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日付: 2015年3月1日
場所: ウィーンの森 (Wiernerwald: Hainbuch) オーストリア(Austria) 下オーストリア州(Niederösterreich) 
訪問地: Nussdorf, Grinzing, Cobenz, Dreimarkstein, Scheiblingstein, Hainbuch, Königstetten, St. Andra, (route 14) Klosterneuberg, Nussberg, Wien


 


日曜日の朝の静寂

 ヌスドルフ(Nussdorf)の街はとても静か。 いったい、住民はどこに行ってしまったのか。 車一台通らない。まさに、これはゴーストタウンではないか。  欧州の街は、日曜の午前中はとても静かだ。不思議なくらい人を見かけない。 みんな寝ているのか、それともどこかに行ってしまったのだろうか。  

 今日は、天気も良さそうだ。ウィーンの森を抜けて、ドナウ川近くの 街まで行ってみよう。  

   

 


コベンツェルの丘で休憩  

   石畳の道を、そしてかなりの急傾斜を登ってきた。 久しぶりの根性のある登りに足が悲鳴を上げた。 ただし、救いはウィーンの森の標高があまりないために、 高度差が、せいぜい100m〜200mであることだ。すぐに終わりは来る。 と自分に言い聞かせて、我慢して登りきる。

 丘の上は、3月の陽射しが燦々としている。老夫婦が、ベンチに座って 日向ぼっこをしている。少し、早いが、ここで休憩し、コヒーを飲むことと した。

 

 


深い森  

     背丈の高い木々が鬱蒼とした森を走る。自動車は時々通るが、あまり気にならない。 静寂が森の奥まで広がっている感じだ。時折、小鳥のさえずりが聞こえる。 遠くから小川を流れる水音も伝わってくる。これは最高だ。

 

 


  ニワトリの放し飼い  

   面白い話を聞いた。オーストリアでは、ニワトリのブロイラー飼育は 動物虐待という観点から禁止されているという。  生産業者が、どのような方法で飼育しているかは知らないが、基本は 放し飼いという。そのせいか、スーパーで売られる卵が高い。

 道沿いにニワトリが数匹、放し飼いにされていた。オスも混ざっているから 卵用ではないと思う。おそらく肉用だろう。  こうして、外でしっかりと運動している鶏肉なら、さぞかしおいしいことだろう。  



 


切り倒した大木を背に昼食  

   つくづく思うが、ウィーンは小さな街だ。人口、170万人というが、 体感的には、もっと少ない感じだ。  例えば、都心から10qも離れれば、もう、完全な田舎だ。  市民は、日帰りでどっぷりと田舎の雰囲気を楽しむことができる。 これぞ、ウィーンが、屈指の世界の中で住みよい街と言われるゆえんだろう。

 昼食は、適当なベンチがなかったので、切り倒した大木を背に、 胡坐をかく。もってきたニシンの缶詰でパンを食べる。どこからか、 田舎の香水の香りが漂ってくる。

 

 


落ち着いた街  

   クニニングステッテン(Königstetten)の村に入る。 恐らく農家がほとんどのようだ。庭用の植木の生産もやっているようだ。  教会前で、足の細い痩せた女の子がスケートボードで遊んでいた。 中学生くらいだろうか。オジサンになったせいか、このくらいの子は、とても綺麗に見える。  



 


 廃校となった小学校  

   道沿いに廃校となった小学校が見えた。正門の真ん前には、第一次・二次大戦の 忠魂碑が建てられている。子供の数が減少したか、あるいは人口自体が減少してしまったのか 寂しい風景だ。 

 校舎の高いところに、1914という数字が見える。第一次世界大戦の 始の始まりの年で、今から101年前に建てられたようだ。この学校を、いったい何人の 人が巣立ち、それぞれの人生を送ったのだろうか。

 私は、当然のことながら、また生まれてもいない。 その頃から、独自の歴史を、しっかりときざんでいたのだという思いに更けた  



 


 雨がパラパラと降り出す  

   クラスターノイブルグの街に来た。2日前に通過した街だ。 地図は、正確だ。地図を辿れば、どこへの行ける。とても便利な 道具だ。

 雨が降り出した。いつの間にか、空は雲に覆われた。

 

 


 雨の街を散歩  

   2日前は、あまり気づかなかった。このクラスターノイブルグ の街は、面白い街だ。街の至る所に、歴史的な建物や通りが並ぶ。 日曜日なのに、街を散策する人がいるのも、そのせいだろうか。

 街には、大きな修道院がある。その他にも、いろいろあるらしい。街角に この街の特徴を記した看板が至る所に立っている。それを自転車を押しながら 観て歩いた。雨が降っているのも忘れて、この街の歴史に浸った。