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日付: 2015年8月23日
場所: ケルンブライン貯水ダム(Kölnbreinspeicher:標高1902m)
地域: シュタイアーマルク州(Steiermark) オーストリア(Austria)
訪問地: (Cycling) Gmünd(741m), Malta, Malta-Hochalmstr., Kölnbreinspeicher(1902m) Malta, Gmünd(741m)


 


車中泊で連泊

 私の車中泊の方法はこうだ。5ドアの車の後部座席を全部倒す。そして後ろをフルフラットにする。 身長168pの私が、なんとか腰を伸ばして寝られるスペースができる。ここにエアーマットをひく。 これが大事で、快適な眠りのためには、重要である。  

 この方法で、すでに7泊をしている。いずれもしっかりと眠ることができている。車中泊できることは、 経済的に効果大だ。ただ、キャンプ場のようなシャワーが浴びられないのが難点だが。  

 

 


グムード(Gmünd)から出発  

   標高1902mに、水力発電所用のアーチ式ダムがある。グムード(Gmünd)の町から35kmほど、北西方向だ。 ただ単に、走るだけなら35kmなど簡単だ。ところがグムードの町の標高が741mで、終点の標高が1902mなので、 1250mの坂登りとなる。距離は35kmだ。これは、気持ちを引き締めてかからなければならない。  



 


サイクリング道路をゆっくり走る  

   午前7時に走りだす。かなり早朝からの走りだ。まだ、辺りには日が差していない。 したがって、あまり良い写真は期待できない。  

 沢沿いに、立派なサイクリング道路がある。畑と道の敷地境界に、しっかりと木製の塀が立てられている。 こんなサイクリング道路は、初めてだ。   

 それに景色も良い。すれ違うジャガーが、「おはよう」と声をかけてくれる。これは、まさに早起きは三文の 得だ。  

 

 


高原道路に入り、本格的な登りが始まる  

 午前9時10分にサイクリング道路の終点に到着した。ここは、高原道路の起点でもある。 この高原道路は、マルタ・ホッへアルム道路(Malta-Hochalm straße)と言う。  有料道路で、自動車は18.5ユーロ、バイクは10ユーロの通行料を取る。しっかりしている。 自転車は、もちろん無料である。自転車は、至る所で、優遇される。なぜだろう。



 


熱烈歓迎の横断幕

   この道は、察する限り、上流にダムを造った際の、工事用道路であったように思う。 オーストリア水力発電会社のロゴマークが至る所にある。

 しかし、有料道路に入って、熱烈歓迎の横断幕に出会うのは、生まれて初めてだ。 



 


 トンネル多し  

   この道路は、予算の都合だろうか、一部分が、片道通行だ。特に、トンネルがたくさんあることから、 片道通行が多い。

 片道通行のため、自動車は、信号が赤の場合には、待つことになる。その待ち時間が半端ではない。 なんと最大で25分間は、待たなければならないようだ。 

 自転車の扱いは、よくわからない。私は、この赤信号を無視して、ドンドン登っていく。 面白い事に、自動車やバイクに追い越されるときには、集団で、どっと追い抜かれることだ。 それが済むと、静けさがやってくる。これは片道通行の赤信号のおかげだ



 


息も絶え絶えひたすら漕ぐ  

     昨日の疲れが残っているのだろうか。標高が1600mを越え始めると顎が上がり始める。 もう数百メートル走ると休憩2分というサイクルになる。これ、酸素が、高所にきて不足しているせいだろうか。

 標高1900m近くになると、終点のダムが視界に入り始める。アーチ式の立派なダムだ。ただ、ずいぶんと 自然を壊しているなあという印象もある。ここは国立公園の中というのに。



 


正午にきっかりにダム駐車場に到着  

   残りの100mは、ほんとうに辛かった。もう、ここで諦めて、押し歩きでいこうかとも思った。しかし ここで、妥協してはダメだと言い聞かせて、ペダルの漕ぎの回数を数えつつ、「あとちょっと、あとちょっと」 と心の中で合唱して耐えた。

 そのせいあって、やっとのことで終点に到着した。今日の目的は、これで達成だ。

 止まって気づいたことだが風が涼しい。観光客の服装も、ほとんどが長袖だ。



 


恐怖の展望台  

   このダムのすごいのは、アーチのてっぺんに、展望台があることだ。 この展望台は、コブのようにアーチのセメントにくっ付いている。

 床は、格子状の鉄でできており、下から風が吹き上げてくる。 一部分は、強化ガラスでできており、下がが丸見えだ。

 高さは200mあるというから、すごいスリルだ。せっかくだからと、展望台に登ってみたが、 足がすくんで、とても変な気持ちになる。アドレナリンがでも、異常に流れ出たのであろうか。



 


ダム湖は、すばらしい景色に溶け込む  

   ダム湖の土手にできている砂利道を少し歩く。なぜか、便意を催す。 ちょっと人混みを避けて、山の中に入って、用をたす。 考えてみれば、2日間、トイレに行っていなかった。

 天気もまあまあで、遠く、氷河を抱いた山々が見える。もう少し、時間があれば、周辺をブラブラしたのであるが、 今日は日曜日、残念ながら、今日中にウィーンまで帰らねばならぬ身だ。



 


下界で、ゆっくりコヒー  

   高原道路は、登りは3時間かかった。下りは、なんと30分だった。距離にすれば、14kmだから、 そんなものであろう。

 ゆっくりと下りのサイクリング道を走る。道沿いに、落ち着いたカフェが一軒あった。時間が時間なのか、 お客も少ない。寄ってみる。2.3ユーロで、しっかりとしたコヒーが出てきた。これはすごい。