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日付:2012年4月29日
場所:    天気が好転、ビトレイ・ル・フランソワ (Vitry-le-François)   

訪問地: Vitry-le-François, Couvrot, Saint-Amand-sur-Fion, Ferme des Quatres chemins, Saint-Jean-sur-Moivre, Saint-Memmie, Châlons-en-Champagne

   

雨雲が空を覆う

 眼覚めは午前6時だった。空は雲が厚い。残念な天気だ。

 ホテルの朝食は午前8時からと言う。その頃から空から雨粒が落ちだした。
 午前8時に、朝食のためにホテルのレストランへ。私より先に女性ハイカー2人がもう食事をしていた。 その二人は、朝食をすぐに済ませ、ポンチョを着てホテルをすぐに出ていった。 せっかちなフランス人ハイカーだ。

 

雨の中を出発  

     朝食を済ませる。ホテルに帰って、テレビを観ながら雨が止むのを待つ。待つも止まない。 雲は南から北に向って勢いよく流れる。南の空は黒い雲が立ち込めている。どうしようもない天気だ。

 午前9時半。ホテルをチェックアウトする際に、ホテルのオヤジと少し話をする。
「先ほどテレビで観た天気予報では、午後、太陽が顔を出すと言っていたけど、どうなんだろう。」
「天気予報は、よくハズレるからな」
 つれない返事だ。世の中を悲観的に観る男だ。俺はお客なんだから、もっと明るいことを言え。と思う。

ホテルを出る際に「元気でな。(Bon courage!)」と見送ってくれた。この言葉、どこかのホテルでも聞いたなあと 考える。

 ビトレイの街の中心街を眺めつつ、雨が止むのを待つ。しばらく待っても降り続くようであれば、 電車でパリまで直行しようとまで考える。

   

     南の空に青空が

 午前10時過ぎ、雨が小降りになった。それとともに、なんと、昨日は観ることができなかった。青空が 南の空に拡がりだした。  


     青空が拡がり、暗雲が立ち去る

 午前11時、空の半分に青空が拡がり、残りが黒雲が拡がる不思議な天気になった。
 ブドウ畑、そして菜の花畑、雨降りのおかげで、生物が生き生きとしだした。不思議なことに、 遠くの森からカエルの合唱も響きだした。


     シャンペン用のブドウの芽

   2週間前には、芽を出していなかったブドウの木が芽を吹きだした。子供の手のひら大の葉を付け始めている。 これからグングンと大きくなることだろう。遠く、菜の花畑の中を犬を連れて散歩している人が見える。 この人も雨が止むのを待っていたのだろうか。


     風も爽やか、最高だ。

高台に登る。黒雲を吹き飛ばした風が強い。寒くはなく、ちょうど良い暖かさだ。これは最高だ。 2週間前は、雨不足のために畑の緑が冴えなかったが、今は見違えるように息づいている。まさに春である。  


     この景色に脱帽だ

   この景色の中を自転車で走ることができる幸せをつくづくと実感する。雨が空気中のチリを落としてくれた せいか遠方までくっきりと見える。これはなんとも言えない、まさに「申し訳ない気持ちの良さである」  


     12世紀の教会

 正午、サンアモンド(Saint-Amond)の村に到着。古い教会で有名な村という。
 教会の扉は開けっ放しだ。これはすごい。誰でも中に入ることができる。  中に入る。静かな、落ち着いた教会である。ステンドグランスが光を浴びてとても美しい。  


    教会前で昼食

   最近、やたらに空腹を感じる。教会前の木の下にベンチを見つける。そこを陣取って、昼食だ。 街で買ってきたレーズン入りのパン2つに、写真のとおりのメニューだ。今日の昼食はすごい。


     昼食を終えて、また丘陵地帯へ

   雲の様子が変わってきた。チギレ雲だ。風が冷たいせいか、汗をかいてもそんなに暑くならない。  このまま時間が止まってくれて、このままずっとここにいたくなる気持ちだ。


      風力発電機の多さには閉口

   高台は風が強い。そのためか風力発電用の風車が至る所に立つ。乱立と言ってもよいだろう。  この美しい景色に、この機械は似合わない。