home

日付: 2015年3月22日
場所: バッハウ渓谷‐2 ( Wachau Valley 2 ) オーストリア(Austria) 下オーストリア州(Niederösterreich) 
訪問地: Melk, Goßam, Aggsbach Markt, Groisbach, Willendorf a.d. Donau, Spitz, Weißkirchen i.d. Wechau, Dürnstein, Krems


 


雨降り

 昨日はあんなに晴れていたのに、今日は雨だ。朝方、屋根をたたく雨音を聞いた。案の定、天気用法とおりの雨だ。  

   ホテルの食事は午前7時半からと言う。目覚めの早い私には、これはあまりに遅すぎる時間だ。午前5時に目が覚める。 雨音どおり、空はどんより曇り、時折、雨粒が落ちている。午前6半には、ホテルを飛び出して朝の散歩に出た。ホテルから 歩いて5分のところに世界遺産となっている修道院がある。この時間でも門は開いていた。一人、中に入る。掃除が行き届いた 綺麗な中庭のある建物だ。残念ながら、冬季中は、建物の中はガイドともにでないと入れないという。時間は、午前11時からという。 これはあまりに遅い。  

 

 


大きな声で「おはよう」と言ってみる。  

   雨は小粒ながら、少しづつ空から落ちてくる。ただ、雨着を着るほどではない。 路面は濡れているものの、タイヤが水を跳ねるほどでもない。 長く走っていれば、こんなこともある。  

 自転車道上で犬を散歩させている女性がいた。年齢は30歳くらいだろうか。 追い抜く際に、その女性は元気よく「おはよう」と言った。 私もつられて、元気よく返答した。現地の人たちの言葉が、 もう少し離すことができれば、さぞ、楽しい旅になるだろうと考えた。 少し、ドイツ語の勉強でもしようか。  

 

 


この古い家の感じが良い  

     一般論だが、オーストリアは、しっかりとペンキが塗られている家が多い。 見ためで、新しい家なのか古い家なのかは、あまりはっきりしない。 古そうな家だと思っても、新しい言えながら、ただ単にメンテナンスが悪いだけだったりする。 逆もある。  

 ところが、この家は良い。どことなく戦前の雰囲気が漂ってくる。こういう家を見ると 限りなく多く写真を撮ってしまう。それを、どう使うかはかんがえていないが。  

 

 


  アグスタイン(Aggstein)の荒城と教会  

   いいマッチングだ。教会の後ろに荒城が山の上に建つ。残念ながら、 霞みがかかってしまい、うまく見えない。  

 思うにこの風景をいったい何人の人が眺めただろう。ここに住んでいる人も、 そして旅人も、何十年、何百年もこの風景は変わらなかっただろう。  

 私の人生も、あと20年、多くみて30年だろう。私がいなくなったこの 世界でも、ずっとこの風景は、ここにある続けるだろう。  人生の儚さを感じる。  



 


道路上の無人お酒売り場  

   面白いものを見つけた。道路上に、「各種果実酒を売ります」の メモとともに、実物の瓶に入ったお酒を陳列していた。

 これは面白いと思った。これならば、盗難対策として偽酒を置いておいても問題 ないだろう。しかし、果実酒とはこんなにあるものなのだろうか。 糖を含む果物が腐れば、それなりのアルコールになるだろうから、 考え方としてはわかる。昔から、人間は、なぜこんなにお酒が好きなのだろうか。

 

 


美しいブドウ畑  

   バッハウ渓谷の右岸は、日当たりのせいか、果実が多く植えてある。 ところが、左岸は、南ダレの丘が多いためか、果実畑ももちろん あるが、何よりもワイン畑が多い。思うに、ワインの方が金になるのかな。 あるいは機械化がしやすいのかな。

 果実は、どんなに頑張っても、人間が一つ一つもぎ取らねばならないのだろう。 ところが、ブドウは、畑を観れば一目で理解できるが、 かなり機械が進んでいるようだ。

 テスティングで、入ってみたい酒蔵もあるが、あいにく、冬季は 季節外れでどこも休みだ。ホイリゲも休みのところが多い。それに 自転車では、そんなにたくさん飲めないし、



 

 


 寂しい渡し船  

   クレムス(Krems)とメルク(Melk)との間にバッハウ渓谷がある。その 長さは延長30kmを超えるという。その間に橋はない。世界遺産ゆえに それはそれでしょうがないのだろう。    

 バッハウ渓谷の真ん中辺りに、スピッツ(Spitz)という街がある。 ここから対岸まで渡し船が走る。距離にして100m程だ。まあフェリー を使わなければ30qを走らなければならないことを思えば、これは良い 考えだ、  

 冬の渡し船は、寂しい。お客を載せずに、流れに逆らって流れていく。 この光景はいつまで見られるものだろうか。  



 


 趣ある石橋  

   昔、フランスに住んでいた時に、日本がフランスの自転車文化レベルに 達するには、1000年は必要と考えた。ところが、オーストリアに来てみて 感じた。この国のそれに達するには、1万年くらいかかるのでなないだろうか。 それだけ、オーストリアの自転車文化は高い。なぜにこれまでに 自転車という乗り物を優遇するのだろうか。これが不思議でたまらない。

 自転車道を進むと、急に趣ある石橋に出くわした。地震が少ない国 だからこんなことができるのだろう。羨ましい限りだ。橋を通してみる 古びた教会は、これは絵になる。  

 

 


 荒城を目指す。  

   デリュンスタイン(dürnstein)の街に聳える荒城を目指す。 案内によれば20分から30分で登り切れるという。子供も多く登っている。  

 自転車を街に置いて、登り始める。途中、地質やら歴史やらの説明看板 が多く道沿いに並んでいる。英語の説明文もある。読みながら、ゆっくりと登る。  



 


 転落しても貴方の責任  

   荒城ゆえか、転落防止の柵はない。皆が、寝転がって、下を覗く。 日本のように変な管理者責任を追及する人もいないのだろう。 自分の命は自分で守る。欧州では、これが当たり前なのだろう。  

 しかし、これはちょっと危ないきもするなあ。一年間に、いったい何人の人が落下するのだろう。  



 


 帰りは輪行だ。  

   メルク(Melk)には、午後3時半に着いた。本日の走行距離は約40qだ。 やはり、ゆっくりと楽しみながらサイクリングするには、50qぐらいが 限度のような気がする。  メルク(Melk)とウィーン(Wien)間は、特急で1時間だ。自転車持ち込み料金が 2ユーロ(250円)かかる。切符は全部で17ユーロ(2500円)だった。 これで2日間の遠征サイクリングは終わりだ。