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日付:2012年7月20日
場所: ローズランド峠:標高1968m(フランス:Haute-Savoie)   

訪問地: Bourg-St-Maurice, Cormet de Roseland, Refuge de Nova, Sées

   

 寝台列車でアルプスサイクリングに挑戦

 電車はパリを22:24に出発した。翌日の午前7時45分に終着駅のブルグ・サン・モーリス駅に到着だ。  実は、体調が今一つだ。先週はグルノーブル遠征を計画していた。しかし、微熱が続いていたので、 旅行はキャンセルした。今回も迷った。夏の炎天下、熱でも出たらどうしようかと心配だ。

 2等の寝台車は6人で満室だった。寝たような、眠られないような不思議な時間を寝台車 の中で過ごした。

 

殺風景な駅前  

   寝台特急が停まるくらいだから、もっと大きな駅を考えていた。ところが、ずいぶん殺風景な 駅にに驚く。ここはスキー客相手の冬が稼ぎ時らしい。

 駅前のカフェに入る。愛想の良いウェイトレスのオネイサンに、コヒーとパンを頼む。ずいぶん 愛嬌のあるオネイサンだ。フランスでは珍しい。

 

1か月の入院を終えた自転車

 ブレーキが故障し、1か月も修理屋に入院したいた自転車だ。 日本なら2〜3日で修理できるだろうが、フランスではそうはうまくいかない。

 ブレーキシュー、後輪のスプローケット、チェーン、ワイヤーなど総取り替えだ。たったの 1年ちょっとしか使わないのに、こんなにも消耗してしまうものなのだろうか。


総延長19km、標高差1,100mの峠、準備万端だ

 病み上がりで辛いかもしれない。ブルグ・サン・モーリスの街から北に延びる林道を登り始める。 総延長19km、標高差1,100mで、標高1968mのロズランド峠(Cormet de Roselend)に挑戦だ。

 病み上がりを考えて、準備は万端だ。水は1.5リットル、ビールは500cc、サンドイッチは2つ、 予備食としてビスケットもある。これは結構、重いぞ。


太陽が高くなるにつれ、緑が鮮やかに

 登り始めの標高800mから、標高1,300mまでは森の中の道をひたすら走る。 時折、緑の木々の間に、豪快なアルプスの崖が現れ始める。


   展望が開ける。見事な夏のアルプス風景

標高1,400mを越えると、登り坂の傾斜が緩くなる。そして、これぞとばかりのアルプスの風景 が眼前に広がる。夏の日差し、真っ盛りだ。この景色を前にして、来てよかったと実感した。


遠く氷河を抱いた山々

 山々に雪が残る。よくよく見てみると氷河になっている。道沿いで景色の 良いところは、道幅が広くなっており、氷河の説明文もある。

 標高1,600mを越えるとアゴがあがり始める。病み上がり、荷物が多い、練習不足の 3大苦が肩にかかってくる。ランニングで坂道を登っていく若い御兄さんが挨拶していく。 なんと、ランナーに追い抜かれてしまう「おじさんサイクリスト」になってしまった。


   昔ながらの牛乳缶

 道端に、空の牛乳缶を発見。今の世の中になっても、こういう方法で牛乳を出荷していることに 驚きだ。


午後1時、峠に到着

 残り1kmは、ほとんど手押し状態だった。久しぶりの2,000m級の峠に熱戦を演じた。

 峠で写真を撮ろうとしていると、隣の土産物屋のおじさんが駆け寄ってきた。 何でも写真を撮ってやるよとのことだった。「お願いします」とカメラを渡す。するとオジサンの片腕は 拳がなかった。「大丈夫ですか」と聞く。「問題ないよ」との返事。オジサンは、拳の無い腕を 平らにしてそこにカメラを置き、右手でシャッターを押してくれた。親切おじさんだ。頭が下がる。 土産を少し買おうと思ったが、「鉱物屋」では、ちょっとなあと思う。


峠の絶景を眺めながら昼食

 このために持ってきたビールを飲み干す。温かくなっているが、それなりに美味しい。 そして駅前で買ったサンドイッチ。フランスのサンドイッチには驚く。 なんと言っても手抜きしていない。見えないところにもしっかり具が入っている。 鶏肉にトマトとやらいろいろと具だらけだ。


昼食後はまわりを散歩

 このまま下界に降りてしまうのはもったいない。それに時間も十分にある。 標高2000mの山々の続いている登山道を散策してみることにした。夏の花々が一面に咲いている。 よくよく見てみると、もう枯れ始めている花々もある。夏もそろそろ終盤かな。


体調は汗を流して復調

 体調をとにかく心配した。しかし、汗を流して良い方向に向かっているのを実感した。 何と言っても2,000m級の峠を登ったことで自信が付いた。

 ホテルには午後6時過ぎに着いた。落ち着いたしっかりしたホテルだ。よかった。