長い夕暮れ

　６月の欧州は日暮が遅い。冬の長い夜のお返しと思えばそれまでだ。午後６時過ぎ、まだまだ強烈な太陽が照り付ける。

　自転車を担ぎ出して、ライヒス橋（Reichsbrücke）からドナウ島を南に下る。ドナウ島はドナウ川に浮かぶ人工の島だ。20年〜30年前にできた島で、南部を除き、植林した木々は、まだまだ若い。

　ドナウ島の川岸は、日光浴を楽しむ人で賑わう。さすがに川水の温度は低いようだ。泳ぐ人の数は限られている。それもほとんどが若者だ。 　

　

変なオッサンが闊歩する島 　

　 　ギアを思いっきりハイに入れる。脚に負担をかけながら25分間で12kmを走り切る。ドナウ島の南端に到着する。

　多くのサイクリストが休息する。腹の出っ張ったオッサンも上半身裸になり、川面を渡ってくる川風に休む。

　ドナウ島の南部は、ちょっと変わっている。ここまでくるのに、何人もの素っ裸のオッサンを観た。堂々と道路沿いを歩いている。豪快だ。

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