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日付: 2016年1月16日
場所: どこか北海道の美瑛を思わせる風景 ラーデンブリュンの森(Ladenbrunner Wald) アスパルン村(Asparn an der Zaya)オーストリア(Austria)
地域: アスパルン村(Asparn an der Zaya)オーストリア(Austria)
訪問地: Asparn an der Zaya, Altmanns, Hagenberg, Frättingsdorf, Hörersdorf, Asparn an der Zaya


 


久し振りの走り

 ここ一週間、体調が思わしくない。風邪をひいたのか、鼻水がひっきりなしに出るし、時折、くしゃみも出る。 夕方から夜にかけては、熱でも出るのか、頭痛が酷くなる。1月中旬にヨーロッパを襲った寒波のせいか、自転車からは遠ざかっていた。  

 最近は、暖かな天気が続いている。天気予報は、この週末、特に土曜日は絶好のサイクリング日和になると言っている。 このタイミング逃すことはない。  

 朝、目覚める。習慣でカーテンを開けて外の天気の様子を観る。まさに快晴だ。雲一つなく空は晴れ渡っている。  

 まずは自動車で北を目指して出発。昨年の晩秋頃によく訪れたチェコとの国境地帯に向かう。 アスパロン(Asparn an der Zaya)という村にマムーツ・考古学博物館がある。 冬の間は閉館しているが、駐車場は開いている。ここに自動車を止めて走りだす。しかし、空の青さはすごい。いつまでこの天気が つづくのだろうかと思う。  

 

 


どこか北海道北部の美瑛に似ている  

   オーストリアの北部、チェコとの国境線辺りは、どことなく北海道北部の景色に似ている。 なだらかな丘が続くのんびりした雰囲気がそっくりだ。

 田園の中を走る。どこか頭の中に張りつめている緊張の糸が、プツリプツリと音をたてて切れていくような気がする。 物の所有にこだわったり、人間関係のどうでも良いようなシガラミで悩んでいることが、あほらしいを通りこして、 目に見えない空気の中に、溶け込んで消えていくような気がする。



 


風もなく穏やかな森  

   走りだして1時間も経たないうちに、絶好の休憩場所を見つける。 風もない日向。バックからコヒー入りの水筒を取り出して飲み始める。  

 天気は不思議だ。日だまりの無風下で休む時は、まさに天国にいるかのような気分だ。 これが、曇り空の下、雪片舞う道での走りとなると苦しい限りだ。地獄だ。    

 

 


時は過ぎる、季節は変わる  

 昨年の晩秋に訪れた時は、そこらじゅうの畑で収穫作業に勤しむ人々がトラクターに乗って忙しく動いていた。 ところが、今の季節は誰もいない。一体、人々はどこに行ってしまったのだろうかと思う。

 人っ子一人もいない。すれ違う車もない。人間の活動らしき痕跡が皆無だ。ゴーストタウンならぬ ゴーストワールドだ。



 


小鳥のさえずり

   ところが、林の横を通り過ぎると、何やら、ピーピーと雀のような小鳥が落葉した枝の中を飛び回っている。 どうも夏に向けてのパートナー探しに忙しいようだ。



 


突然の霧  

   時刻は正午を回る。快適な走りが続く。

 ところがフレッテンドルフ(Frättingsdorf)村の入口に着いた時に目の前に霧雲の塊が現れた。 たちまちその霧雲に包まれて太陽が見えなくなる。途端に寒くなり、風も吹き出した様相だ。

 天気の急変とはいえ、こんなことあるものだろうか。



 


  昼食はバス停のボックスの中  

   太陽がみえなくなると、まわりの世界が一変し冷気に包まれる。これは正に冬の走りだ。

 昼食は、道沿いのバス停ボックスでとる。 オーストリアのバス停は、全部が全部ではないが、雨避け風除けのためか、天井が付いている場所が多い。 そのバス停のベンチに座ってビスケットとコヒーで簡単な昼食を摂る。ただ、座っているとだんだんと寒くなる。 長いはできない。



 


この景色はなんだ  

   オーストリアはサイクリング好きの人間にとって天国だ。こんな素晴らしい道なのに、自動車とすれ違わない。 道の真ん中を堂々と走ることができる。独占である。

 なんともまあ、自転車乗りに優しい国だろう。