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日付: 2015年12月26日
場所: アマルフィ海岸(Amalfi)
地域: カンパニア州(Campania Region) イタリア(Italia)
訪問地: Salerno, Amalfi, Maiori, Tramontai, Maiori, Bosco


 


意外によく眠れた夜

 場所は、ローマの北100kmのパーキングエリアだ。ウィーンから1,030kmを走ったことになる。  

 昨夜、午後9時過ぎにパーキングエリアに停車、キャンピングカーの横に乗用車で居座る。 すぐに車の後部に移って腰を伸ばして寝始める。寒さ対策で、寝袋は2枚。 これが良かった。疲れていたこともあり、何の寒さを感ぜずにぐっすりと寝た。カーナビに外気温を示す機能があり、それによると 午前6時の時点で摂氏6度だった。  

 起きてみて自動車の周りを見回して驚いた。 いつの間にか、近くにキャンピングカーが5台停車している。また乗用車も数台が駐車場に 停まっており、座席で仮眠を取っていた。  

 

 


簡単な朝食  

   午後5時半。霧が深く、周りはまだ暗い。駐車場のレストランが開いていないか覗いて見る。 営業している雰囲気だった。中に入る。トルコ人だろうか、中東系の人達が 大勢、喫茶店の中でたむろしていた。この人たち、何をしているのだろう。

 カウンターでカプチーノとクロワッサンを注文する。まずは一回目の食事だ。ウィーンから ある程度の食料は持参してきているが、店の中で、注文して食べるのも面白い。  



 


午前7時過ぎに夜明け

   夜明け6時過ぎに走りだす。暗く、おまけに霧を注意しての走りだ。ただ、面白いことに ずっと道中が霧に覆われているのではなくて、地形のせいだろうか、場所によって霧の深さは かなり変わるようだ。  

 午前7時過ぎに明るくなり始めた。幸いなことに空模様は良い。イタリアをどんどんと南下する。  

 

 


イタリアの保養地、サレルノ  

 サレルノ(Salerno)の街は、ポンペイの東30kmほどのところにある。

 午前10時過ぎに、この街に到着した。 ウィーンを昨日の朝に出発したことから、この街に到達するのに26時間がかかったことになる。

 海岸沿いに発達した港町で、海岸沿いには多くのビルディングが立ち並ぶ。 到着前は、もっと寂れた田舎町をイメージしていたが、なんのことはない活気に満ちた街だった。

 どこかに車を停めて、海岸を散歩したいと思った。しかし、どの駐車スペースも一杯で、 街中が、違法駐車ばかりだった。まさにカオスの世界だ。



 


実は再訪だったこのアマルフィ海岸

   アマルフィ海岸(Amalfi)はポンペイ市から南に山一つ越えたところにある。

 実は、この海岸に来るまで、30年前に一度来たことがあることを知らなかった。 昔、ナポリ・ポンペイをレンタカーで回ったことがあり、そのついでに アマルフィ海岸(Amalfi)をぐるりと周った。その時は、海岸の素晴らしさに、 あまり感慨を受けなかった印象がある。  不思議なもので、30年間、頭の中の戸棚に入れっぱなしだった記憶の断片が突然に現れた。

 海岸のどこかに自動車を停めて、自転車で走りたいと思った。 ただ、海岸で自由に車を駐車させるスペースがなく、また狭い道路を、自動車が頻繁に通る。 ちょっと、サイクリングを楽しむ雰囲気ではなかった。興醒めである。  



 


自転車で走り始め  

   せっかく28時間もかけて、南イタリアのアマルフィ海岸まで来た。 ぜひ自転車に乗りたいと思った。

 地図によるとマイオリ(Maiori)という名の海岸沿いの街から、山に入っていく道がある。 この道なら、観光地から外れていることから、車も頻繁には通らないと感じた。  

 なんとか、道路上に駐車スペースを見つけて、自転車を組み立てて、走り始めた。登り坂は 辛い。しかし先日の自転車改造で、ローギア関係を老人仕様にしたので、何んとか、漕いで 山道を登っていく。



 


  レモン栽培の畑  

   このあたりは、レモンの栽培が盛んなようだ。 黒い日除けシートが広げられた段々畑が目につく。  レモンが過剰に日焼けしないようにする処置だろう。生産現場ではこんなことまでするかと 驚いた。

 2時間程走って、今日の走りを終えた。 今晩、宿泊するホテルはここから100km以上も離れたところにある。 ホテルには午後5時頃には到着すると連絡してあるので、逆算すると、そうのんびりとは サイクリングを楽しんでおられない。なにせ、今は、一年中で 一番、昼間の時間が短いのである。すぐに、暗くなってしまう。冬の走りは、これに注意だ。



 


新品のホテル  

   ホテルは、子供のいない30歳程度の夫婦が営業していた。 奥さんは英語がまったく喋られない。旦那さんが、カタコトの英語が話せた。 案内された部屋は、まだ、完成して間もない印象だ。どこもかしこも新しい。 とても快適だった。食事はまったく付かないが、 宿泊は45ユーロ(6,000円弱)だ。これには満足。ここに6泊して、まわりをサイクリングする 予定だ。



 


 ベランダからの絶景  

   ベランダからは地中海が見渡せる。シシリア島の街の明かりが星屑のように瞬く。 8室あるホテルには、管理人の夫婦と私だけだ。とても静かだ。夜景を観ながら、 ワインを飲む。ここ二日間の移動で、若干の疲れがあるようだ。ワインがとても旨い。  

何せ、冬なのに、セーター一枚で、ベランダに居ることができる。  夜景を肴にして、みるみる間にボトル1本を空けてしまった。 今宵は、すこぶる酔った。