

   ホテルに入ったのは午後5時過ぎだった。午後から本降りとなった雨は止んではくれない。 明日は好天になることを願う。だんだんと暮れ行く村の景色を観ながら、ウィーンから持ってきたワインを丸ごと一本飲んでしまった。