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日付: 2015年4月18日
場所: ライトハビルゲ丘陵 (Leithabirge) オーストリア(Austria) ブルゲンランド州(Burgenland)
訪問地: Seibersdorf, Au a. Leihaberge, Stotzing, Eisenstadt, Großnöflein, Müllendorf, Hornstein, Leithaprodersdorf, Deutch Brodersdorf


 


 ウィーンの南方

   40km程、ウィーンから南下した所に丘陵がある。ウィーン市内の高台に登るとこの丘陵が見える。 この丘陵はライトハビルゲと呼ばれ、そのの向こうはブルゲンランド州だ。ノイジード湖という大きな湖が広がる。  この週末は、このライトハビルゲの丘陵をブラブラすることにした。  

 車をサイバースドルフ(Seibersdorf)という小さな村の教会横に止める。 昔の地主のお城だろか、村のど真ん中に立派な建物がドンと構えている。  

 サイバースドルフ(Seibersdorf)のこのお城は16世紀に建てられた。 所有者が転々と変わり、第二次大戦後には荒れ果てた。 戦後はホテル業者が手を加え、今は企業家の所有しているという。  門前に2体の像が立っている。その朽ち用が、とても芸術的だ。  

 

 


視界が、どっと広がる  

   サイバースドルフ(Seibersdorf)の村を抜ける。ライタ(Leitha)川を渡る。 そして田園風景の中に入る。  ライトハビルゲの丘陵のとっつきに達するまでは平原だ。道が伸びる。 土曜日、買い物なのか、時折、すごいスピードで車が通過する。  

 道添に、指標のタワーが立つ。18世紀のものだ。この指標を何人の人が観たのだろう。



 


丘越えを開始  

   ストツゥイング(Stotzing)の村に入る。この村は、もうブルゲンランド州だ。ここから、道は 森の中に入り約200mの高度差を登る。

   のんびりした農家が並ぶ。ほほに当たる風が冷たい。先週の暖かさあウソのような寒さだ。



 


  新緑の峠道  

   道脇には、芽吹いたばかりの新緑が目につく。春が来た。 ここ1〜2週間の暖かさが、木々を揺さぶり起こしたように、一斉に活動を始めた感がある。

 高低差200m程度の丘は苦にならない。自転車のギアを思いっきりのローギアにして コツコツと登る。途中、道添の木々の緑を楽しむことができる。この程度の急坂は、私の体力にあっている。



 


   落ち着いた街  

   アイゼンシュタット(Eisenstadt)の街に着く。昼前だ。ブルゲンランドの州都だ。街域を示す看板に,エイゼンシュタット(Eisenstadt)の姉妹都市名が列挙されていた。 その中の一つが、香川県の「さぬき」市の名前があった。しかも、平仮名で書かれている。

 このオーストリアの、しかも人口1万3千人程度の街と香川県の「さぬき」市と何の謂れで関係しているのだろう。 私の知識では、とても共通性が見いだせない。

 驚いたことに、市内を歩いていると日本語で書かれた石碑を見つけた。 そこには香川県志度町の松岡義高氏という方の名前が書かれたいる。何でも、1998年に城壁回収費用を 寄付した。それにより功労十字勲章を受章したという。これが姉妹都市を結ぶ理由かな。



 


  空模様が怪しい  

   アイゼンシュタットの街を抜ける。西に向かう。ライトハビルゲ丘陵の西縁を時計回りに廻る。 時間は正午を過ぎた。時折、空から冷たい雨粒が落ちて来るようになった。

 空を見上げる。雲間のところどころに青空が見える。しかし、全体としたは重い灰色の雲が空を包む。 ところどころ箒で掃いたような黒い筋が見える。雨でも降っているのだろう。



 


寒風の中の桜  

   自転車道は、ブドウ畑の中を延々と伸びる。オーストリアという国は、ほんとうにすごいと思う。 なぜに、こうまでして自転車を優遇するのだろう。どこに行っても、自転車専用道ばかりだ。

 紅のような花をつけた桜が満開だ。まさに一斉に咲き始めた。  



 


ついに見つけた菜の花畑  

   フランスでは、今の季節に田舎を走ると、至る所に菜の花畑を見つける。 ここ4カ月程、オーストリアを走っている。ところが、それらしき畑がない。  冬の間、菜の花畑を見たとしても、花を付けていないから、見落としていたのかも知れない。

 まだ、ちょっと満開前なのだろう。黄色が緑に負けてしまっている。 満開までに、2週間〜3週間はかかるかな。



 


雨に打たれて雨宿り  

   今の季節、自転車での走りは不思議だ。晴れた時には、新緑の中を夢のような心地で走ることができる。 ところが、雲が太陽を多い、雨でも降り始めると雰囲気は一転する。顔に冷たい雨粒が当たる。寒さが増す。 それに、ぶつかる雨粒で顔面が痛い。上着はゴアテックスの雨着だから、気にならない。しかし、下の ズボンは普通のトレパンだ。これが濡れる。

 バス停の待合所を見つける。大したもので、屋根までついている。そこに一休みして、雨が止むのを待つ。 立派なバス停で、なんでも、ビデオで撮っているぞとの警告文まである。雨は、10分とたたずに、止んだ。



 


遠くウィーンの街並を眺める。  

   この村はドイツ語でホルンスタイン(Hornstein:硬石)と呼ぶ。面白い名前の村だ。村の東側に ちょっとした丘がある。その丘かから、ウィーン方向を眺める。いつも眺めている風景を逆から 見ることになる。

 なるほど、いろいろな発見をする。バーデン(Baden)あたりに小さな山々が複雑に聳える。 その左側には、山肌を晒した、高めの山々が並ぶ。いずれは、あの、山々の中を走る。 こんな壮大な景色を見るたびに、この国にいる幸せを思う。