home

日付:2014年12月21日
場所: オーストリア  ウォルファーズ山公園( Austria, Wien, wolfersberg:322m ) 

訪問地: Hutteldorf, Wolfersberg(322m), Deutschordens Waldの丘, Hutteldorf, Am-Steinhof, Ottakring, Thailiasstrasse, Karsplatz


ウィーン市内の1号線は運休中

風が強い。そして寒い。幸い天気はマアマアだ。 ドナウ川のさざ波に白波が立つ。逆行で、光溢れる大河が寒々しい。

 意気込んで地下鉄のプラットフォームに自転車を持ち込んだ。初めての経験だ。  ところが、何かの理由で1号線は運休中とのことだ。プラットホームに人影はない。  ほんの10分も経たないうちに、電車がやってきた。これには驚いた。まったくの 放送がない。


ヒュテドルフ地下鉄1号線終点の駅前  

   変なことを考えた
 終着駅の皆さんは、何かの用があって、ここにいるのだろう。  この時間、この場所で、ここにいる。当たり前の風景だろう。私という 人間がこの時間、この場所にいなくてもこの風景はこのままだろう。どこか 不思議だ。私からみたらすでにプログラムされた時空ではないか。

 走り始める。組み立てに時間がかからないということは便利だ。昨日、登ってみたかった 小さな小山を目指す。先ほど、雨でも降ったのか道路の表面が濡れている。  

   

看板の如く小さな高台の公園  

     1929年に創設された公園という。昔は軍事施設だったのだろうか。そんな面影だ。 この公園の回りは、住宅開発され家々が並ぶ。その家々を縫って登坂に四苦八苦する。

 朝の走りだしだ。まだ太もものパワーはフル状態だ。都合、100m程度の登りを一気に 登りきる。すぐに頂上についた。標高は322mという。

 

冬のウィーンの森を一望  

   頂上の標高が一番高いところは、サッカー場になっていた。 そのまわりは、子供の遊具がずらりと並んでいる。まさに子供用の遊園地だ。  

 南斜面は、日当たりが良い。ところどころの見晴が良いところにはベンチが置かれている。 眺めを堪能できる。冬、草木が葉っぱを落としたウィーンの森が眼前に広がる。  ここを歩いたり、自転車ではしったら、さぞかし気持ちが良いだろう。    


先ほど訪れたウフファーズ山公園を眼下に  

   次は、ヒュウテドルフの南の丘を目指す。電波塔が立っているのが街から見えるから そこまでは行くことが可能だろう。  

 家々の間の登り道を頑張って登る。結構な急傾斜の坂道だ。 途中の眺めの良いところで一服する。風が強く寒いが、眺めが段々と良くなっていく。  先ほど、登ったウフファーズ山公園が下に見える。標高は400m近くまで上がっているのかな。  


これは絶景だ。まさにウィーンを一望にするベンチ  

   ベンチが並ぶ。その一つからは街が眼前に広がる。これはすごい。  

 昨日、通過した道。また、街を歩いていて出会う建物のほとんどが眼前に広がる。 まとまりのない街だが、高台から眺める街はどこの街もとても美しい。なぜだろう。  


ヒュテドルフ北の高台を目指して細道を  

     この細道には、名前がある。「ハインリッヒ・ミューラーの小道」という。 なんでも看板によれば1918年生まれ2005年没の政治家らしい。その政治家が晩年 暮らした街なのだろうか。  

 ウィーンの街には、日本では絶滅してしまったこのような小道が多い。人間一人が 通れるゆったりとした細道。そこを自転車を押して歩く自分は、何か、時間を超えて生きて いるような気がする。  


風音がゴウゴウ唸る森の中  

   昼食のために森の中に入る。自動車から、たったの50mほど入っただけで 鬱蒼とした森だ。切り株の上に手袋を引いて腰を下ろす。  

 不思議だ。こうして自転車で旅をすると、昔のいろいろな風景や街並みが 頭の中で思い出される。日本にいた2年間は、まったくの空白で「無」だったように フランスを走った日々が、記憶に蘇る。自分の脳は、どうも日本にいた記憶 を一所懸命に消そうとしている気がしてしょうがない。  


高度が下がるとともに普通の景色に  

   東に向いて進む。街並みに降りていく感じだ。しだいに見下ろす感覚はなくなる。時折、 雲が太陽を隠す。とたんに周りの景色は一変する。寂しい冬の景色の中に入る。  

 煙突が一本見える。結構、高い煙突だ。この煙突はウィーンの西の端を表す良い目印だ。 その麓を通る。しだいしだいにウィーンの街の立体感が頭に入っていく。  


通り道で見つけたワイン蔵  

   ブドウの収穫期はすでに済んだ。斜面に立った家は、一杯飲み屋を閉じている。 季節ともなれば、この辺りは、所謂、ホイリゲ酒場だろうか。南斜面、いい場所だ。  


幼稚園を兼ねたプラネタリウム  

   歴史を感じさせる建物だ。何かなと思う。よくよく見ると入り口の右側は幼稚園の案内だ。 左側にはプラネタリウムのお知らせだ。  

 どうもプラネタリウムが幼稚園を兼ねているようだ。ずいぶんと歴史的建造物を うまく使った幼稚園だ。プラネタリウムは、今年の催し物について紹介している。