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日付: 2015年8月1日
場所: キュータイ峠(Kühtai:標高2017m)
地域: チロル州(Tirol) オーストリア(Austria)
訪問地: Wien, Oetz(812m), -Cycling--, Kühtai(2017m), Oetz(812m), Umhaussen


 


3泊4日でチロル地方遠征

 午前4時半に目覚める。老人性早起き症候群のために朝は強い。 昨夜中に準備しておいた朝食をサッサとすませる。午前5時に出発。1号線を西に向かう。  

 天気は快晴。このまま続いて欲しいと願う。目指すは、インスブルック市の西方50km の山岳地帯。距離にして500q超を自動車で走ることになる。  

 

 


雲が空を覆ってしまう  

   正午にオエッツ(Oetz)という村に着いた。村と言っても、今の季節、通りは観光客で溢れている。 村の手前にあったロッククライミング用の駐車場に車を止める。ここから走り始める。時間は12時15分だ。

 オエッツ(Oetz)は、標高812mだ。キュータイ峠は標高2017mだから、標高差が1200m程になる。午後からの 走りで1000m超の登りは辛いかもしれない。初日ゆえに、何とかできそうな予感もする。

 ウィーンを出発する時には、快晴だったのに、何か、雨模様の気配だ。



 


 どんどん登る  

   今回は、短パンを履いてきた。夏は汗をたっぷりとかくことから、何とかせねばいかんなと思いつつ、 いつも長ズボンで走っていた。日焼けが嫌いだからだ。  

 この年齢になって、紫外線を浴びることは良くないらしい。実際、自分の体を観察してみても、 紫外線に当たらない部分は、白くてきれいで張りがある。ところが、腕の先なんか、哀れにも、老人そのものの 肌艶である。  

 

 


 見事な景色  

   オーストリアを東から西にチロル地方まで移動すると景観が変わることに気付く。 まさに、アルプスだ。  ちょっとやそっとのハイキングでは登れないような崖が目につく。

 何となく、人間が大自然の前で遠慮しているような気がする。ただし、平地は、徹底的に 人間の手が入っている感じだ。



 


目の前をのんびりと歩く牛

   標高1500mあたりに、スキー場がある。もちろん今の季節は閉鎖中だ。そのスキー場を つっきり道路上に数頭の肉牛が、ゆっくりと歩いている。道上は、どっぽりと牛糞がちている。 これだと、民家の玄関前まで牛が侵入して、衛生上もよくないと思うが、どんなものだろうか。   



 


急傾斜が始まる  

   標高1500mから1900mは、傾斜14度の登り坂が続く。さすがに、この坂には参る。100m漕いでは、 休む。そしてまた走りだすの繰り返しだ。

 峠登りは、結局は、坂登りだ。坂登は覚悟の上でのサイクリングだ。 つべこべ言わずに、5メートル先を睨んで、ペダルを漕げ。と自分に諭す。



 


美しい湖は人造湖だった  

     峠に近付いた気配だ。登り傾斜も緩やかになる。湖畔が目の前に現れる。 遠くに見えるのは、なんと水力発電所ではないか。 よくよく今まで登ってきた道路を考えてみると、最後の登りはロック式ダムの土手登りだった。  

 湖畔に建てられた看板には、なんと目の前にあるダム湖の上流にも人造の池が造ってあるという。 もう少し、大自然の残る高原地帯と思ったが、若干、落胆だ。 



 


最後の登り  

   走りを続ける。 辺りはスキー場リゾート地の気配が段々と高まる。まず、道沿いの看板が増える。 ホテルの建物が見え始める。道路横を歩く人の数が増える。

 目の前に最後の登り坂が現れる。目分量で標高差30m、距離にして300mぐらい。 一気に、立ち漕ぎで最後の力を振り絞る。対向車線を、年寄夫婦が歩いている。目が合う。 登り坂が辛い。すぐに、たまらず自転車から降りる。すると、 先ほどすれ違った夫婦が振りむいてジェスチャーを送ってくる。「もっと漕げ」 ありがとう。でも、これ以上は、還暦過ぎた心臓が爆発してしまう。  



 


峠に到着  

   午後3時40分に、標高2,017mの峠に着いた。ここが峠ですよという看板はなかった。 まさにスキーリゾート地だ。夏にその賑わいの気配はない。  

 峠の近くに、なぜか教会が立っている。その登り階段に腰かけて座る。遅い、昼食だ。 バックから真空ポットを出す。何と、熱湯を入れて12時間も経過しているのに、まだ、お湯が暖かい。 そのお湯で、インスタントコヒーを飲む。パンとリンゴ一つ、そしてコヒー。ちょっとばかし 走り終えた体が冷えだしたが、これが美味しい。  



 


寒さで指の感覚がなくなる  

   下りは、かなり体が冷えそうな予感がする。 夏の真っ盛りなのに、防寒用に上下の雨着を着る。ちょっとやり過ぎな感じ。

 下りは、車輪が小径なことを考慮して、あまりスピードを出さないようにする。 当然、ブレーキレバーを引きっぱなしだ。

 量ての指の感覚がなくなっていく。なぜだろう。 寒さのせいか、あまりに強く握りしめているせいか。いずれにしても、 両手が同じようにしびれることから、大きな問題はないようだ。

 午後5時過ぎに下界に着いた。相変わらずの暑さだ。 時折、小さな雨粒が落ちてくる。