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日付: 2015年8月3日
場所: チメルス峠(Timmelsjoch:標高2509m)
地域: チロル州(Tirol) オーストリア(Austria)
訪問地: Umhaussen, Sölden(1368m), Timmelsjoch(2509m), Sölden(1368m), Haming


 


やっぱり車中泊の方が良い

 このテントは一か月前程に購入した。しかしまだ使っていない。理由は、車中泊の方が快適だからだ。 せっかくだから、一度は使ってみようと思い組み立てる。そして夜を待つ。  

 時刻が午後9時をまわるとあたりは暗くなり始めた。テントに入って、目をつぶってみる。どうも隣の沢の 水音が喧しい。昨日の雨のせいもあるかもしれないが、あまりに騒音が喧しい。  

 結局、テントをたたみ、車の中に移動して寝る。 自動車の中は、防音効果が高い。騒音は、ほとんど聞こえなくなる。 すごいものだ。  

 

 


目指すは標高2,509mの峠  

   出発地点となるソルデン(Sölden)の町の標高が1368mだ。 終点となるチメルス峠(Timmelsjoch)の標高は2509m。高度差は、約1,150mとなる。 丸一日かければ、何とかなる距離だと読む。駐車場に自動車を停めて、自転車で走り始める。

 ソルデン(Sölden)の町は登山客でごった返している。 町には、3000m程度の標高までゴンドラで登ることができる施設がある。すごいものだ。 2,000mほどの高低差を一気に登ってしまうとは驚きだ。

 



 


フロントのギアチェンジが壊れる  

   走ってみて、自転車の調子がおかしいのに気付いた。 なんと、フロントのディレイラーが操作できない。 ローギアに入ったまま、ケーブルが断線してしまっている。 ローギアで止まっていることは、不幸中の幸いだが、修理には日本まで持っていかなければならない。 これは、切実な大問題だ。どうしようかと悩む。  

 まあ、考え方としては、峠登り専用ならば、フロントはローギアだけでOKだ。だから、何とかなりそうだ。 このままずっと使い続けていこうと決める。  

 

 


かなり有名な峠道だ  

   快晴だ。雲一つなく晴れ渡っている。昨日の天気がうそのようだ。今走っている道路は、 オーストリアからイタリアに抜ける。途中の峠が高いせいか、冬季の間は閉鎖されてしまう。

 オートバイや自動車がひっきりなしに追い越していく。 また、時刻が午前10時を回ると、サイクリストにも追い越され始める。すごい交通量だ。

 汗を流し、一歩一歩と登っていく。まだまだ先は長い。



 


なんと途中で中だるみの下り道

   標高2,150mまで登ってきた。ここからは有料道路になる。 ただし自動車やオートバイは、しっかりと料金を徴収しているが、幸いにも自転車は無料だ。

 料金所を越えると、なんと道路は下り坂が始まる。 せっかく、地道な努力で稼いで来た高度を、みすみすと逃がしてしまう感覚だ。 どうだろう、100mの高度は失ってしまっただろうか。

 でも、標高が2,000mを超えるこの地に、こんな直線道路を作ってしまうとは、 人間の?力は大したものだ。   



 


少し走っては休むの繰り返し  

   標高が2,200mを越える。多くのサイクリストが追い抜いていく。 皆、元気が良い。若いからだろうか。

 追い抜いていくサイクリストのフクラハギを眺める。皆、 2000m級の峠に挑戦する立派なフクラハギの持ち主だ。

 私はと言えば、心臓の鼓動があまりに激しくなり漕ぎ続けられない。 距離で100m進んでは休むというその繰り返しだ。



 


峠に到着  

     峠に到着した時刻は、午後12時半だった。都合、4時間近く、峠登りに挑戦していたことになる。  

 峠は不思議な場所だ。誰もかれも、サイクリストは登りの苦痛から解放される。 目の前がぱっと明るくなる感じだ。ちょうど、生まれ変わるように劇的に回りが変化する。



 


例によって峠の茶屋でビール  

   峠の茶屋のビジネスは、夏の間の一本勝負だ。一般的に当然のことだが物価が高い。 ビールが4.1ユーロ(600円)する。標高2,500mの地で、冷えた生ビールが飲めるのであるから 考えてみたらこれはすごいことだ。

 

 


昔の国境跡  

   オーストリアとイタリアは、チロル地方の帰属を巡って戦争までした仲だ。 それがEUになったとたんに、国境のフェンスが必要なくなった。 ただ、いまでも折れ曲がったフェンスが昔を物語るように立っている。

 これはまさに歴史遺産だ。  



 


バイク乗りと自転車乗りの体型の違い  

   峠の茶屋に寄っていく人々を観察してみる。大きく分けて三つかな。 一つは自転車で登ってきたサイクリスト、二つ目はオートバイで登ってきたモーターサイクリスト、 三つ目は、自動車で登ってきた一般の観光客だ。  

 自転車サイクリストとモーターサイクリストの体型が、典型的に異なっている特徴がある。 自転車サイクリストは、皆、かなりスリムだ。一般的に若い。ところが、モーターサイクリスト は例外も稀にあるが、ほとんどがメタボ系だ。これは、面白い傾向だ。