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日付: 2015年5月1日
場所: ボヘミアの森 (Haidemühle:標高831m ) ドイツ(Deutsch) バイエルン地方(Wayelischerwald)
訪問地: Rohrbach(Austria), Aigen im Mühlekreis(Austria), Schwarzberg(Austria), Haidemühle(Deutsch)


 


午前5時に出発するも、外は雨

  今回の旅、目的地はドイツだ。 オーストリア、チェコ、ドイツの3ヶ国の国境地帯に広がるボヘミア地方に向かう。  

 ウィーンを早朝5時に出発した。曇り空だ。高速道路をひたすら西に向かう。 200qほど走るとリンツ(Linz)に着く。ここまでは、ドナウ川沿いの自転車道を走って来たことがある。 ほんの2カ月程度の前の話だが懐かしい。  

 午前7を過ぎだ。雨が降り出す。結構、本降りだ。Rohrbach(Austria)の手前10qの小さな村で 一休みする。車の中はやることがない。夏目漱石の草枕の朗読を聞く。もう何度、聞いたことだろう。 お腹が空く。持ってきたコヒーを飲み、ついでにブドウパンを食べる。雨は止まない。  

 

 


綺麗な景色なのに残念  

   ボヘミア地方は高原だ。何でもボヘミアはオーストリアで呼ばれている地方名だ。 ドイツではバイエルン地方、チェコではスマバ地方と呼ぶらしい。知らなかった。

 古い造山帯の一部で、激しく風化されており、なだらかな山々が広がる。3国とも この地方を国立公園に指定している。

 雨は時々止む。ただし、かなり強く降ることもある。ちょっと自転車で走る元気はない。 車を停めながら、景色を眺める。典型的な田園地帯だ。こんな素晴らしい場所を、自転車で 走れないことを残念に思う。

 

 


国境を越えて  

   オーストリアの村々で、少しづつ道草をした。時刻は午前12時を過ぎた。待望の国境越えだ。 オーストリアもドイツも明確な国境表示はない。ただし、道路上の舗装が変わるので 一目で国境線がわかる。おまけに雨のせいで、国境線が際立って見える。  

   しばらくオーストリアから離れる。周りは、標高700m程度の高原だ。まだまだ冬の様相が濃い。 木々の緑が少ない。桜が花をつけている。  

 

 


   バイエルンの森を散歩  

   雨は降り続く。このままホテルに入ってしまうのは、どことなく寂しい。少し、森の中を歩いてみることにする。 ドイツ側のこの地方が特別なのだろうか。森の中のハイキング道がしっかりと整備されている印象だ。 道しるべが明確に統一性を持って書かれている。また道路も良く整備されていると思う。さすがにドイツだ。

ハイデミューレ(Haidemühle)はドイツの村だ。ここから1q北に行くとチェコとの国境に着く。 時刻は午後3時半を過ぎた。

 ホテルにチェックインする。驚いたことに、この時間でホテルの駐車場に7〜8台の 車が駐車している。カウンターにはおばさんがいた。ドイツ語しかしゃべらない。お前の部屋は217号室だと 教えてくれた。鍵は封筒に入っていた。えらくさっぱりしているホテルだ。



 


  やることがない。酒を飲む。  

   ホテルは、結構、広い。調理器具がそろったアパート形式のホテルだ。ここに2泊は、ちょっと もったいない感じがする。テレビをつける。チェンネルをいろいろと変えてみる。 この時間、つまらない番組ばかりだ。ウィーンから持ってきたビールとワインを飲み始める。

 ヨーロッパの街は休日と祭日は、どこの店も閉まってしまう。これはとても不便だ。 したがって、それを見越して物を買わなければならない。特に、お酒は注意しないと、困る。 今回は、しっかりと食べ物を準備してきた。



 


夕方の散歩  

   一向に、天気は良くならない。小雨が降り続く。ビールもワインも、あっと言う間に飲んでしまった。 やることがない。暇だ。寝入るのはまだ早い。

 どうも今日は運動不足気味だ。雨の中を散歩に出かける。ハイデミューレ(Haidemühle)の村を 散策してみることにする。

 村の西にちょっとした高台がある。そこに小さな教会があった。入れるかなと思って 建物の扉をひいた。鍵はかかっていなかった。何と、蝋燭が灯っている。 誰かが近くにいるようだ。

 教会の中で、しばらく目をつぶっていると、一人のおじさんが中に入ってきた。相手はびっくりする。 私もこんな山奥でとビックリする。挨拶をそうそうに済ませて、さよならを言って教会の建物を出た。 



 


  このまま進むとどこに行くのだろう  

   夕方の黄昏時だ。シトシトと雨は降り続く。この道を、ずっと歩いていくと どこに着くのだろう。先がそろそろ見えだした私の人生のようだ。