home

日付: 2015年12月13日
場所: ミステルバッハの街(Mistelbach) 
地域: 下オーストリア州(Niederöstrreich) オーストリア(Austria)
訪問地:
Mistelbach, Süßenbrun


 


クリスマス前の週末

 天気が良くない。最近、霧雨の日が続く。まったく鬱陶しい。 中欧や東欧の冬が、こんなものだと思えばそれまでだが、太陽が燦々と輝く南欧に逃げたくなる気持ちもわかる。  

 走りたい気持ちを抑えきれずに、ウィーンを飛び出した。北に向かう。 目指すは、チェコまでの国境まで20qに位置するミステルバッハ(Mistelbach)の街だ。  この街に、特別な物は何もない。ただ単に、この街にいったことがないから行くことにした。  

 ウィーンを抜けて北に走ると、途端に霧が濃くなった。こりゃ、自転車乗りは無理だと諦める。 街はクリスマス前の最後の土曜日ということもあり、とても賑やかだ。子供が母親に 連れられて目の前を通る。プレゼントでも買ってもらうのであろうか。どことなく 足取りが軽い。  

 

 


小さな街  

   市庁舎前が、一番人通りが多い。広場になっているのは、かっての市場の跡だろうか。  どこかに座れる喫茶店はないものかと探し回る。あるようでないような、これと言って 気楽に入れる店が見当たらない。

 市庁舎の前に広場がある。かっての市場の跡だろうか。広場に面してパン屋さんが一軒ある。 その奥にカフェがあるようだった。何人かの人が席に座っている。気楽に入れそうだと思い ドアを開けて中に入る。  



 


静かな喫茶店  

   欧州のカフェはどこも落ち着いている。何といっても、BGM音がないことから落ち着く。 席に座って、ウェイトレスの到着を待つ。幸運にもすぐに来た。カプチーノとクロワッサン を頼む。カプチーノはミルク入りにするかどうかドイツ語で聞かれる。滞在歴1年の身。だいたい この場面で、こういう質問が来るということが予測できるようになった。「ミルク入りをお願い」と あたりまえのように言ってみる。うまく通じた。  

 目の前に一人のおばさんが座る。甘そうな菓子パンとコヒーを注文したらしい。 買い物帰りだろうか。未亡人だろうか。思いは巡る。  

 

 


幻想的な森  

 ウィーンへの帰り道。せっかく弁当を準備して出かけてきたのだからと思い、ちかくの 公園で食事をしていくことにする。

 霧が、程よい加減に立ち込める。この道、どこまでいくのだろうかと幻想的な風景に出会う。 これは良い。ただ、自転車で走るのは、周りが見えないから面白くないだろう。



 


 なぜか犬が寄ってくる

   適当なベンチを見つけて、昼食を台の上に広げる。時折、犬を連れた散歩人が目の前を通る。 決まって犬が私のベンチ横まできて、不思議そうに台の上のものを見つめる。  

 好奇心旺盛な犬が多い。ある老人の散歩人は、「ボンナプティ」と言って、犬が私の場所に来て 迷惑でしたねとお詫びがてらに声かけしてくれた。 このフランス語は、ドイツ語化しているのだろうかと考える。時間がゆっくりと過ぎる土曜だ。