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日付: 2015年9月6日
場所: エリザベスホッヘ(Elisabethhöhe:標高358m) 
地域: 下オーストリア州(Niederöstrreich) オーストリア(Austria)
訪問地: Wien, Donauinsel, Korneuburg, Leobendorf, Kruzenstein, Tresdorf, Harmannsdorf, Stetten, Hagenbrunn, Bisamberg, Elisabethhöhe(358m) Langenzersdor, Wien


 


はっきりしない天気

 昨日の土曜日は、めっきり秋らしい一日だった。 時折、雨が降り出す生憎の天気になり、アパートでグズグズしていた。  

 今朝も、空模様は、はっきりしない。北の空に黒い雲が、広がっている。南の空は、明るい様相だ。 サイクリングに出かけるかどうか迷う。この1か月ほど、サイクリング日和が続いた。その反動だろうか、 雨の中を走る気力がない。  

 時刻は午前10時。空が、気持ち、明るくなったようだ。週末、何もせずに部屋に籠っていては、面白くない。 「よし、走ろう」と自分に言い聞かせてアパートの部屋を出る。  

 まずは昼食の準備だ。駅前のパン屋でクロワッサンを買う。二つで2.08ユーロ(250円)なり。  

 

 


急な空腹感  

   不思議なものだ。パン屋に寄ったせいか急に空腹感を感じ始めた。どうにもならず、たまらず停車する。 そして持ってきた果物と一緒に、買ったばかりのパンを食べ始める。食欲を満たしている瞬間は、 なぜ、こんなに気持ちが良いのだろうかと思う。

 ドナウインゼルは、ドナウ川の真ん中に浮かぶ人工島だ。幅は最大で50m程度、長さが20kmもある。 ほんの5日前までは、水浴を楽しむ人で島は溢れんばかりだった。ところが、今は、人影ももまばらだ。 泳ぐ人は皆無だ。皆が、ジョギングやサイクリングを楽しんでいる。    



 


中世の古城を訪問  

   真っ黒な雲が空を覆う。大粒の雨粒が落ちてくる。雨宿りをするほどではないが、いつ何時、土砂降りが 始まるか心配しながら走る。  

 ちょっとした坂を登り切って、クルッツェンスタイン(Kruzenstein)城に着く。ウィーン市内から 眺められる中世の城だ。案内による内部見学は13時からだとういう。  

時計を見る。7分前だ。良いタイミングだった。 ただ、写真撮影禁止であることと、随行する人が、滅茶苦茶多いのに閉口する。 こりゃ10ユーロ(1300円)も払って入る価値はないわと思う。入城は諦める。  

 

 


枯れたひまわりが首を垂らす道  

 レオベンドルフ(Leobendorf)の村から、トレスドルフ(Tresdorf)の村へ向かう。田舎の道だ。 左側に、大きなヒマワリ畑が広がる。残念ながら、花の季節は終わっている。

 面白い風景だ。畑に生える、全てのヒマワリの花は東を向いて首を垂らしている。まるで、畑中のヒマワリが、何かに落胆して 首を垂れているように見える。「そう悲観せずに、元気を出せ」と言いたくなるような気持ちになる。 不思議なもので、ヒマワリ畑の横を通るたびに、いろいろなことを考える。



 


ヨーロッパ大陸の秋

   よくよく周りの景色をじっくりと眺めてみる。空には秋の雲が浮かぶ。砂利道が延々と続いている。風が、時折、 強く吹く。寂寥感満点の場所だ。ただ、高圧送電線が、何かと風景を邪魔している。  



 


道沿いのリングの木  

   ステッテン(Stetten)の村を過ぎる。並木にリンゴの木が植えてある。ちょうど、今が、収穫の季節らしく 赤々としたリンゴが木の下に落ちている。新鮮そうなリンゴを拾う。そして齧ってみる。まあまあの味に驚く。

 公道沿いの道だから、持ち帰っても、だれも文句を言わないだろうと思う。数個を拾ってリュックに入れる。 これは設けたと思う。

 しかし、ヨーロッパのいろいろな場所をサイクリングしたり、歩いたりしたが、リンゴの木の並木道は初めてだ。 



 


収穫を待つブドウ  

   ハーゲンブリュン(Hagenbrunn)の村に近づくにつれて、葡萄畑が目につくようになる。ウィーン市内の北側に広がるブドウ畑地帯のひとつにたどり着いたのだろう。

 今年の冬にサイクリングしていた際には、つるだけだったブドウの木が、実をたわわに付けている。季節は、まさに 巡る。もうすぐ、収穫の季節を迎える。そして落葉して冬になる。この繰り返しだ。



 


宗教施設かな?  

   ハゲンブリュン(Hagenbrunn)村から、ビザンベルグ(Bisamberg)に向かう道で、変なものを見つける。 「My Way」という造形芸術で、500mの道沿いに7つのテーマで作品が並ぶ。人間の誕生から死までを、7つの エポックに区切り、歩くながら、人ひとりの人生を考えるものだ。

 天下の公道上に、よくもまあ、こんな宗教施設を作るものだと、感心しつつ試しに歩いてみる。なんと、終点である「死」の作品 の次には、教会の入り口が続いていた。うまいオチだ。



 


20パーセントを越える坂道  

   ウィーン市内の北に、ちょっとした丘がある。標高300m程度の丘で、標高が150m程度のウィーン市内よりも少し 高台にある。その丘の頂上まで自転車で登ることにする。

 たかだか、150m〜200m程度の登りなら楽ちんだと思う。登り始める。ところが、その登り傾斜に目を回す。 どう見ても20%を超えるような急坂だ。立ち漕ぎで登るも、息が切れて長く続かない。息があがる。



 


100年前に存在した幻の小屋  

   かなり過激な登りだった。ただ、登り切ってみると、やはり2000m級の峠とは違うなと実感する。 この1か月、鍛えた脚は、かなり頼れる存在だ。

 丘の頂上の名前は、エリザベスホッヘ(Elisabethhöhe) と呼ぶ。標高は358mだ。頂上辺りは、 広々とした草原になっている。なんでも、この辺りには、20世紀前半に、大きな小屋が立っていたという。

 頂上に、丘の名所案内があり、かっての写真が張り出されている。 オジサン、オバサン、若い娘さん、そしてなぜかロバまで写っている。この写真に写っている人々は、 皆、どこへ行ってしまったのだろう。

 



 


下りは、非常に荒れた山道  

  時刻は午後4時を過ぎる。天気が良くなってきている、青空が、広がり始める。ただ、風が強いのが難点だ。

 山道を下る。来た道は、ただ単に帰るだけでは面白くない。丘の頂上からウィーン市内方向に登山道があり、 その道を下ってみる。

 下り始めは良かった。ところが、道の状態は次第に荒れ始める。 ついには、自転車を担いで下るようになった。

運動靴での山下りは辛い。