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日付: 2015年10月24日
場所: ウォルファルト教会(Wallfahrtkirche:標高753m) 
地域: シュタイアーマルク州(Steiermark) オーストリア(Austria)
訪問地: Hartberg(359m), Flattendorf, Winzendorf, Pöllau, Wallfahrtkirche(Pöllau 753m), Winzendorf, Hartberg(359m)


 


久しぶりの遠出

 天気予報は、今日から3日間は好天が続くと言っている。ここ1週間程、曇天やしとしと雨の日々が続いていた。 今の自分は、雨に濡れるのを覚悟でサイクリングに出かけていく元気はない。最近、どうも動くのが億劫なのだ。  

 この億劫病を治す特効薬は、とにかく宿泊ホテルを予約してしまうことだ。そうれば、根がケチな身にとって、 否応なしに出かけることになる。  

 午前8時過ぎにウィーンを離れる。一路、高速2号線を南下する。 150km程離れたところに、ハートブルグ(Hartberg)というこじんまりした街がある。ここが今回の遠征の出発点だ。 二泊三日の旅が始まる。  

 

 


秋の日差しに冴えるモミジ  

   空は、めちゃくちゃに晴れ渡っている。まさに秋の青空だ。ちょうど、今までの愚図ついた天気で、 空中に浮遊していたゴミが一遍に地上に落ちた感じだ。  

 走り始めて30分。フラッテンドルフ(Flattendorf)の村に着く。道端に、鮮やかな赤が冴えるモミジが光輝いている。 思わず停まって、写真を撮る。どうして、太陽下のモミジの葉は、こんなにも色が冴えるのだろうか。不思議だ。  



 


刈り忘れたのかな、トウモロコシ  

   走り始めた時には、冬用の手袋をした。しばらくして、太陽が高くなる。 今回は、十分な準備をして、冬用のサイクリング用の手袋を持ってきた。 しばらく走ると、手袋内のむれのせいなのだろうか、指がかゆみを感じるようになる。気温が上がってきた証拠かな。  

 道添に、立ち枯れしたトウモロコシが並ぶ畑の横を通る。刈り忘れたか、あるいは刈り取りの時期を徹底的に 遅らせているのだろうか。もしかして、トウモロコシの実から作るコーンスターチの甘みが増すのだろうか。 そんな、つまらないことを考えながら走る。  

 

 


何だろう、この黄色の花は  

 遠くから眺めて、あれは、菜の花かなあと思う。しかし、もう季節は10月末だ。あまりにも時期外れだ。

 近づいてみる。菜の花ではないことは確か。ただ、花の名前は知らない。 紅葉に染まった森、それをバックに新黄の畑。これは見応えがある。実に、みごとな風景だ。



 


プロー(Pöllau)の街

   時刻は、正午を回った。プロー(Pöllau)の街に着いた。ちょっと変わった町で、中央通りの端に教会が聳えている。 中には自由に入ることができる。

 入口の扉を開けると、薄暗い空間が広がっている。天井には見事なフラスコ画が描かれている。何人かの観光客がいるようで、 皆が皆、頭をいっぱいにそり返して、上を眺めている。

 思うに、どこの教会もそうだが、一歩、中に踏み入ると異空間に入り込んだ気持ちになる。通りのザワザワ音が一瞬に消えて、 シーンと静まり返る。この感覚、とても良い。



 


リンゴの木の下で昼食  

   あまりに天気が良いので、道端のベンチに座って弁当を食べることにする。時間も頃良い。 弁当と言っても、パンとツナの缶詰だけだ。それにリング一つだ。

 ただ、少し、考えた。李下に冠ではないが、どうもリンゴの木の下で、リンゴを齧るのは、若干の抵抗がある。 気にしなければ、それでよいのだが、変なところで、気配りしてしまう。



 


目指すは丘の上の教会  

   プロー(Pöllauの街の標高は425mだ。北に聳える丘の上に立つウォルファルト教会は標高753m。 標高差300mの登りとなる。辛くもなく楽でもない、ちょうど良い登りだ。

 登り始めて半分ほどで、道端にヒマワリ畑を見つける。じっくりと眺めてみる。やはり、ヒマワリの花だ。 10月下旬のヒマワリ。もしかして、夏に収穫した種が花を咲かせたのだろうか。



 


頂上からの眺めは最高だ  

   道端に腰かけて、ゆっくり日向ぼっこをするカップル。日差しが強すぎて眩しい。残念ながら、頂上からの景色は、逆光の ためか、いまひとつだ。

 教会は、大規模は修復工事を行っている。残念ながら、工事用の足場が教会の外壁にびっしりくっ付いており、良い写真は撮れない。 中に入ってみる。質素な椅子と祭壇が並ぶ。丘の頂上の教会。メンテナンスが大変だろうなあ。



 


紅葉の下の走り  

   日本の秋も、こんなんだったなあと考えながら、紅葉の木々の中を走る。

 すると、老夫婦が自転車に乗って後ろから追いついて来た。なんと、アシスト自転車で走っている。 最近、時々、電動のアシスト自転車に乗ってサイクリングを見かける。せっかくの自転車による坂登だから、 自分の筋肉だけで、登った方が、達成感が強いと思うが。  

 いやいや、例えば、70才近くになった老人が、坂の多い山道でサイクリングを楽しもうと思うと、アシスト自転車も 一つの選択肢かもしれないと考えだした。



 


秋晴れは続く  

   どことなく、北海道の秋を彷彿させてくれる風景だ。空の青に溶け込む緑。こりゃ、最高の走りだ。