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日付: 2015年8月2日
場所: フリッシュマン小屋(Frischmanhütte:標高2192m)
地域: チロル州(Tirol) オーストリア(Austria)
訪問地: Umhaussen, Niederthai, Umhaussen(1031m), Frischmanhütte(2192m) Umhaussen(1031m)


 


キャンプ場に泊

 今回の遠征では、ホテルではなくてキャンプ場に泊まることにした。理由は、旅費の節約だ。 また、この季節、男一人でホテルに泊まっても良いが、観光地での男一人は、どことなく寂しい。  

 と言うことで、ヨーロッパのキャンプ場に泊まるのは始めてだ。受付で、場所は空いているかと 訪ねる。空いているから、自分の好きな場所番号を調べてこいと言う。50歳を過ぎたオヤジが、どうも支配人らしい。  

 午後7時を過ぎると急に雨が降り出した。その雨は、夜中、ずっと降り続いた。結局、テントは建てずに、 車の中に寝袋を広げて寝た。私の車は、後部座席を倒せば、フルフラットになる。ここに、横になれば、 背を伸ばして眠られる。これはとても便利だ。特に、外が雨や嵐の時は、車中はとても良い。  

 

 


朝食  

   自動車から持参した食べ物を引っ張りだして朝食とする。時刻は午前6時過ぎだ。どうも、このキャンプ場 で一番の早起きらしい。他の人々は、ぐっすりと眠っている様相だ。

 どこに行こうか迷う。雨は、本降りではないが、朝になっても降り続いている。どうしよう。取りあえず、 キャンプ場を出て、天気が回復するのを待って、近の村でも散歩でもするかと決める。



 


二度目の朝食  

   午前7時過ぎにキャンプ場を出発する。村の教会辺りにパン屋さんを見つける。 そうだ、パンを食べながらコヒーでも飲もうと決める。店の中に入る。朝定食があったので注文。 ハム、チーズにパン2つ。それに暖かいコヒー。これは良い。気に入った。全てで6.3ユーロ(約800円)だ。  

 店には、ひっきりなしにお客さんが入ってくる。日曜日の朝、どこの店も開いていない。どうもここだけらしい。  

 

 


霧に包まれて  

   村から数キロ離れたところに、ニーダータイ(Niederthai)という小さな村がある。標高は1500mのところにある。 面白そうなので、時間つぶしに訪問してみることにする。

 村までの登りの道は霧だった。まあ、霧の中というよりも雲のなかだ。ニーダータイ(Niederthai)は、かっては 小さな農村だったようだ。ただ、今は、観光用のホテルやペンションが立ち並ぶリゾート地だった。 夏はハイキング、冬はスキー客で賑わうようだ。枯れ果てそうな寒村をイメージしていたが、あてが外れた。



 


ハイキングを開始

   ニーダータイ(Niederthai)村のホテルの入り口に、観光案内版がある。 それを観ると、この辺り周辺の見どころがわかる。  その観光案内版を観ながら、これからどうしよかなと悩む。時刻は、まだ午前10時を回ったところだ。

 決断した。今日は、自転車に乗るのは諦めて、近くをハイキングすることにする。10q程北にフリッシュマン小屋(Frischmanhütte) がある。そこまでは、歩いて行けるようだ。雨が止み、天気が回復するのを期待して歩き始める。時刻は午前11時15分。 片道4時間というから、往復で8時間だ。今の季節、日没が遅いから、明るいうちに帰ってこられそうだ。

 橋を渡る。昨夜、降り続いた雨のせいだろうか、川水がすごい勢いで流れていく。   



 


 林道を登る  

   道は、すぐに砂利道になった。10%弱の登り道が延々と続く。ちょっと、速足で登る。 何人かのハイキング客を追い抜く。私とおなじように、こんな日でも、歩く人がいるのかと感心する。

 不思議なものだ。いつも思うのだが、 今から行かんとする場所はどんなところかなあと、自分の頭の中であれこれ考える。 これが楽しいのである。期待外れのこともあれば、逆にその逆の場合もある。その場合、得した思うし、 着て良かったと思う。考えてみたら、これ、人間が毎日を送っていることと同じかも。  



 


ラッキーだ、天気が回復  

     お昼を過ぎる頃になると、雨雲の合間青空が見え始める。その面積がしだいに大きくなる。 周りの風景が明るくなるし、雨でしっとりした緑が輝き始める。

 標高1900mまで登る。辺り一面に視界が開ける。陽射しが差し始める。これはすごい風景だと思う。 なんとも、牧歌的だ。遠くから人の声が響く。山肌あたりを探しみる。すると 遠くの残雪の下のところに何か動くものがいる。牛ではない人間が見える。一匹に牧羊犬を 連れた人間だ。





 


痩せたヤギ  

   この辺り、牛やヤギが一心不乱に牧草を食べている。 短い夏の季節に、しっかりと食べて、冬に備えようという魂胆だろう。 よくよくヤギの姿を観察してみると、すごく痩せているのが目につく。 お腹と大腿部とのコントラストが大きく、ギュッと身が締まっているのがわかる。

 牛やヤギは人をまったく恐れない。 私が近づいても悠々たるもので、牧草を一所懸命に脇目を振らずに食べ続ける。 先日訪れたアイスランドもしかりだ。家畜は、放し飼いにしても、人間を恐れないものなのだろうか。  



 


山小屋でビール  

   午後2時過ぎに山小屋に到着した。頑張って登ってきた。結果、1時間程、早く着いた。 山小屋のベランダには個人客2名と家族が1組いた。

 私がベランダに着くと、50歳を過ぎ良く日焼けしたオヤジが、小屋の中からでてきた。 ビールを一杯、頼む。3ユーロ(500円)だという。何だ、下界とほとんど同じではないかと思う。

 標高差1200メートの坂を、一気に登ってきた。周りにカールを下ってきた涼風が吹く。ビールがうまい。  



 


疲れがどっと出る  

   午後3時には、下りのために山小屋を出発する。登りの時から、脚の付け根に少し負担がかなりかかって いることに気づいていた。下りになり疲れがどっと出始めた。晴れ渡った空から降り注ぐ太陽光線も眩しい。 ほんとうに疲れた。今日は、泊まることができるかどうかわからないが、 昨夜と同じキャンプ場に、行ってみることにした。