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日付: 2015年5月30日
場所: OMV自転車道_1(OMV Radtour_1,ウィーンの北東25q)
地域:  オーストリア(Austria) 下オーストリア州(Niederösterreich) 
訪問地: Bockefließ, Auersthal, Raggendorf, Matzen, Reyersdorf, Bockefließ


 


先週の続き

 5月最後の週末だ。思うにヨーロッパは、今頃の季節が一番美しい。活気が感じられる。街からちょっと郊外に出れば、緑でむせ返っている。人々の活動も、自然のリズムに合わせて、どことなく元気がある。

 今日の走りは、先週の続きだ。ウィーンの北東25kmにあるボッケフリー(Bockefließ)村の東側を走る予定。幸い、天気はまあまあだ。駅前に車を停めて、そこからスタートだ。  

 

 


油田地帯を走る  

   オーストリアは面白い国だ。OMVという石油会社がある。この石油会社が、ウィーンの東北に広がるマッチェン(Matzen)ガス・油田地帯を中心に、全長40kmほどのサイクリングロードを設定している。

 基本的には、いろいろな場所に散在しているリグや精製施設を巡る自転車道で、場所場所に、原油の汲み上げから精製までの行程を説明するパネルが設置されている。それを見てまわるだけでも面白い。



 


すごい勢いで成長するブドウの木  

   時折、雲間から太陽が顔を出す。すると、目の前の景色が一変する。日に映えるワインの葉がまぶしい。恐らく、すごい勢いで、成長しているのだろう。

 ブドウ畑の畝間に植えられたポピーの赤い花ビラが、とても鮮やかだ。自然に生えるのだろうか、それとも、わざと植えるのだろうか。  

 

 


なんとも、だだっ広い道路だ  

   オイヤーシュタール(Auersthal)の村に着く。道路の幅が、異常に広いことに驚く。こんなに広い道路は、人馬の時代には、必要なかったのではないかと思うほどだ。どことなく人工的に作られた村のようだ。

 この週末、村の酒場がワインの蔵出しをするようだ。夕方3時から、店が開くよとの案内が村中に張り出されている。当の酒場の前には、朝から、夕方の開店に備えてテーブルが準備されている。そのテーブルに一人の婦人が座って、午前10時から、一杯、やっていた。ちょっと早すぎるのではないかな、おばさん。



 


名を知らない黄色の花

   何の花だろう。菜の花は、もうとっくに落花してしまっている。背丈も、菜の花より、気持ち低い。そして、幹も細い。しかしこの視界前に広がる黄色の絨毯を見るにつけ、初夏を感じるとともに、ため息がでる。この世のものとは思えない美しさだ。



 


一人だけの世界  

   どこに行っても、鳥の鳴き声がすごい。ひばりらしき鳥が、空中に舞い上がる。そして鳴き続ける。その鳴き声だけに神経を集中すると、うるさいほどだ。

 登り下りは適度だ。サイクリングを楽しむには、絶好の道だ。めったに人とは出会わない。一人だけの世界だ。こんなすごいサイクリング道路があるのに、皆、なぜ走らないのだろう。不思議に思う。



 


非日常の世界  

   道の分かれ道に2本の木が立つ。その下に、ベンチが一つ置かれている。時間は正午を回った。昼食する場所を探していた。ちょうど良い場所に見つけた。ラッキーである。ブドウパンとクッキー、そしてシャケのペースト缶詰が、今日の昼食だ。

 近くを線路が走っている。そこを列車が通り過ぎる。ポアーという警笛を鳴らして通り過ぎていく。一両だけのディーゼル列車だ。列車が通り過ぎると静けさが戻る。そして、鳥の鳴き声だけが、まわりに響く。



 


早上がり、楽ちん走り  

   時刻は、午後2時を過ぎた。ガス・原油生産の中心の街、マッチェンに着く。今日の走りは、ここらへんでやめておくことにする。超らくちんな走りだ。

 土曜の午後、道行く人の数もめっきり少ない。