home

日付:2014年12月8日
場所: オーストリア、ウィーン市内、(Wien・Grainzing)グラインジング   

訪問地: Wien, grainzing, Schreiberbach rever, Mr. Johann Sirbu, Nusdorf, Wien


始まりはドナウ川から

 さあ、走り始めだ。これから、ずっと続く長い旅の始まりだ。 実は、ずっと夢心地だ。もうヨーロッパを走ることは二度とないと思った。2年前が最後と思った。ところが、 ここでこうして自転車に乗って走っている。日本の土地ではない。ここは広い欧州だ。  

 人生、明日がどうなるかわからない。人生は浮き沈みだ、まだら模様などと表現される。まさにそれを実感する。 「来年の話をすると鬼が笑う」とはよく言ったものだ。来年のことなどわからない。 明日の命があるかさえも、計算できない。。時は、止まることなく過ぎる。人は死に、新しい命が芽生える。  


 まずは、犬の糞踏みの洗礼を受ける  

   しばらく欧州を走っていないので、この感覚を忘れていた。道を歩く時と、自転車で歩く時は、要注意だ。 それをすっかり忘れていた。右足先、自転車のペダル、そしてなぜかズボンの右裾に犬の糞がついた。

 折からの雨で、糞はベトベトに濡れている。これはやっかいだ。しだいに、臭いだす。持ち合わせのティッシュは ない。これは困った。街に落ちている紙で、何とか糞を取り去るがきれいに取れない。ほんとうにこれは「糞たれ」だ。

   

 あらら、車上狙いで警察出動  

     上り道を、ゆっくりと漕いでいたら、日本語の看板を見つけた。なんでも、東京の世田谷との姉妹公園とかいてある。 なるほどねえ。こんなところにねえ。

 そんな看板を見ていたら、横にパトカーが止まった。どこかの人が、車上狙いでやられたようだ。車の右のガラスが こなごなになっている。まあ運が悪いと言えば、悪いのだろうが、かわいそうなものだ。

 

 最初のぶどう畑を訪問  

   地図で確かめながら、街並みを進んでいく。すろと突然、ぶどう畑が現れた。 フランスの田舎ならよく見る風景だが、この街の中にあるとはねえ。    

   ウィーンの街から北方に見える山々がブドウ畑とは知っていたが、ここで栽培できるのだなあ。それも南ダレのみ ならず北ダレの斜面にもぶどう畑が広がる。    


 なぜかロシアのプーチンさんの名前が  

   どうも張り出されていた看板情報によると、一株毎に、パトロンがいるらしい。 なんと誰の名前かと思ったら、ロシアの大統領のプーチンさんではないか。  


日が雲間から刺す、途端に風景が変わる  

   ずっと雨続きだった。ところが今朝、起きたら雨は止み、星が見えていた。 よし、自転車に乗ろうと決断した。  時折、雲間から太陽が見える。雨に濡れたブドウ畑が光る。美しい風景だ。  こんな風景が見られるとは、もしかしたら、俺は、どこかで事故に遭い、天国を旅しているのかもしれない。  


 ウィーン市内を見下ろす場所  

     坂を上りきると、頂上近くになったようだ。平坦で走りやすい道になった。 ウィーン市街から見上げることができるということは、山の上からは見下ろすこともできる。   

 しかしウィーン市内は、なんとまとまりがないのだろう。変なタワーがそびえ立ったり、巨大な建物 が無造作に並んでいたりと、これは東京並だ。  


ひとっけがないワイナリー  

   12月。ぶどう畑にも作業場にも誰もいない。まあ、祭日だからそんなものだろうか。  閑散期に繁忙期を思うと、「国破れて山河在り」を感じる。この世に永遠はないようだ。 栄えれば、必ず廃れる。人の一生もそんなものだろう。  


 犬に吠えられながらも写真を撮る  

   ヌスドルフへの下り道で、ちょっとしたブドウ畑を見つける。そこからは、ウィーン市内を見下ろす良い場所で ある予感がした。  

 ところが、北側をフェンスで囲い、その向こうに大型のブルドックが現れた。敷地内に放し飼いにしてあるようだ。  その犬が、怖い声で唸るのである。これは怖いと感じて、一目さんに逃げた。どうも今日は、犬の糞といい、犬の 吠え声といい。良くない日だ。  


 ヌスドルフの街並み  

   壁はペンキを何度も塗り直してあるようだが、とても古そうな街並みだ。 道幅も狭く、車は方々通行だ。これはいい街並みだ。  


 ヌスドルフの汽車駅  

   今どこにいるかわからず、取りあえず、地形的に低いドナウ川方面を目指す。 するとヌスドルフ駅の前に出た。大きな立派な駅だ。古そうでもある。 ウィーン市内から数キロの距離だ。でも、すごい田舎の雰囲気が漂う。  


 ドナウ運河の始まり  

   ここからウィーンの中心街を流れるドナウ運河が始まる。微妙な水量を調整しているのが、このダムだ。 名前はわからない。しかし思うに、ドナウ川は、ずいぶん人工的にいろいろと改変してあるようだ。これでは 洪水も、まあ起こらないだろう。