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日付:2012年8月15日
場所: ケッド海岸の砂丘 (フランス:ソム県)   

訪問地: Abbeville Canal d'Abbeville à Saint-Vallery-sur-Somme, Saint-Vallery-sur-Somme, Baie de Somme, Quend Plage, Abbeville

   

旅は道連

 電車はパリを8時半に出発した。若いカップルのサイクリストと一緒だった。 自転車を電車の中に置く際に、2人にどこで降りるかと聞いた。すると 「わからない」との返事。この2人、行く先もわからずにサイクリングに行くのであろうか。

 電車の中で、この二人は常にイチャイチャしたいた。ところで、そんなにベタベタしていて 直ぐに飽いちゃうぞと言いたくなる気分。ああ、おじさんになったなあ。

 

アブビルの駅舎は立派  

   パリから北に特急電車で2時間。アブビル(Abbeville)に到着した。 駅舎は20世紀の始めに建てられた由緒ある建物の雰囲気だ。非常に感じが良い。

 

なんと、今の時代に人力駆動

 アブビルの街からからソム川に沿い河口に向かって走り始める。 すると今のご時世に人力の橋上機を2人の若い男が操作していた。 ちょうどプレジャーボートが運河を渡るらしくエッコラソと一所懸命に 道路の方向を変えてボートが通れるようにしていた。 しかし、ボートが通る毎に、こんなことしているのだろうか。ずいぶん人件費のかかる橋上機だ。


一直線の運河沿いの自転車道

 アブビルの街とサンバレリの街を結ぶ運河は、この部分だけで10km以上あるだろうか。 それも直線だ。この長い直線道を自転車で走るわけであるが、風景も変わらず、これは飽きる。

 小雨が降り出した。木の下で雨宿りをする。雨が止むと走りだす。すると例の黄色の自転車に 乗ったイチャイチャのカップルが「ハーイ」と言って追い越していった。元気なカップルだ。しかし、 さすがのフランス人カップルだ。女の自転車には荷物は何もない。ところが男の自転車は、 何やらかんやら一杯荷物が積まれている。後ろから見ると、男が女の横で懸命にペダルを まわしている姿は、どことなく滑稽だ。


SLが走る街

 サンバレリーの街は港町だ。ここはローマ時代から栄えていたという。 今の季節、バカンス客でごった返している。

 ソム川の河口を巡っての観光列車としてSLがあることをここに来て知った。子供達を一杯 乗せた列車が川を渡っていく。かなりこの光景が珍しいらしく、多くの人がカメラを手に 写真を撮っていた。


   真っ平らな田園風景

 ソム川の河口だ。これがとても広い。放牧された牛の一匹が「モー」と鳴いた。 昨夜、自転車に油を挿したせいか、タイヤがよく回る。普段、あまり使わない トップギヤで、ドンドン走る。


昼食は、インスタント・ラーメン

 昼食は、メインが中国製のインスタント・ラーメンだ。それにビールとカンズメのつまみ。 自転車道を走るが、なぜか休憩用のベンチが見つからないので、綺麗そうな土の上で 食事となった。冷えていないビールだが、これが結構、うまいのだ。


河口は自然公園

 ソム川の河口は、自然公園で保護地域だ。キャンプや貝拾などをしてはいけないエリアらしい。

 せっかくここまで来たので、リップルマークの残る河口の砂の上を、自転車で走ってみる。 ごつごつして結構、走りが難しい。幸いなことに、太陽が雲に隠れ、涼しいことだ。 そしてここはなぜか磯の臭いがする。


海岸は人影まばら

 カンカン照りでないせいか、或いは地方の名もないビーチのためか、海岸の人影は疎らだ。 長閑な夏の海岸風景だ。


 砂丘は思ったほどではない

 実は、今回、楽しみにしていたのは、この地域の海岸砂丘を見たかったからだ。 そのためにここまで来たと言っても過言ではない。

 残念ながら、思ったような海岸砂丘は見られなかった。海岸の看板を見る限り、 先人が松を植林し、砂跳び防止で砂丘を変えてきたとのことだった。これはしょうがない。


雨の中を走る

 午後になった。空模様が怪しくなった。黒い雲が西の空に現れ、そのうちに全天を覆う。 雨粒が落ちだした。結構、強い雨脚だ。木陰に雨宿りをしつつも、雨の中を走る。 雨具を持ってきていないので、ずぶ濡れだ。辛い走りになった。


またイチャイチャ・カップルと同じ

 午後7時過ぎに、アブビルの街に帰ってきた。雨は止み、空は晴れ渡り、駅舎の中に 西日が射す。

 駅の待合室で午後8時過ぎのパリ行き電車を待つ。すると朝の電車で同じだった黄色の 自転車に乗ったカップルが駅舎に入ってきた。まあ、今日は、頻繁に出会うものだ。