４月なのに雪

　ウィーンから南に向かう道路から見えた景色は雪景色だった。それも新雪だ。もう４月というのに雪が降る。これには驚いた。 　

　パーキングスペースに駐車する。トイレ休憩だ。トイレに行く頻度が多い。これには困ったものだ。医者から薬をもらった。 こちらにきて、飲むのを止めた。医者曰く、手術しないと根本的に治らないよとの話だ。あせる話でなない。 　

　

　街の真ん中から走り始め 　

　 　街に自動車を停める。オーストリアは良いところだ。小さな村には簡単に車が停められる。 当然、お金などはとらない。今日は、ここから中世のお城を目指す。 時間は、午前10時半だ。

　

道を間違えるが満足 　

　 　 　この道は、残念ながら、車がひっきりなしに通る。乗用車だけでなく、時折、大型のトラックも追い越していく。 ある意味、とても危険な道だ。 どうもこの道は、隣の国であるスロベニアに向かう車が通り道のようだ。

　恥ずかしい話だ。目的地を間違えていた。行きたいところは中世のお城のリーガースブルグ城（Riegersburg）だ。ところが、一向に自転車を漕ぐも、それが視界に入ってこない。 よくよく地図を見直すと、場所がまったく違うところを目指して進んでいた。何とも、情けない。ただ、地図上では、「風景が綺麗な道路」として記されて道を走っていたわけだから、まんざら、無駄でもなかった。 現に、多くの美しい風景に出会えた。

　

　 　春、本番なり 　

　 　黄色い花をつけた植物が目につく。残念ながら名前を知らない。日本でもよくみかける花だ。空の青さと黄色の花、これが見事にマッチする。 　

　忙しく農作業をする人々 　

　 　春の訪れなのだろう。農家の人たちが忙しく働く。トラクターで荷台を牽く。その荷台から薬のようなものをばらまく。 また、牛舎小屋から持ち出した堆肥を牧草地にばらまく。 とても忙しい。

　

　突然、視界にリーガースブルグ城 　

　 　坂を登りきるとお城が目の前に現れる。山の上に座る中世のお城だ。周りに何もないことから、その存在が際立つ。 昔の人達は、この風景を観て、何を考えたのだろう。 　

　高台に登って、ゆっくりと景色を鑑賞 　

　 　天気は良い。風はない。観光日和だ。お城は、中に入るよりも外から眺めるものと私は思う。 お城の西側に、ちょっとした高台があり、その高台からは、お城を眺める絶好の場所と推測する。 　

　自転車を押す。一所懸命に押す。坂を登るために押す。しばらくしたらすぐに、降りてくるのに、 なぜか押す。これって、まさに人生だ。 　

　ホテル着 　

　 　午後５時には、ホテルに到着した。場所は、グラーツ（Graz）から、１５ｋｍ程、南々西に 位置するラナック（Lannach）という村だ。

　結構、脚が疲れた。 早速、道沿いのスーパーで調達したビールを飲み始める。 御つまみは、体に良いというクルミだ。調子に乗って、 ワインも１本、開けてしまった。こりゃ、飲み過ぎだ。 旅先とは言え、ちょっとはセーブしないといけないなと思う。

　

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