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日付:2012年7月21日
場所: プティ・サン・ベルマール峠:標高2,188m(フランス:Haute-Savoie)   

訪問地: Sées, La rosière, Col du Petit Saint-Bermard, Sées

   

本日の走行予定は25kmで、高低差1,150m

 今日は、ブルグ・サン・モールスの北東、フランスとイタリアとの国境となっている峠を攻める。 峠の名前は、プティ・サンベルマール峠(標高2,188m)だ。2日連続での2千メートル級の峠に 挑戦である。  ホテルの朝食をしっかり食べる。午前9時に出発。ホテルがは標高1,000mに位置する。 したがって、高度差で1,150mをやっつける。

 

10km走る。天候は好転せず。  

   22×32のギアで、我慢比べだ。足に負担が極力かからないように、超ローギアのゆっくり 漕ぎで登っていく。時速にすれば5kmくらいだろうか。

 2時間かけて標高1,500mを越す。天気がよくない。これより上は雲の中を走る運命になりそう。 風も少しでてきた。天気予報では午後になれば、天気は回復するとのことだ。我慢、我慢での 走り。

 

標高1,900mを越える。平坦地形が拡がる

 標高1,850mに、ラジエール(La rosière)というスキーリゾート地がある。 そこを抜ける道路は北東に一直線にイタリア方面に向かう。道路傾斜も3%程になる。 走りやすくなる。

 ちょうど、大木の植生限界を超える高度だ。ここからは、低層の草々が拡がる平原地となる。


峠に近づく

 標高が2,000mを越える。全面に人工の建物が目に入る。あれが頂上だなと確信する。それにしても 一種異様な建物だ。4〜5階建で、どうも宗教的な施設らしい。雲が晴れない。もう正午を越えているのにだ。


標高2188mのプティ・サン・ベルマール峠

午後1時半に峠に到着。4時間30分の格闘を終える。 峠に到着した途端に、晴れ間が見え始めた。


   一杯の冷えたビール

 午後1時半。食べ物を制限していた。とにかく峠に行けば峠の茶屋があり、そこで 冷えたビールと何か食べ物が食べられると信じた。

 峠の茶屋のレストランは誰もいなかった。恐る恐る「何か食べられないだろうか」と 店の女将らしい人に訪ねる。「もちろん。席に座ってください。」と親切な対応だった。 まずは冷えたビールとそしてハム入りオムレツを注文する。オムレツはうまい、そして なによりビールが最高だ。こんな高所で、ビールが飲めるなんて、こりゃ、最高だ。


あたり一面が晴れだす。遠くモンブランの頂も現れる。

 ほろ酔い加減で、店の外に出る。青空が見え始める。そして、遠くモンブランも見え始める。 夏の太陽光線と高所ゆえの紫外線の強さだろうか。辺り一面が高コントラスト状態だ。とても眩しい。


ここは天国

 酔いさましのために峠周辺を散策する。イタリア側の湖を見下ろす見晴台に到着する。 峠を征服した気持ちとそれで出会えた素晴らしい景色に感激だ。このまま死んでしまっても良いと 思う瞬間だ。


フランスとイタリアの国境線

 イタリアとフランスの国境がどんなものか興味深々だった。その線を見つけた。 どこでもそうだが、舗装が国境のところでピタリと変わるのである。

 手前がフランス、向こう側がイタリアだ。かっては戦争した間柄なのに、 今は、国境の柵を取り払って仲良くやっている。どことなく不思議な感覚だ。


ダート道に入る。高度2,000mの草原を思いっきり走ってみる。

 せっかく、この高さまで登ってきたことを思うと、そうは簡単に下界に降りたくなくなる。 草原に道跡があったので、少し、草原の中を走ってみることにする。風も気持ちが良い。 なんとも爽快なことだ。


サン・ベルマールとは犬の品種の名前

 帰り道、ら・ロジエール(La rosière)で犬の銅像を見つける。その説明文を読む。 なんと峠の名前のサン・ベルマールは犬の品種の名前だった。 どうりでお土産屋さんに犬のぬいぐるみが多い理由がわかった。 なるほどねえ。


体調は回復、足は元気

 体調は心配するほどでなかった。2日連続で、こんな苦しい峠に挑戦できる体力と脚力 は、まだまだ健全だった。

 昼間の走りの興奮で、夜はワイン1本を独りで平らげてしまった。ちょっと飲み過ぎかも。 明日も天気は良さそうだ。