home

日付: 2015年7月18日
場所: ジルビッツコーゲル山(Zirbitzkogel:2396m)
地域: ケルンテン州(Kärnten) オーストリア(Austria)
訪問地: -Trekking-, St Wolfgang(1277m), Judenburgi, Zirbitzkogel(2396m), Wenzelalpe(2151m), Judenburgi, St Wolfgang(1277m)


 


駐車場で野宿

 駐車場には、午後6時頃には数台が駐車していた。暗くなった、 午後10時には、誰もいなくなった。だだっ広い、駐車場で夜を明かすのは私一人だけになった。 これは心寂しい。  

 先日のアイスランド遠征では、至る所に、野宿する人々がいた。オーストリアも、もっといるのかなと 思っていたが、そうでは無いようだ。やはり、湖が近くにあるキャンプ場までいかないと野宿客はいないようだ。    

 

 


夜中の嵐  

   午後11時過ぎに、西方の空に稲光が走り始めた。稲光が走るたびに、一瞬であるが、周りが明るくなる。 自動車の外に出て、しばらく眺めていたが、そのうちに飽いた。  

 自動車の後部座席を倒す。するとフラットなスペースができる。 ちょうど私の身長文分のスペースが確保できる広さだ。うまくできている。 腰を、しっかり伸ばすことができれば、安眠できる。寝袋に収まれば、寒さもしのげる。

 自動車の中でウトウトしていると、どうも先ほどの稲光と雷音が近づいてくることに気付いた。 しだいに風が強くなる。雹混じりの雨が強くなる。

 こんな天候には、自動車はピッタリだ。ちょっとぐらいの悪天候でもビクともしない。風で、自動車が ぐらりと揺れるが、車内は、そとの様相がウソのように穏やかだ。

 すぐに、雷雨は収まった。それとともに、眠気が増し、眠りに落ちた。



 


 最寄りの村  

   本日、目指すのは、シータラアルペン(Seetaler Alpen)の最高峰である標高2396mのジルビッツコーゲル山(Zirbitzkogel)だ。 地図で見る限り、いろいろなアクセスがあるようだが、一番近い村である聖ウォルフガング(St Wolfgang(1277m)村に車を 停めて、そこから歩くのが一番かと思った。(実際は、もっと山近くまで、車で行けたようだ。)  

 村の教会の駐車場に自動車を停める。時刻は午前8時だ。ハイキング道を歩き始める。   

 

 


倒木が道を塞ぐ  

   しばらく歩くと、倒木が目の前の道に、どっかりと横になっていた。 木肌が新鮮なことから、昨夜の嵐の際に倒れたのだろう。この倒木を見て、 随分、激しい嵐だったことを実感する。しかし、この倒木は随分と邪魔だ。



 


何んと、山半分は軍隊の訓練場

   シータラアルペン(Seetaler Alpen)の北部は、軍の訓練場との看板が立っていた。なんでも、訓練中は、 当然のことながら、入山できないようだ。  

 山裾には、立派な訓練者用の宿泊施設などが並んでいる。よくよく見てみると、どうもこれより、先まで 舗装道路が続いていて、多くのハイキング客は、その先まで行くようだ。 歩いていると、多くの自動車に追い抜かれた。どうも1時間近く歩いてきて、この有様には、ちょっと残念だ。 アクセスポイントを間違えたようだ。  



 


夢のような景色  

   標高1,800mに小屋がある。その小屋の手前すぐまで、自動車でのアクセスができるようだ。素晴らしい景色は、 その小屋を過ぎたあたりから始まる。なんともすごい景色だ。

 午前9時の太陽光線の角度が、ちょうど良いようで、 緑にむせ返る風景だ。写真を何枚も撮る。このまま、時間が止まってしまうような、景色だ。  



 


尾根道に出る  

   険しい岩場を登りきる。そして尾根に出る。風景が、ガラッと変わる。まさに、ここは鞍部のようだ。

 不思議に思うのだが、ここらあたりで見かける登山客は、皆、登山靴は、しっかり履いているものの、 服装があまいりにカジュアルだ。短パン、半そで、それに帽子をかぶらない。 日光対策が、ほとんどなされていない。強い紫外線を浴びて、大丈夫かなと心配してしまう。



 


 犬連れの登山者  

   日本でも、ときどき犬を連れた登山客を見かける。だが、こちらは半端ではない。 一頭どころか、複数頭の犬を引き連れた登山客にすれ違う。文化の違いと言えば、 その通りだが、犬が2,000m級の山登りをして、連れられてくる犬も大変だ。



 


人だかり  

   ちょうど正午に山頂に到着した。登り始めて4時間でたどり着いた。 すごい人の数だ。皆、どこから登ってくるのだろう。一応、井出達は、しっかりしているので、 それなりの距離を歩いてきたと思うのだが。

 山頂には、自動車で登ってくることもできるようだ。もちろん入山制限はしていると思うが。また、 数台の自転車も山頂に駐輪していることから、自転車でもアクセスできるようだ。

 面白いことに、世界中の山で言えることだが、山頂では、皆が明るい。苦労して登ってきてやっと たどり着いたのだろうから、気持ちも軽やかになるのだろう。しかし、あまりのうるさいことは閉口だ。

 山頂の良さは360度の展望だ。遠く昨日歩いた山々が見える。 それに数か月前に、今いる山頂を見上げた街を、今は見下ろすことができる。



 


山頂でのビールは何とも言えぬうまさ  

   もちろん冷えてはいない。温まったビールだ。気圧のせいだろうか、酔いがまわるのが速い。 500mlで頭がクラっとする。壮大なアルプス方面に向かって、1人、次はどこに登ろうかと考えている。



 


岩場を登りつめる  

   帰り道、今朝来た道を、そのまま帰るのはちょっとと思う、少し、周り道をしていく。まだ、下山予定の時間よりも 早い。シータラアルペン(Seetaler Alpen)の最北側にブェンツェルアルぺ山(Wenzelalpe:2151m)がある。少し、 遠回りになるが、そちらを縦走して行くことにする。

 主要道を外れたせいか、また、少し岩登り道が険しいためもあるだろうか、人通りも少ない。岩場を安全を確かめながら登りきる。

 ここからの頂上の眺めも良い。特に、北側に広がる軍演習地の眺めが最高だ。山のレリーフが強調された草原地帯だ。 残念ながら、雲が多く出始めたために、雲影の黒と草原の緑のコントラスとが強すぎて良い写真が撮れないのが残念だ。