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日付: 2015年8月7日
場所: ホッヘトール峠(hochtor:標高2,504m)
地域: ザルツブルク州(Salzburg) オーストリア(Austria)
訪問地: Ferleiten(1151m), Törlkopf(2455m), Edelweißspitze(2572m), Fuscher Lacke(2262m), Hochtor(2504m), Tauernkopf(2628m), Hochtor(2504m), Ferleiten(1151m)


 


快晴下での2,500m級峠をアッタク

 この数週間、暑い日が続いている。山の天気は、幾分か、安定しているようだ。この時期は、 まさに大物狙いの絶好の季節だ。  

 昨日のうちにウィーンからザルツブルクの方に移動して車中泊。午前8時には、 峠の登口のフェーライトン(Ferleiten)の料金所に着いた。ここは標高が1,151mでホッヘトール峠(Hochtor)が 標高2,504m。標高差、約1,350mの登りだ。  

 車から自転車を出して組み立てる。私のみならず、他の人々も自転車を調整して出発に備えている。  

 

 


これは面白い、自転車専用の入り口  

   グロースグロックナー・アルペンルート(Großglockner Hochalpenstraße) という長い名前のこの有料道路は、自転車で登る人が多いらしい。道路の入り口には、自転車専用の 入り口があり、ボタンを押すと扉が開いて自転車が入ることができる。自転車は無料だ。 ちなみに自動車は32ユーロ(約4000円)払わなければならない。これは高い。

 時刻は午前8時10分。時間は十二分にある。出発だ。  

 



 


生まれて初めてみた並走禁止の標識  

   数パーセントの登り坂が続く。親切なことに、カーブごとに、標高を示す標識が立つ。 驚いたことに、なんと、並走禁止の交通標識まである。おいおいこんなのありか。  

 午前9時前というのに、多くのサイクリストが私を追い越していく。気にせず、マイペースで ゆっくりと登っていく。谷を挟んだ反対側のアルプスの景色がとても見事だ。疲れたら、一休みして 、アルプスの山々を眺める繰り返しだ。  

 

 


やせ細るアルプス氷河  

 雲一つなく晴れ渡っている。恐らく午後には雲が出てくるだろう。 青空に映えるアルプスの山々。頂上近くには、氷河が見える。小さな氷河だが、何とも、美しい景色だ。

 いろは坂のようなクネクネと曲がった道をドンドンと登っていく。息が上がる。汗が流れる。 いつもいつも思うのだが、なぜ、こんな苦労をするのだろうと思う。どうせ登ってともすぐに 降りてしまう。何がよくて、毎週、こんなことしてるのだろう。と思う。



 


3時間の漕ぎで2,455mへ

   息も絶え絶え、死にそうな様相で走る。ときどき、止まって、一呼吸。また走りだす。 標高2,000mを超えると終点近しの峠が見える。あそこまで走れば、この苦しさから解放される。 そう思いつつペダルを漕ぐ。ゴールが見えると止まって休む回数が増える。

 午前11時半。トールコルプ(Törlkopf)の丘に到着する。標高は、2455mまで来た。 残念ながらここは終点の峠ではない。もう数キロいったところが到着地点だ。   

 トールコルプ(Törlkopf)の東側にエーデルワイススピッツ(Edelweißspitze) という山がある。どうもその頂上までは舗装がしてあるようだ。 時間もあるし、せっかくだからと足を伸ばしてみる。標高差で120mならば楽な登りだろうと軽くみる。



 


狭い石畳の道を自動車とバイクと自転車が共存  

   たかが標高差120mと馬鹿にしていた。ところが、標高2500mの高地は、そもそも酸素が少ない。 それに道路は石畳だ。自動車もバイクも走る。立ち漕ぎで、一歩一歩ずつ上がっていくが、 心臓が口から飛び出しそうなほど、息が上がる

 30分弱の時間をかけて頂上に着いた。頂上は、カオスの世界だった。自動車、バイク、自転車、人間が 好き勝手に狭い敷地を動きまわっている。天空に一番近い山の頂上が、なんともパチンコ屋の駐車場化している。 これには、興ざめだ。



 


 200mの標高ダウンの後に再度の登り  

     実は、ここが目的の峠ではない。トールコルプ(Törlkopf)から約200m降下して、それから350mの アップをしないと標高2,504mのホッヘトール峠(Hochtor)に着かない。疲れた脚には、過酷な高度降下だ。

 これから登り坂が再度始まるぞ、という場所に、池がある。水深が1mもな小さな池だ。その池で、 小さな子供が水遊びをしていた。なんともこの高地で水遊びとは、面白いことか。

 時刻は正午を過ぎた。昼食の時間だ。日陰を探す。ところが良い場所がない。まあ、いいやと 日向にて、持参したパンを口に入れる。あまりに簡単な昼飯だ。



 


疲れた足に鞭うって峠に到着  

   トンネルを2つ抜ける。そして、やっとのこと標高2,504mの標識の前に到着する。 ついに到着だ。長い登りだった。陽射しが強い。なんと、温度計が摂氏19度を表示している。



 


しかしこの眺めは何なのだ  

   手に取るようアルプスの山々が眼前に広がる。言葉を失う。