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日付: 2015年8月15日
場所: ザルツベルガー・ホッヘトロン山(Sarzberger Hochthron:標高1,853m)
地域: ザルツブルク州(Salzburg) オーストリア(Austria)
訪問地: Grödig(446m), Glanegg brücke(465m-09:30), Sarzberger Hochthron(1,853m-12:30), Glanegg brücke(465m-16:30), Grödig(446m)


 


 超早起きは、体に負担

 午前3時半に目覚め、食事を摂って、午前4時にはアパートを出発した。 若かりし頃は、こんなこと苦にもならなかった。外はまだ暗い。  

 夜明け前の高速道路を走ることは単調だ。ラジオでテンポの速い威勢の良い音楽を鳴らしても 眠気が襲ってくる。事故を起こすよりは、良いだろうとパーキングエリアで休憩を取る。それを 3回程、繰り返す。いやはや、日々、無理が利かなくなっていく体が情けない。  

 登山口には、だいたい駐車場が完備されているのが普通だ。だが、うまく見つからない。 結局、登山口から2kmほど離れたグルディッヒ(Grödig)の町に停める。  

 しかし歩いて探してみると、登山口近くに、しっかりと駐車場があった。  

 

 


道を間違う寸前で気づく  

   登山口は、グラネルグ橋(Glanegg brücke)だ。標高465mと記されている。 ここから、一気に、標高1,853mの頂上まで登る。標高差は約1,400mだ。標識には3時間かかると書かれている。 さあ、登るぞと、独り言を言う。

 登ろうと思い、グラネルグ橋を渡ろうとする。ところが、良く標識を見てみる。橋を渡るルートは、 岩肌を登っていく上級者コースだ。上級者以外は、橋を渡らずに手前で右側の小道を登っていかなければならない。

 道を間違えるところだった。  



 


よく整備された登山道  

   登山道は、非常によく整備されている。旧坂には、木梯子がしっかりと備え付けられている。 かなりしっかりとメンテナンスされている印象だ。  

 登り始めると、汗が、どっぷりと流れ始める。 残念ながら、周りをガスが立ち込めている。景色は楽しめない。  

 何人かの登山者に追い抜かれる。結構、年配の人も、私をさっさと追い抜いていく。 日本では、あまり、追い抜かれることのない私だが。     

 標高が1,000mあたりを越えたところから、登りが険しくなる。登山道沿いにロープが現れる。 ガスが立ち込めているために、下が見えない。結構、恐い道を歩いていることだろう。  

 

 


ロープ−フェイ駅に到着  

 ザルツベルガー・ホッヘトロン山の標高1,776mまでは、ロープ−フェイで登ることができる。 その駅に到着した時刻は、正午を回っていた。都合、3時間弱で登りつめた。

 先に、登山道で私を追い抜いていった夫婦が一組、そのロープ−フェイ駅のテラスで、 涼しい顔をしてうまそうにビールを飲んでいた。

 私は、ここ何日か、血圧のことを考えてビールは止めている。その代わりに、アイスクリームを 食べることにしている。登山道を登りながら、お目当てのアイスクリームを楽しみに登ってきた。

 売店に行く。そこに、MIKA製のアイスボックスを見つける。そのボックスを開ける。お目当てのアイス棒 を探す。見つける。ほんとうに喜ぶ。これが還暦を迎えたおっさんおやることかと思うが、 そんなこと、ぜんぜん気にしない。これを楽しみに3時間の苦行をやってきたのだから。



 


ザルツベルガー・ホッヘトロン山(標高1,853m)に到着

   ロープ―駅からは、距離にして1kmぐらいだろうか。ゆっくり歩いて、頂上に到着する。 時刻は午後1時。残念ながら、霧が立ち込めている。

 ベンチに座って食事を始める。食べながら、頂上に辿りつく人々を観察してみる。どうも 持っている装備からして、ほとんどの人が、ロープフェイで登って来た人のようだ。

 頂上での記念撮影をしているのを見ても、登りつめたという感激はないようだ。

 やっぱり、山は、自分の足で登ってこないと面白くないことがわかる。



 


霧が晴れ始める  

   食事をしてしばらくすると、霧が晴れ始める。石灰岩の白い山肌に、ハイマツがくっ付いているのがわかる。 霧のためか、幻想感が高い。

 



 


雲海に浮かぶ  

     1時間もすると、かなり視界が良くなった。アイスクリームを買ったロープフェイ駅がしっかり見える。

 天気が安定していないためか、普段よりは、お客が少ないようだ。こんな上等のベンチが、自由に座れる 状態とは、まさに、ラッキーだ。雲海に浮かぶ、山。これは結構、人工的な道のコントラストが強いが、綺麗だ。



 


ザルツブルグの町を見下ろす  

   午後2時には、下り始める。下りは、結構、膝に負担がかかる。 膝を痛めないように、ゆっくりと下る。登山道は長い。歩いても、歩いても、終点に辿りつかない。

 登りの時は、ガスのために、景色を楽しめなかった。しかし天候が回復したおかげで、 しっかりと景色を楽しむことができる。なるほど、ザルツブルグの町と言っても、小さな町だ。 空港も見える。

 登りの際に、遠くから、ゴーという音が、時折聞こえていたが、あれは空港から飛び立つ飛行機の 音だった。



 


今日の成果を見上げて  

   午後5時前には、登山口のグランエグに到着した。長い、下りだった。膝が、がくがくする。 登山口近くに沢があり、水が流れていた。石灰岩を浸透してきた綺麗な水だ。その沢まで降りる。 タオルで、汗をぬぐう。これは気持ちが良い。最高だ。

 登山を終えて、今日、登り下ってきたザルツベルガー・ホッヘトロン山を見上げる。あんなところまで、 登ったのだなあと、今日の成果に満足する。