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日付:2012年4月2日
場所:    殉職者の町、オラドール (Oradour-sur-Glane)   

訪問地: Limoges, Chaptelat, Nieul, Saint-Gence, Veyrac, Oradour-sur-Glane

   

今日も快晴

 天気に恵まれている。雲一つなく晴れ渡った空の下を走る。 風は吹いていない。寒くもない。まさにサイクリング日和だ。

 

中世の橋  

     10万分の1の地図上で、ニュール(Nieul)の町の近くに「橋」のマークを見つける。 早速、そこに行ってみた。そして驚いた。何もない。中世の橋と書かれた看板が一つあるだけだった。 有刺鉄線を乗り越えて、写真中央の木の下まで行ってみる。

 橋はあることにはあるが、ずいぶん、手入れのしていない橋だ。今は、牧場にでもなって いるらしく牛の足跡が至る所にある。
 これには少し落胆だ。  

   

   水無地獄で、喉を潤すビール

 実は今朝から、ミネラル水を何処かで買いたかった。店を探したが見つからない。 パン屋や八百屋で、運がよければ水を売っていることがある。 それを期待した。ニュール(Nieul)の町では 町に一軒あるパン屋が定期休業日。 ベイラック(Veyrac)の村で開店しているパン屋を見つけたが、 飲み物は売っていないという。

 こうなったら、オラドール(Oradour-sur-Glane)の町まで走ることにする。 さすがに、ちょっと大きそうな町だから、水ぐらい売っているだろうと期待する。  

案の定、オラドール(Oradour-sur-Glane)で、飲み屋があった。
 早速、ビールを注文だ。乾いた喉が割れるように痛い。まさに至極の一杯である。


   642人が虐殺された村

オラドール(Oradour-sur-Glane)。
 実は、この村について何も知らなかった。 この村が終戦近い1944年の6月10日に、ナチに襲われ住民642人が虐殺され うち193人が子供だったという。  


      昔のままの村

   村は、その当時のまま保存されている。街路に電車が走り、 床屋、ホテル、肉屋、八百屋など虐殺があったときのまま保存されている。

 夫婦連れからフランス語で、「よくないことだ」と話かけられた。
 私は言葉がなかった。「えーと、これは、、、、」と言葉に詰まる。このような場面で使う 適切な単語が思いつかなかった。するとそのフランス人が「、、、、」を「悲しい」 と補ってくれた。まさに悲しいことだった。


     瓦礫にタンポポ

   ここは社会見学の場所になっているらしい。小学生、 高校生のグループを見かける。

 瓦礫の間に、タンポポが花を咲かせていた。快晴の空の下、この風景はいったいなんなんだろう。


     リモージュに帰還

   昨日の1万8000年前、今日の68年前、いろいろと考えさせられる旅だった。
 どことなくリモージュの街の喧騒が、薄ぺらっく映る。  短い旅だったが、ずいぶん長い時間が過ぎた印象だ。