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日付: 2015年4月11日
場所: リンドコーゲル( Hoher Lindkogel @ baden : 標高834m) オーストリア(Austria) 下オーストリア州(Nieder Östrreich) 
訪問地: Baden, Helenentar, Cholerakappelle, Schwechatbach, Mayerling, Maria Raisenmarkt, Hoher Lindkogel(834m), Baden


 


快晴、バーデンの空の下

   バーデン(Baden)は、ウィーンの南方20kmに位置している。ちょうどアルプスの山々が、広大なウィーン盆地と接するところだ。 ここに、大きな断層があるそうで、その断層に沿って、温泉が出るとのことだ。バーデン(Baden)は、街の名称の如く、温泉で有名である。  

 要は、熱海のようなものだ。ところが街の雰囲気に熱海のような俗っぽさがない。 一つには、日本の観光業が自転車操業していて、一人でも多くの客を呼び込まないと倒産してしまう。 そういう強迫感が、バーデン(Baden)にはない。そんな気がする。  

 バーデンから西に向かって走る。この街道は、自転車道もしっかりしている。一部、未舗装ではある。 しかし、都会の喧騒から、1時間弱で、こんな自転車道を走ることができる環境には、脱帽だ。  

 

 


 石灰岩の崖に張り付く松林  

   ウィーンの西からバーデンにかけての山には、松がよく生えている。細い、真っ直ぐに伸びた幹を持つ。  バーデン(Baden)から走り始めて10kmも走らないうちに、鬱蒼とした山の中を走るようになる。崖が道 に迫り、その急峻な崖に、松がへばりついて生えている。なんとも、山水画を思わせる風景だ。

 

 


道に迷って声をかけられる  

   自転車道のところどころに立看板が立っており、そこにその地方の歴史が書かれている。それを読むのが 楽しい。バーデンから西に向かう自転車道には、なんと、短文ながら英語の説明文もある。なんと親切 なことか。

 シュベシャット(Schwechatbach)村あたりは、農家が多くみられる。一軒の農家の前で、例の看板が立っていた。 その看板によれば、この辺りは、かってセメント生産を行っていたとのことだ。困難で不健康な職場だったと書いてある。 なるほど、まわりに石灰岩の山々が多く見えるなあと思っていた。それを利用した産業も、かってはあったようだ。

 

 


   標高834mの頂上を目指してダート道へ  

   ホッハー・リンドコーゲル( Hoher Lindkogel)は、マウンテンバイクで登ることができる。 ハイカーとほぼ同じ道を登る。GiantのMR4では、タイヤが細すぎて、ダート道は辛い。  

 ということで、全コース、押上で登ることにする。かなりの勾配だが、なんとかなりそうな雰囲気だ。



 


   老人ばかりの登山者  

   思うにこのオーストリアでも、山の中で出会うのは高齢者ばかりだ。日本ばかりと思っていたが、 この国でもそうだ。どうだろう、平均年齢は、70才位ではなかろうか。そんな人たちが、ゆっくりと パイペースでの登っている。

 ちょうどお昼に、頂上に?着いた。なんと頂上の小屋の前には、マウンテンバイクが山のように停車している。  みんな一緒に登ってきたのだろうか。小屋の中は、食事する人々でいっぱいだ。

 思うに、この国では、弁当持ちで登山する人々は少ないようだ。日帰り可能な低山だからかな。 皆が、頂上のレストランでの食事を期待して登ってくるようだ。でも、季節になったら、人で溢れてしま う。そんなときは、だまって、昼飯抜きかな。



 


  喧騒な頂上は、早々に退散  

   あまりの人の多さに閉口だ。早々に、シナバルテ(SINA-WARTE)と書かれた標識のある砦に登る。そしてすぐに降りた。なぜか、 ハエあすごく多いのである。暖かいから、どこからか湧いてくるのだろう。トイレが近くにあるのかな。

 自転車をひきづっての下りは、結構、気を使う。自転車だけが、先に転がり落ちて行ってしまう。 それを制御する腕が疲れる。筋力が偏らないように、時々、支持する腕を変えるが、やはり右利きなのだろう どうしても右ばかりになってしまう。

 林業が盛んなようだ。ところどころ、木々を切り倒した場所がある。そこからは、絶好の景色が楽しめる。 遠く、ウィーンの街を見下ろすことができる。



 


緑多い森の中に一人  

   ドイツ語はほとんど話せない。話せたらよいのになあとつくづく思っている。 この年齢にも関わらず、勉強している。  山で歩いていると、見た目、一目で外国人とわかる私に、道を聞いてくる。 今回も、「頂上まで、あと何分くらいか?」と聞かれたように思う。 30分と知っている数字を口にする。相手もそれを理解する。  つくづく、言葉が通じれは、もっともっと、このオーストリアが 身近なものになるのになあと思うのである。

   木々の枝には、まだ葉はない。葉をつけるまでの短い時間に 徹底的に成長して子孫を残そうという戦略なのだろうか。 森は、緑の絨毯で引き詰められている。これは、目を見張るほどきれいだ。 こんな風景に出合うと、山歩きは止められない。