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日付: 2016年2月21日
場所: シルバナー自転車道(Sylvaner Radweg) ホーバードルフ村(Hoberdorf)
地域: 下オーストリア州(Niederöstrreich) オーストリア(Austria)
訪問地: Hobersdorf, (Sylvaner Radweg), Bullendorf, Hebersdorf, Bullendorf, Hobersdorf


 


寒村の魅力

 欧州の冬は寒くて寂しい。 南仏の燦々と輝く太陽を恋しく思う。  

 2月は、中欧・東欧を走るサイクリストにとって辛い季節だ。 寒さと悪天候、どうもペダル漕ぎから遠のく要素が多い。ちょっとした風邪気味を言い訳にして、 走りをサボっていた。 しかし、よくよく考えてみて、私という人間からサイクリングを取ったら何が残るのだろう。 何か、他に興味が沸いてくるものがあるのだろうか。  

 ウィーンから北へ、車で60q。この地域は、歴史的な背景があるのだろうか、高速道路はない。 今、建設中である。  

  ハーバースドルフ村(Hoberdorf)に車を駐車して走りだす。 ひとっこひとり見えない村の主要道。皆、どこへ行ってしまったのだろう。 寒い冬をどうして過ごしているのだろうかと思う。    

 

 


 壁絵  

   最近、心境の変化で、「知れば煩悩、知らぬが仏」という言葉が、とても気になる。 興味にまかせ、身の回りの物事の道理に深く立ち入って、心を迷わすことがバカバカしくなってきた。 いっそのこと、知らぬ存ぜぬで、世を渡った方が、よっぽど精神的に気持ちが落ち着くのではないかと思い始めた。

 ただ、矛盾した気持ちも心の隅っこにある。知らぬが仏ばかりでは、心がとても寂しいのである。

 オーストリアの村々を廻っていると、よく目にするのが、農家の家々の壁に描かれた壁絵である。  だいたいは、年間の農業行事、例えばブドウ畑でのワイン用のブドウの収穫や、農機具を使った農作業風景である。 誰が描くかは知らないが、非常に出来が良いのである。とても家の持ち主が描いているようには思えない。村で絵心のある人がサービスで描いているのだろうか。 まさに、見事な絵である。  



 


走りだしてすぐの昼食  

   今日は、遅く走り始めた。アパートを出たのが午前11時だった。 移動に1時間を要したので、自転車に乗り始めたのは正午すぎだった。  

 最近、朝のトレーニングに凝っている。今朝も、天気が今ひとつだったので、エアロバイクを1時間漕いで来た。 ついでに、ランニングマシンで30分のジョギングをしてきた。  

 そのせいで腹の減りが早いのである。すぐに昼食だ。外は風が強い。 どこか、風除けできる場所がないものかと探すが適当な場所がない。 これがしょうがない。吹きっ晒しだが、ベンチがひとつあったので、そこで食事だ。 今日は、特別、サンドイッチを作ってきた。    

 

 


寂しい畑  

 昨日の土曜日は、好天気だった。残念ながら、ちょっとした用で走れなかった。 何か、とてももったいないことをしたように思う。冬のオーストリア、好天気の下を走れる機会は少ない。  

 一日経つと、もうこんな天気だ。天候の移り変わりは速い。



 


どこにブドウ畑があるのだろう

   シルバナー自転車道(Sylvaner Radweg)は、別名、ぶどう畑通りと呼ぶらしい。 自転車道のいろいろなところに、「ブドウ畑通り」との標識が立っている。  

 ところが、肝心なブドウ畑が見つからないのである。どこを見渡してもそれらしきものがない。 これは不思議だ。牧草用の畑が、延々と広がっているだけである。

 もしかして、品質が悪くて村中の農家が廃業してしまっただろうか。不思議な光景だ。



 


   分かれ道  

   シルバナー自転車道(Sylvaner Radweg)をしばらく走る。幸いに追い風で、楽々と前に進むことができる。 自転車道9号と91号との分かれ道に差し掛かる。左に曲がると延々とチェコ方面まで、 まっすぐ進むとスロバキアまで通じる。大きな分かれ道だ。

 スロバキア方面には、緩い坂道がある。 お父さん、12〜13歳くらいの娘さんと10歳くらいの息子さんが、その坂道でスケートボード遊びをしていた。 坂を降っては、また登ったりと、何度もそれを繰り返しているようだ。 楽しく遊ぶ親子の姿は、とても微笑ましい。こういう家族には引きこもりなどないもんだろうと思う。



 


   本日の終点  

   時刻は、午後2時を廻ったばかりだ。ただ、空には暗い雲が立ち込めている。 先ほどまで南の空が明るかった。北の空には、晴れ間も見えた。 ところが、今は、空中が重苦しい灰色の雲に包まれた。

 風が強く吹く。幸い、耐えられないほどの寒さではないが、どことなく寂しい。 今日の走りは、これでやめにする。家に帰って、ビールでも飲もう。